手術の成績(組織増大、増量)を左右する二つ目の鍵となるのが、注入方法つまり注入の仕方です。
ただ注入するだけと思われがちですが、注入の仕方により生着率には大きな違いがでてきます。
ヒアルロン酸などの吸収されるフィラー(人工注入材料)は、細かく注入し血流のある組織と接触面を多くすると吸収が早くなり、反対に一カ所にまとめて注入すると、まわりとの接触面が少なくなるため吸収が遅くなり長持ちする傾向にあります。
飴をそのまま舐めていると長持ちするけれど、歯で噛み砕いて粉々にし舐めると口の中から飴が早く無くなるのと同じ理屈です。
しかし、脂肪注入はそれと真逆で注入部位の血流のある組織にできるだけ接触面を多くすることで、注入脂肪に血行を再開させやすくすることができます。
つまり、細かく注入し、周囲組織と接触面を多くする事が注入する時のポイントになってきます。
一カ所にまとめて注入すると、生着率が悪いだけでなく、しこりになったり石灰化したりと合併症にもつながっていきます。
たかが注入、されど注入。
注入と言えども、脂肪注入の理屈を理解しているか理解していないか、細かいこだわりを持つか持たないかにより、注入方法一つをとっても生着率に大きく影響してくることをおわかりいただけましたでしょうか。