「スタイルとは誰のモノか?」クラブor監督or選手?ペップとバルセロナ、バイエルンの例【J特】 | ヒロ・ゴラッソ

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本日、財布を含めた手提げ袋を拾ってしまいました。

もちろん、2割~5割というお礼金などの拾得者の権利も行使せずに警察に届け出たのですが、少し中身を確認したところ・・・落とし主は女子大生で写真付きの住民基本台帳も入っていたので直ぐに落とし主も見つかるだろうと安心しております。

 ただ、その財布の中身はなかなかの大金と共にクレジットカードが会員カード付のモノと合わせて4枚以上あって、財布も2つ所持しているという・・・女子大生ってスゴイなっとカルチャーショックというのでしょうか?受けております。


 カルチャーショックと言えば、10年ぶりの7連勝で3冠の可能性も現実味を帯びて来たガンバ大阪。でも最近のガンバは守り切る試合の方が「自分達のサッカーではない」などと言いながら、もうすでに守り勝つ方が「自分達のサッカー」になっているのが現在のガンバ。でも本当にコレでいいのか?そもそも長谷川健太監督が就任してから口癖のように、「攻撃は水物」と言ってる事に対して未だに受け入れられない部分があります。水物だからこそ緻密にやるべきではないか?というのが僕の考えです。

 良いのか悪いのか?というよりも、この日対戦した川崎も風間監督就任によってスタイルを一変しているチーム。スタイルとはクラブやチームが持つモノではなく、監督が持つモノというのがJリーグの中での共通認識なのか?それとも勝つ事だけが優先されるからこうなるのか?いずれにしても色々と考えを巡らせるのには大きなテーマだと思います。

 そこで、ずっと書きたかったのですが、まとめ切れてなかったのをここで紹介します。


クラブor監督or選手?「スタイルとは誰のモノ?」

~昨季の欧州ビッグクラブ間での監督大移動による解答

  

 昨季の欧州の各国トップリーグでは超一流と呼べるクラスのビッグクラブで監督が大移動しました。まず欧州王者であり、3冠王者であったバイエルン・ミュンヘン(ドイツ)にバルセロナ(スペイン)退任から1年の充電期間を経てジョゼップ・グアルディオラが就任したのを筆頭に、レアル・マドリー(スペイン)からジョゼ・モウリーニョがチェルシー(イングランド)へ行き、チェルシーのラファエル・ベニテスはナポリ(イタリア)へ。パリ・サンジェルマン(フランス)からレアル・マドリーへカルロ・アンチェロッティがやって来て、バルセロナにはヘラルド・マルティーノ。マンチェスター・シティ(イングランド)にはマヌエル・ペジェグリー二がマラガ(スペイン)からやって来て、アレックス・ファーガソンが勇退したマンチェスター・ユナイテッド(イングランド)にはエヴァートン(イングランド)からディビッド・モイーズがやって来るなど、前代未聞の大多数のビッグクラブの監督が玉突き人事によって大移動したのが、僕の中での昨季の欧州各国リーグ最大の注目ポイントでした。


ペップ革命のバイエルン~”継承者の1人”ではなく、”伝道師”として

最強バルサを作ったペップ

 その中でも注目されたのは”絶対王者”バイエルンに就任した”ペップ”ことグアルディオラ。バルセロナでの4年間の指揮で14のタイトルを取りながら、タイトルの数以上に美しく完璧なパスサッカーを披露し続け、下部組織から生え抜きの若手選手を積極的に抜擢し続けた手腕が評価されているスタイルに拘る指揮官です。彼が異国で違ったサッカー文化と言葉のある国で、しかも前年3冠王者で何を成し遂げても成功とされる事がない状況でどう融合するのか?スタイル的に全体制を継続するのか?ペップ流のスタイルを注入していくのか?はたまたペップが抜けて2年目となるバルセロナはどうなっていくのか?など疑問と興味は尽きない人事でした。

