J1リーグ第29節・FC東京VS広島=アギーレジャパン最多選出クラブである理由【J特】 | ヒロ・ゴラッソ

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 色々とありまして、もうガンバ大阪のマッチレポートを書けなくなったため、今後は僕のJリーグ注目試合をレビュー&プレビューしていこうと思います。ちなみに、J2やJ3を対象にする場合もありえますのでご了承下さい<m(__)m>


 では、まずは第29節が水曜開催だったため、注目試合のレビュー(レポート)を書くと共に、26日の日曜日の注目試合のプレビュー(試合前レポート)をまとめて書きたいと思います。なぜなら、第29節の注目試合はFC東京 VS サンフレッチェ広島で、FC東京が次節に僕が元サポーターだったガンバ大阪と対戦するためです。そのため、FC東京目線からの広島戦レビューと、ガンバ戦へのプレビューという形式にしたいと思いますので、FC東京とガンバ大阪のサポーターに楽しんでいただければと思います。



長友以外にも多数の代表選手を輩出

       育成型の名将・フィッカデンティ監督


FC東京はガンバとの前回対戦前にも言いましたが、僕が今季最も注目しているチームです。


 今季から就任したJリーグ初のイタリア人監督となったマッシモ・フィッカデンティはご存知のように日本代表不動の左SB長友佑都がイタリアに最初に渡った際のクラブであるチェゼーナの監督でした。彼が長友の成長に一役買っている事もありますが、彼の作っていたチェゼーナのサッカーがブロフィンチャ(地方)のクラブとは思えない戦い方をしていたので強く印象に残っています。

 カウンター主体ながらも豊富な運動量を武器には連動した攻撃に鋭さがありました。また、彼が指揮していた当時の主力選手は長友がインテル・ミラノにステップアップしていったのと同様に、右ウイングのスケロットもインテル・ミラノ、左ウイングのエマヌエル・ジャッケリーニはユベントスへと移籍し、彼等は無名の存在だったのに一気に国際舞台でも注目を得る選手になっていきました。特に長友と左サイドでコンビを組んだジャッケリーニは160cmほどの小柄ながらもEURO2012のイタリア代表メンバーとして準優勝にも貢献。プレミアリーグにも引き抜かれたイタリアには珍しいドリブラーとして、長友と共にフィッカデンティ・チルドレンとして覚えておいて損はないと思います。

 そのFC東京は仙台・大宮と下位チーム相手に連敗を喫していますが、その前はリーグ戦14試合連続無敗という結果を出すなど、序盤戦こそ苦戦してものの、フィッカデンティ監督のチーム作りが浸透しているのが窺えます。

 

 では、そんなFC東京のレビュー&ガンバ戦へのプレビューをどうぞ!!

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【ピックアップマッチ:J1リーグ第29節】

FC東京2-1サンフレッチェ広島

得点者【FC東京】渡辺(25分)、武藤(74分)

【サンフレッチェ】佐藤(55分)

現日本代表6人が揃った”注目すべき”試合で魅せたのは

  FC東京の柔軟性~戦術戦でイタリア流フィッカデンティの勝ち


<マッチレビュー>広島対策のミラーゲームで得意の”戦術戦”。守備のメカニズムからの攻撃のアプローチ光る!

 

FC東京
(J1リーグ第29節・サンフレッチェ広島)
11エドゥー
14武藤嘉紀 9渡邊千真
7米本拓司 22羽生直剛
4高橋秀人
6太田宏介 2徳永悠平

3森重真人(CAP)

30カニー二
20権田修一

【選手交代】

67分、FW11エドゥー→MF8三田啓貴

74分、MF22羽生直貴→MF17河野広貴

94分、FW14武藤嘉紀→MF38東慶悟

【ベンチ入り】

GK1塩田仁史、DF29吉本一謙、50松田陸、FW39中島翔哉



10月の日本代表戦に招集された選手がFC東京にGK権田修一・DF森重真人・太田宏介、FW武藤嘉紀、広島にDF水本裕貴・塩谷司と両チーム合わせて6人もの選手が在籍し、全員が揃って先発出場した”注目すべき”試合。特に守備陣に代表選手が集まり、FC東京は現在リーグ最少失点の24を記録してもいます。しかし、現在リーグ戦28節終了時の順位が同じ勝点42で6位と7位という中位同士で全く盛り上がる要素が乏しい試合でした。


  そんな中、FC東京については現代サッカーでは稀有な存在となっている”ファンタジスタ”タイプのMF河野広貴が先発メンバーから外れ、出場停止明けのFWエドゥが先発復帰。システムは今季の定番となる【4-3-1-2】ではなく、【4-3-3】が予想される布陣。また、CBには夏に加入した元U21イタリア代表の長身DFカリー二がここへ来て先発に定着し始めた事も注目点でした。

