イタリアのアマゾンからキーボードが届いた! | 水の都で古楽修行♪ヴェルヴェッティーノのVenezia見聞録

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2016年よりイタリア留学中。国立音楽院の古楽科でバロック声楽を専攻しています。
日々勉強中なので、過去記事と最近の記事では発声について見解が異なる時がありますが、最新の記事が現在の発声です。
世界遺産の島ヴェネツィア在住。

イタリアのアマゾンでキーボードを注文した。

発送の連絡メールも来たし、追跡もできて、
年末にも関わらず予定日に届いた。


今までは日曜日以外毎日学校で練習できたので、
家に鍵盤楽器は必要なかったが、
冬休みは2週間閉まってしまう。
スマホのアプリでしのごうと思ったが、
通奏低音でどさっと宿題を出され、そうも行かなくなった・・・
だからあの教授、12月初旬ごろに、
「家に鍵盤楽器はある?」と訊いてきたのだな。
イタリアの家には無いと言ったら、
「ヤマハかカシオで100~200ユーロくらいの安いものを買えるから買いなさい」
と言われた。

 

そして買ったのが、これ、ヤマハのNP-12B。

 

リンクは日本のアマゾンサイト。
イタリア語のを貼っても読める人少なそうだから。
英語ならいいんだろうけど。

 

条件は、
・200ユーロ以内がいい
・61鍵は欲しい
・タッチによって音量が変わるのがいい
・パソコンとつなげてMIDIの打ち込みができること
・A=415に変えられること(トランスポーズ機能)
・できればサステインペダルもつけられること
・できれば日本語の説明書がダウンロードできること
ここまでの条件を満たしていた。

 

さらに、できれば
・ピッチベンドがついているもの
が欲しかったが、これは高くなるのであきらめた。
ギターソロの打ち込みでもしたくなったら、
別途M-audioとかでMIDIキーボードを買おう。
今はポップスの作曲して遊ぶ暇なんて全然ないし。

 

そして、NP-12B。
イタリアのサイトで169ユーロだった。
一番気に入ったのはデザインがすっきりしていること。
高機能なシンセサイザーでもないのに、
ボタンだらけなのは気が散るからシンプルなほうがいい。
いい音でもないのに数百種類の音色なんて必要ない。
この価格帯じゃ、音質はあまり期待できないから、
鍵盤楽器の音色だけに特化したこの機種にした。
気分的な問題だけど、チェンバロの音色が出たほうが、
やっぱりチェンバロ曲の練習には嬉しい。
持ち運びにも軽いし、
奥行きが小さいから棚の上に置けて便利。

そうそう、写真の左右にあるスピーカーはウォークマンをつなげて聴くためのもので、
キーボードとは何の関係もないよ。
この機種はキーボード本体から音がでるやつだから。
必要ならばヘッドフォン端子もついているが。

 

椅子はこのために買ったわけではなく、
借りている家の倉庫に置き去りにされていたものを拝借した。

 

譜面台は退職するとき人事部の皆様が下さった餞別。
(私は会社員時代、人事部だった)
砂絵も会社の人から。
今回の留学に持ってきているものは餞別の品がたくさん(タオル、箸など)。
見るたびに、頑張らねば!と思う。

 

お札は湯島天満宮のもので、学業成就!
叱咤激励してもらうのために、いつも見えるところに置いている。
本来神様は自分が立った時、頭より高い位置になるように置くものらしいが、
それより、いつでも目に入って初心を思い出させてくれるようにしたいから。

 

スピーカーの上の絵葉書は、小学校5年生の5月、10歳の時に美術館に行ったおみやげに買ったもの。
裏に買った日付が書いてある(昔からメモるのが好き)。
子供のころ、よく母が美術館に連れて行ってくれた。
見て気に入った絵は、帰りに売店で絵葉書を買っていたのだ。
これは、シャルル=アントワーヌ・コワペルの1748年の作品「クピドに捨てられたプシュケ」という絵。
自分のメモで「お城が消えさるところ」と書いてある。
クピドが飛び立つと同時に、豪華な城は崩れ去り、荒野になってしまう場面。
美しく豪華だったものが一瞬で消え去ってしまう喪失感と、
愛らしいお姫様と(絶望してるんだけど)、
若い青年の天使が好きだったのだ。
これを見ると、自分の美的感覚がどういったものに反応するのか、
子供のころから変わらない根本を思い出す。
ずっと、何を表現したいと思ってきたかを思い出す。
そのためには、もっと勉強や練習が必要だと思い出させてくれる。
だからイタリアにまで持ってきた。
小学生の自分からの時を超えたメッセージのように感じる。
大人になった今こそ、好きなことのために努力しないでどうするのだ!と思わせてくれるのだ。