恐らく最後に書いたであろう、母の文字は、老人保健施設に入所していたときに七夕のレクリエーションでの願い事の短冊です。

この頃はもう、脊髄小脳変性症により体が動きませんでした。座るのも辛くて、体が重力に負けて前につんのめってしまうので、車イスに包帯などで縛り付けて固定してもらいながらの生活でした。

そんな母が書いた願い事を、叶えてあげなくてはならないのは残された私たちです。


元気な頃は美しい字を書きました。病気のせいで手は震え、ペンを握れたのはこれが最後だったはずです。