イタリアのアマゾンでキーボードを注文した。
発送の連絡メールも来たし、追跡もできて、
年末にも関わらず予定日に届いた。
今までは日曜日以外毎日学校で練習できたので、
家に鍵盤楽器は必要なかったが、
冬休みは2週間閉まってしまう。
スマホのアプリでしのごうと思ったが、
通奏低音でどさっと宿題を出され、そうも行かなくなった・・・
だからあの教授、12月初旬ごろに、
「家に鍵盤楽器はある?」と訊いてきたのだな。
イタリアの家には無いと言ったら、
「ヤマハかカシオで100~200ユーロくらいの安いものを買えるから買いなさい」
と言われた。
そして買ったのが、これ、ヤマハのNP-12B。
YAMAHA ヤマハ 電子キーボード piaggero ブラック NP-12B 16,938円 Amazon |
リンクは日本のアマゾンサイト。
イタリア語のを貼っても読める人少なそうだから。
英語ならいいんだろうけど。
条件は、
・200ユーロ以内がいい
・61鍵は欲しい
・タッチによって音量が変わるのがいい
・パソコンとつなげてMIDIの打ち込みができること
・A=415に変えられること(トランスポーズ機能)
・できればサステインペダルもつけられること
・できれば日本語の説明書がダウンロードできること
ここまでの条件を満たしていた。
さらに、できれば
・ピッチベンドがついているもの
が欲しかったが、これは高くなるのであきらめた。
ギターソロの打ち込みでもしたくなったら、
別途M-audioとかでMIDIキーボードを買おう。
今はポップスの作曲して遊ぶ暇なんて全然ないし。
そして、NP-12B。
イタリアのサイトで169ユーロだった。
一番気に入ったのはデザインがすっきりしていること。
高機能なシンセサイザーでもないのに、
ボタンだらけなのは気が散るからシンプルなほうがいい。
いい音でもないのに数百種類の音色なんて必要ない。
この価格帯じゃ、音質はあまり期待できないから、
鍵盤楽器の音色だけに特化したこの機種にした。
気分的な問題だけど、チェンバロの音色が出たほうが、
やっぱりチェンバロ曲の練習には嬉しい。
持ち運びにも軽いし、
奥行きが小さいから棚の上に置けて便利。
そうそう、写真の左右にあるスピーカーはウォークマンをつなげて聴くためのもので、
キーボードとは何の関係もないよ。
この機種はキーボード本体から音がでるやつだから。
必要ならばヘッドフォン端子もついているが。
椅子はこのために買ったわけではなく、
借りている家の倉庫に置き去りにされていたものを拝借した。
譜面台は退職するとき人事部の皆様が下さった餞別。
(私は会社員時代、人事部だった)
砂絵も会社の人から。
今回の留学に持ってきているものは餞別の品がたくさん(タオル、箸など)。
見るたびに、頑張らねば!と思う。
お札は湯島天満宮のもので、学業成就!
叱咤激励してもらうのために、いつも見えるところに置いている。
本来神様は自分が立った時、頭より高い位置になるように置くものらしいが、
それより、いつでも目に入って初心を思い出させてくれるようにしたいから。
スピーカーの上の絵葉書は、小学校5年生の5月、10歳の時に美術館に行ったおみやげに買ったもの。
裏に買った日付が書いてある(昔からメモるのが好き)。
子供のころ、よく母が美術館に連れて行ってくれた。
見て気に入った絵は、帰りに売店で絵葉書を買っていたのだ。
これは、シャルル=アントワーヌ・コワペルの1748年の作品「クピドに捨てられたプシュケ」という絵。
自分のメモで「お城が消えさるところ」と書いてある。
クピドが飛び立つと同時に、豪華な城は崩れ去り、荒野になってしまう場面。
美しく豪華だったものが一瞬で消え去ってしまう喪失感と、
愛らしいお姫様と(絶望してるんだけど)、
若い青年の天使が好きだったのだ。
これを見ると、自分の美的感覚がどういったものに反応するのか、
子供のころから変わらない根本を思い出す。
ずっと、何を表現したいと思ってきたかを思い出す。
そのためには、もっと勉強や練習が必要だと思い出させてくれる。
だからイタリアにまで持ってきた。
小学生の自分からの時を超えたメッセージのように感じる。
大人になった今こそ、好きなことのために努力しないでどうするのだ!と思わせてくれるのだ。