 結果として、ペップは3冠王者のバイエルンでも自分流のスタイルとまではいかなくてもエッセンスは注入し、明らかにバイエルンのサッカーは”ペップ・バルサ”時代に似た”ペップ・バイエルン”になりました。開幕前からドイツ代表でもバイエルンでも主将を担うサイドバックのフィリップ・ラームをボランチにコンバートし、システムもボランチ2人から1人にマイナーチェンジする事でペップ色を出し、【4-1-4-1】システムの最前線にMFを配置するなどはバルセロナ時代そのもの。成績的にも欧州チェンピオンズリーグではベスト4に終わったものの、リーグ戦では史上初の3月の段階で最速優勝を達成し、その時点で無敗。国内カップでも優勝して2冠を達成しました。今季は下部組織からの若手抜擢も積極的に施し、ますますペップ色が出ています。いずれは「コレがバイエルンのサッカーだ」などと自他共に認めるサッカー哲学を植え付けて定着していくのでしょう。

 その中でペップはバルセロナにアヤックス流(オランダ)を持ち込んだ”トータルフットボールの創設者”リヌス・ミケルスとヨハン・クライフと同様に、”伝道師”としてバルセロナ流をバイエルンに持ち込んでいるのでしょう。「コレがバルセロナのサッカー」と世界中で言われるサッカーはオランダのアヤックスで完成されたサッカーで、育成組織やノウハウもアヤックスから取り入れたモノ。それをユース出身者がレギュラーに多く定着している現在のバイエルンで指揮を取るペップの選択は似たようなモノを感じさせます。ペップはバルセロナの歴史においては”継承者の1人”でしたが、バイエルンでは”伝道師”となれる道を選んだ。その選択をサッカーファンとしては嬉しく思います。

バイエルンでも順調に改革を進行中のペップ


 ちなみに僕はガンバから宇佐美貴史がバイエルンに移籍した2011年に、当時3年間で2度の世界王者になったいた最強バルセロナ時代からバイエルンがその最強バルサを超える日が来る事を予想していました。(証拠→ http://ameblo.jp/venger/entry-10913363980.html  )

でも、まさかペップが自ら来るとまでは予想できませんでした。

ちなみに、ペップをこれだけの名将にしたのは、この分かり合えなそうなライヴァル関係も必要だったでしょう。


そして、バルサ監督時代は神経質になり過ぎて、就任1年で髪の毛がなくなったペップはいつもアルマーニの黒いスーツ姿しか見せませんでしたが、ミュンヘンで有名なオクトーヴァー・フェストというビール祭りにはこんなカジュアルな衣装で短パン姿まで披露しています。

このクラスの監督になると母国よりも他国の方が精神的に楽なのかもしれませんね。楽しそうなペップを見ていると、強すぎて憎らしいバイエルンをも応援したくなります☆


バルサのスタイルはクラブの伝統、他クラブはどうか?


 そのペップが去ったバルセロナは成績的には6年ぶりの無冠に終わったものの、スタイルとしてはそれほど変化はなく、再建に必要なのは世代交代や新たなタレントという部分かな?という印象。よって、ペップやバルセロナの関係としては、2008年~2012年の”最強バルセロナ”時代のスタイルというのは監督のモノでもあり、クラブのモノでもあると言えると思います。選手としても監督としてもバルサで伝説となっているクライフとペップを筆頭に、クラブが継続してきた歴史と伝統がスタイルにも現れているのでしょう。


 しかし、モウリーニョが去ったアンチェロッティのレアル・マドリーは、前任者のカウンターサッカーからポゼッションへの移行がなされ、苦しみながらもアンチェロッティ特有の調整力によって両方の要素を取り入れつつ、最高のタレントを活かしたバランス型で固まり、見事に悲願の”ラ・デシマ”(10度目の欧州王者)達成。

 そのモウリーニョがやって来たチェルシーは、オーナーからの攻撃志向のオーダーがあっても、最終的にはカウンター主体のモウリーニョらしいチームとなり、チェルシーとレアル・マドリーの環境では、スタイルとは監督のモノである事が判明したと言えます。


長谷川ガンバの再建過程を知る事

=アギーレジャパンのナビゲーター


 この視点についてはもっと深い事を書きたいのですが、ここではガンバにスポットライトを当てるとどうなるのか?あの”黄金の中盤”が作り出したサッカーというのは、西野監督のモノだったのか?それともあの時代の選手のモノだったのか?それともガンバというクラブのモノだったのか?おそらくクラブやチームのモノではなかった事が現在のガンバを観ていると思うのですが、皆様はどう思われているのでしょうか!?以前に当ブログでアンケート集計すると、やはり現在のガンバに「攻撃的」や「ポゼッション」「パスサッカー」というイメージはなく、「攻守のメリハリ」「攻守の切り替え(トランジション)の速さ」が武器だという声が圧倒的多くを占めました。


