ほくろができたり、大きくなったりすると誰しも気になるものです。
1-2年で急に大きくなったり、左右非対称、境界不明瞭のものは手術的に切除し、顕微鏡で詳しく精査する病理検査をする必要がありますが、大きさが何年も変わらない円形のほくろであれば、レーザー治療が一番手軽な治療法です。
ほくろの直径が5mm位までなら、レーザー治療で対応可能です。
ほくろは母斑細胞という細胞が増えている一種の皮膚のできもの(皮膚腫瘍)です。
切除する場合には、ほくろの細胞(母斑細胞)を全て切除しないと、再発と言ってほくろがまた出てきます。
ほくろを除去するためのレーザーとしては、炭酸ガスレーザーと言うものを用います。
炭酸ガスレーザーは、水分に反応する波長を使用したレーザーで、水分の含んでいるものを蒸散(除去)する性質を持っています。
ほくろは皮膚の奥の方まで根っこがあるように存在しているので、取り残しがないように、いかにきれいにレーザーで取り除くかがポイントになってきます。
しかし、取り残しがないようにと余分にレーザーを照射をし過ぎると、ほくろは取れるかもしれませんが、余分な正常組織も蒸散(除去)してしまいます。その程度が深すぎると、お肉(肉芽)が盛り上がらず照射部に陥没を残してしまいます。
いかに、ほくろの細胞(母斑細胞)だけを取り除くかが、ポイントになってきます。
私はレーザー照射の際、手術用の高倍率拡大鏡を用いています。
細胞レベルまで見えるわけではないですが、可能な限り拡大して見ることで、取り除く必要のあるほくろの細胞(母斑細胞)だけを効率よく蒸散(除去)する事ができます。
照射後は肉芽が盛り上がり平坦になるまでの2週間前後、肌色のテープを貼って頂きます。テープを貼った上からであれば、お化粧や洗顔をしていただけます。
照射部のくぼみが治り平坦になれば、そのまま素顔に化粧が可能となります。
治った当初は少し赤みを帯びていますが、化粧でカバーできる範疇です。