通常の二重埋没法は、皮膚側から結膜側に糸を一端貫通させてから結紮し固定します。
なので、初め結膜側に1mm~5mm(ひどいものでは1cmほど)糸が露出している状態になっています。そんなことを聞くと、心配になるかもしれませんが、大丈夫、大半は結膜内に埋もれ込み、糸が隠れてしまいます。
しかし、他院で施術した二重がとれてしまって当院を受診されてくる方をたくさん診ていると、結膜に糸が埋まらず露出したままの方をいくらかの割合で見かけます。
ゴミが入ったような異物感を時に感じるという方もおられれば、全く無症状の方もおられます。
結膜側(まぶたの裏側)に糸が露出していると何が悪いのでしょうか?
まばたきする度に、露出した糸が角膜(黒目の表面)とこすれるために、角膜に傷が付き、視力低下や角膜炎の原因になりかねません。
目は一生、物を見ていくための非常に大切な器官です。もし原因が何であるにしろ目が見えにくくなればどれだけ不自由でしょうか。自分のライフワークである二重の手術がその一因になる可能性があるとすれば非常に残念なことです。
自分がもし手術を受けるとすれば、目にキズをつけることのないように、結膜に糸がでない方法があるならその方法で手術してもらいたいものです。
そういう発想から、当院では、結膜を越えて裏側に糸がでないように工夫して、糸を通しています。
細かいことは、説明しても解りにくいのと、企業秘密?(^^)なので触れませんが、結膜側に糸が出ないように、かつしっかり固定できるように糸を通すには、なかなかの工夫が要ります。そして、やってみると作業的にもひと苦労で技術的に熟練を要します。
手間ひまかかりますが、それでも結膜に糸が出ないというメリットは大きいと考え、結膜に糸が出ないことにこだわって、二重の手術を日夜しています。