 サッカーとはどのチームもピッチの上に11人しか送る事はできません。どこかを修正しようとすると、今まで機能していた部分が機能麻痺を起こすスポーツです。得点が多くても失点が多く、守備を修正したつもりが得点数まで減った、というのが今季の前半戦までの約1年半の長谷川ガンバの姿であるのもその象徴です。アルベルト・ザッケロー二体制からハビエル・アギーレ体制に替わった日本代表も同様で、特に今の日本代表はJ2に降格しても苦戦し、つまらない試合を続けていた1年半前頃までのガンバに酷似しています。

 確かに今の日本代表の試合はつまらない部分が多く観るに耐えない部分もあると思います。

しかし、ガンバサポーターの皆さんは長谷川監督就任からのガンバの再建過程をしっており、アギーレ監督の口癖である「戦うサッカー、戦う選手」も長谷川監督の口癖でもある事を知っているアギーレシャパンのナビゲーターです。だからこそ、「つまらない」で終わらせず、「ガンバもこんなだった」と日本代表だけのサッカーファンにガイドしてあげる事が重要だと僕は強く思っています。


 現在の日本サッカー界では、「スタイルとはクラブのモノ」、と言えるのは鹿島アントラーズのみでしょうが、世界的に見てもそう言えるクラブは少ないのかもしれませんね。以下、欧州ビッグクラブの監督大移動を表にまとめましたのでご参照ください☆

   2013~2014開幕前の欧州ビッグクラブ監督大移動
就任先 監督名(※すでに退任) 前所属 リーグ成績(前年→昨季) スタイル変化
バイエルン・ミュンヘン ジョゼップ・グアルディオラ 前バルセロナ 優勝→優勝 バランス型→ポゼッション
バルセロナ ヘラルド・マルティーノ※ ニューウェルス 優勝→2位 ポゼッション継続
レアル・マドリー カルロ・アンチェロッティ パリ・サンジェルマン 2位→3位 カウンター→バランス型
マンチェスター・ユナイテッド ディビッド・モイーズ※ エヴァートン 優勝→7位 バランス型→???
マンチェスター・シティ マヌエル・ペジェグリー二 マラガ 2位→優勝 カウンター→ポゼッション
チェルシー ジョゼ・モウリーニョ レアル・マドリー 3位→3位 ポゼッション未遂→カウンター
ASローマ ルディ・ガルシア リール 6位→2位 ポゼッション→バランス型
インテル・ミラノ ワルテル・マッツァーリ ナポリ 9位→5位 ポゼッション→カウンター
パリ・サンジェルマン ローラン・ブラン 前フランス代表 優勝→優勝 バランス型→ポゼッション

 Jリーグで言うと、J2から昇格1年目で優勝争いできるようなリーグで良いのか?ましてやACLでタイトル争いできずに、下部年代のアジア予選を突破できない国のリーグでそんな事でいいのか?という問題もあり、今のガンバのサッカーに僕は未来を感じる事は全くできません。ただ、川崎のような戦い方は格好は良いものの、あのサッカーは連携面の熟成の面から選手層は薄くなる傾向である事をガンバは知ってもいるし、川崎もあのサッカーで勝ち切らないと意味がない。ましてやクラブ史上無冠のチームですから。


本当はマッチレポートも書くつもりはなかったのですが、ファンクラブ招待券での現地観戦した事と、このようなスタイルへの拘りやその影響力と将来性という部分に川崎という相手チームが絡んで様々な事がリンクしたので、こうした記事をまとめたく書きました。お許し下さい。

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スタイルに関するアンケート多数開設


新しいアンケートを一気に多数作って募集しております。

ここまでの記事を読んでいただき、国内外のサッカー様々に思うところからピックアップしてきたモノになっていると思います。サッカーを愛する皆様だからこそのご意見をお聞かせください。

「スタイルとは誰が作るモノ?」

http://blog.with2.net/vote/v/?id=138033

「スタイルとは必要か不要か?」

http://blog.with2.net/vote/v/?id=138032

「スタイルとは誰のモノ(所有物)?」

http://blog.with2.net/vote/v/?id=138031

「ガンバのポゼッションとは誰のモノだったのか?」

http://blog.with2.net/vote/v/?id=138036

「長谷川ガンバをどう思いますか?」

http://blog.with2.net/vote/v/?id=137553


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