SkypeのM&Aとベンチャーキャピタルの責任 | ベンチャーキャピタルでの徒然

SkypeのM&Aとベンチャーキャピタルの責任

今朝の新聞で、

『Skypeという企業がeBayという企業に買収された』という記事をご覧になりましたでしょうか?

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20050914-00000098-myc-sci


スカイプは2002年に設立されたばかりのルクセンブルクのベンチャー企業。そんな設立3年のベンチャーが最大41億ドル=約4,500億円で買収されました。確かに、スカイプは無料で世界中どこでも電話をかけることのできるお手軽な製品を開発した企業ですが、何でルクセンブルクの会社なのでしょうか???


なぜ、

これらの日本の大企業発の技術ではなかったのか?

日本には通信分野に非常に強い富士通、NECなどの優れた企業があるのに! もしかすると、日本の大企業でも誰かが同じようなものを開発できたのではないでしょうか?


なぜ、

日本のベンチャー企業発の技術ではなかったのか?

日本には通信分野に強い技術者は沢山いるはずなのに! もしかすると、日本のベンチャー企業でも同じようなものを開発できたのではないでしょうか?


もしも、日本のベンチャーキャピタルがしっかりしていれば、技術者は日本のベンチャーキャピタルから資金を集めることができたはず。そうすれば、スカイプのような事業は日本から生まれたのではないでしょうか?


これから、どんどんと、従来なかった技術が生まれてくると思います。それらの新しい技術に資金を投入できるのは、政府の補助金か、ベンチャーキャピタルか、あるいはエンジェルと呼ばれるお金持ちかしかないと思います。日本の産業育成においては、ベンチャーキャピタルの存在意義と責任は非常に大きいと思います。


他のベンチャーキャピタルの動向を確認しての『おててつないで横並び投資』や、『上場直前投資』ばかりをしていては目利き能力は高まりません。

しっかりと、技術を判断し、市場の動きをとらえて、リスクマネーを投入するのがベンチャーキャピタルであり、ちゃんとした投資ができていれば、ベンチャーキャピタルの社会的な位置付けも高まるであろうと思います。


ベンチャーキャピタリストのはしくれとして、私にとってちょっと悔しいニュースでした。

明日から、もっと頑張るゾ!