 前半は出だしこそFC東京に主導権を掴んだものの、徐々にリーグ2連覇中の広島が主導権を握る展開に。するとMF高橋秀人が【4-3-3】のアンカーから最終ラインに。というよりも、広島MF高萩洋次郎をマンマークする事が決まっていたため、その高萩が高い位置に張り始めた事でFC東京は5-4-1のシステムへ移行。タイプは違うものの、広島も不動の【3-4-2-1】の可変型システムとして有名。守備時は5-4-1になる事もあって、互いに布陣が噛み合ったミラーゲームとなりました。そして、それは多数のシステムを使いこなすイタリア人監督らしい戦術戦へ発展していく事になっていきます。

 すると26分、FC東京は左サイドのスペースへ米本拓司が開いてボールを受け、粘っての右足クロス。これをファーサイドでマークするDFを巧みに外したFW渡邊千真が頭で飛び込んでFC東京が先制。1-0。お膳立てした米本の動きは攻撃に置いても戦術的でした。日本で”戦術的”と言うと守備面ばかりが強調されますが、「サイドのスペースは3バックの盲点」なのは有名な話。ただ、FWでなく、中央のMFがサイドへ流れる事で広島守備陣のマークがズレざるをえない状況を作ったところに、”戦術の国”イタリアの指揮官らしく守備側の立場から解いた攻撃指導がなされていたのでは?と感じられたプレーでした。

 しかし、29分に日本代表の守備の要である森重がエリア内でボールに行ってるにも関わらず厳しいファウルの判定でPK献上。この大ピンチには、日本代表GK権田が佐藤寿人のキックをビッグセーブで防ぎました。

 そんな前半は広島の攻撃に対してFC東京が対応しつつ、戦術面でのインテリジェンスで勝っていたFC東京が1点リードで折り返しました。

 ただし、リーグ連覇の王者もこのままでは黙っている事もなく、後半開始からサイドを起点にした分厚い攻撃で押し込みました。こうする事で両サイドの守備への負担で武藤と渡邊が攻撃に絡めなくなり、また、彼等が前線でのプレスがかけられなくなる事から、広島最終ラインの持ち味でもあるビルドアップからの縦パスがどんどん入って来ました。

そして、55分。広島は3本連続の左CKを獲得。ゴール中央へのキックにFC東京GK権田が飛びつくも、味方FWエドゥと接触して後逸し、ゴール方向へ。コレを佐藤が押し込んで1-1。実にもったいないミスで同点とされてしまいます。しかも、流れは連続してセットプレーを獲得できるほど広島ペース。

 ここでフィッカデンティ監督が執った采配が実にイタリア人らしく”勝負師”かつ、チームに戦術戦が浸透している跡が見えました。まず最前線のFWエドゥに替えてMFの三田啓貴を投入して中盤に厚みを加える。次は満を持して疲労の濃いベテランMF羽生直剛に替えて、”東京のファンタジスタ”河野を投入。”河野”システムと言える【4-3-1-2】にして攻撃モードに切り替えました。

 すると河野投入直後、太田の左サイドからのFK。ゴール前へのクロスをDFの前で競った武藤のヘッドが広島FW皆川佑介に当たってゴールに吸い込まれ2-1に。

 以降も河野投入後の攻撃のリズムも良くなったゲーム展開で主導権を握ったFC東京は、武藤を左サイドMFに配置した4-4-2の陣形にマイナーチェンジするカウンター志向を効果的に取り入れたシステムも使いながら巧みな逃げ切りによる戦術戦を見せての勝利を飾りました☆ 

前回対戦時にも完勝した柔軟性に選手層もプラス

 ~アギーレジャパン大量選出の理由を証明し続ける


 フィッカデンティ監督の見事な采配と、確実に監督の戦術や意図が浸透して完成度を高める現在のFC東京は、最少失点と共に攻守のバランスが絶妙です。加えて、先発に定着し始めたDFカリー二や、この日は温存されたMF河野の存在。怪我から復帰したMF三田や、夏に加入したU21日本代表のエースナンバー”10”を着るMF中島など、選手層が分厚くなっています。多数のシステムを操りながら選手の特徴も把握して来た中で戦力が拡がっている充実感はサッカーを観る側にとっては大変面白いチームです。話題が武藤ばかりに集中されますが、フィッカデンティ監督のイタリア流戦術戦という今までのJリーグには無かったエッセンスを注入し続けるFC東京には注目です。そして、こうした度重なるシステム変更の中でも攻撃と守備のバランスを失わない柔軟性がハビエル・アギーレ日本代表監督による代表選手の大量選出に繋がっているのでしょう。また、相手に合わせてシステムを変える事は受身ですが、どんどん積極的にシステム変更をしている事を考えれば、これは受身ではないとも捉える事ができるのも面白いポイントですね。


 そんなFC東京は明日に行われる第30節はガンバと対戦します。ガンバとの前回対戦では電光石火の開始3分での2ゴールがあり、それを活かす采配として武藤の配置換えを使って巧みなゲーム運びを見せたFC東京が3-0の完勝で締めました。当時はまだガンバが低迷してはいましたが、実はその2戦前からガンバはFW宇佐美貴史が先発に復帰してから2連勝中でした。FC東京には完敗しましたが、その後のナビスコカップ予選でも代表選手がいない中でも見事な戦いを見せて勝利して予選突破をして復調していただけに、前回対戦は参考にならないとは思えません。従って、ガンバの連勝街道は宇佐美の先発復帰から始まっている、と僕は捉えています。

 僕はFC東京がガンバに勝つだろうと思っているのですが、その理由としては監督の差を上げたいと思っています。前回対戦時もそうでしたが、ガンバが連勝を止めたレイソル戦も、長谷川健太監督は戦術戦に全く付いて行けません。レイソル戦は過密日程からの先発メンバー4人変更の決断だったとは思いますが、それ以上に中盤ダイヤモンドを使用したのは、おそらく9月に3連戦した広島相手に大成功したからでしょう。広島と同じ3-4-2-1のシステムを取るレイソルに対しても同じ策を講じたものの、広島とは違う性格のレイソル流を前にして、自信を持って出したダイヤモンド型の中盤は全く機能せず。そもそも自ら布陣を選択している時点で受身であるにも関わらず、そこから相手の出方に対して対応できないとなると何もできなくなるのが長谷川監督には多々見受けられます。そこが相手に合わせながらも攻撃のアプローチが出来るフィッカデンティ監督との差でしょう。「攻撃は水物だから」が口癖の監督との違いです。

 また、ガンバの弱点として3バックの相手に弱い事と、中盤センターに3人を配置するチームにも弱いという弱点があるので、高橋・米本・羽生・三田・東慶悟が務めるFC東京の中盤3枚による激しいプレッシング、または高橋が3バックに入った場合にも双方共にガンバの弱点と重なるのもFC東京有利の理由です。


現在の宇佐美は”ガンバのFW”としては失格

 守備要求も、アシスト能力の称賛も必要ない


 そして、そういった戦術的柔軟性を守備だけでなく攻撃でも見せられるこそ、FC東京の選手は代表に大量選出されていきます。逆にガンバからはゼロと・・・。


 それでも宇佐美には代表に入ってもらいたいのですが、その宇佐美に守備を要求する声やアシストを称賛する声が多いのも間違っていると思います。あれだけの打開力がある選手がポジションを下げて守備に戻る事は相手にとっての利益でしかありません。また、アシストについてはパトリックのフィジカルに頼るモノである部分が多い事と、”一瞬のひらめき”と言えば聞こえは良いものの、それはプレーを熟考できていない証拠。確かに宇佐美にはパスにもドリブル同様の切れ味があってパスセンスにもゲームメイクにも非凡なモノがあるのは事実。でもそれを現在の彼はJリーグという彼の次元よりは低いカテゴリーでサボっているようにしか見えません。


そんな宇佐美に捧げたいのは、

「僕はボールを持った時、考えられる選択肢の中で最も難しいプレーを選択し続けて来た」

という元イタリア代表のファンタジスタの言葉。名前は出しませんが、彼もMFでもFWでもプレーできます。ドリブルでの打開力もスルーパスなどアシスト能力も世界最高峰レベル。そんな彼は監督の指示を聞かずにプレーする事でビッグクラブではベンチを温める事が多かったですが、イタリア代表では絶対的エース。世界中に彼のプレーが嫌いなサッカーファンはいないのではないでしょうか。そんな選手が最も難しいプレーを選択し続けているのに対して、今の宇佐美のプレーには考えが甘い直感だけのプレーと、パトリックというモンスター級のフィジカルに頼り過ぎているように映ります。そもそもリーグ戦では先発18試合で8ゴール(8アシスト)しか記録できていないFWは”ガンバのFW”としては失格です。川崎戦のプレーに責任を感じると言っていたようで、長谷川監督からもビデオ検証による個人指導があったそうですが、ボールを失ってもドリブルで勝負し続けた川崎の宇佐美を称えられないような監督の指示など聞かない方が良い!!というより、ある意味でサッカーでは監督の指示を守る事よりも、合理的に守らない事が重要でもあると言えます。


とにかく、「宇佐美、しょうもない選手になるなよ!!」と言いたいです。




以上、少し新しい記事構成でお伝えしましたが、いかがだったでしょうか?

今週のピックアップマッチのレビューはJ1リーグ第30節の優勝争いの鹿島アントラーズVS浦和レッズにし、首位を走る浦和レッズについて考察したいと思います。それはそれでガンバサポーターも楽しみでしょう?(笑)
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スタイルに関するアンケート多数開設


新しいアンケートを一気に多数作って募集しております。

ここまでの記事を読んでいただき、国内外のサッカー様々に思うところからピックアップしてきたモノになっていると思います。サッカーを愛する皆様だからこそのご意見をお聞かせください。

「スタイルとは誰が作るモノ?」

http://blog.with2.net/vote/v/?id=138033

「スタイルとは必要か不要か?」

http://blog.with2.net/vote/v/?id=138032

「スタイルとは誰のモノ(所有物)?」

http://blog.with2.net/vote/v/?id=138031

「ガンバのポゼッションとは誰のモノだったのか?」

http://blog.with2.net/vote/v/?id=138036

「長谷川ガンバをどう思いますか?」

http://blog.with2.net/vote/v/?id=137553


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