野菜の自然治癒力・・スイカ編 | 化学肥料と農薬に頼らず自然でやさしい美味しさに育つ『炭素循環農法』で野菜を栽培している農家のブログ

化学肥料と農薬に頼らず自然でやさしい美味しさに育つ『炭素循環農法』で野菜を栽培している農家のブログ

2013年7月から近所の耕作放棄地を再生して、農薬や化学肥料は使わない『炭素循環農法』で野菜をつくりはじめました。畑の様子や、無人販売の様子、野菜の作り方などを情報発信して行きます。

$家族で楽しく野菜をつくる方法

べじまにあの中村です、

今から家庭菜園の常識を覆す
発言をします。

今からの話は、聞く人によっては
お前バカか、それともアホか、と
言われるかもしれません。

一部の農家や業界関係者からは
怒号が飛んでくる可能性があります。

でも良いです。

私は家庭菜園を楽しんでいます。

家庭菜園と農家の野菜作りは違う
とも考えています。

家庭菜園は野菜とふれあいながら
成長の過程を楽しみながら自己の
責任で行うものだと思います。

病気になったら悲しんだり、

虫がついたら「あっち行けー」と
退治したり、追っ払ってあげたり
寄りつかないように保護してあげたり、

トマトのように雨に当たりすぎると
割れやすい野菜だったらビニールで
屋根をつけてあげたり、

種付けから収穫までの過程で行う
全ての行為はまるで子供を育てるのと
同じくらいに難しく、でも、楽しい
ものです。

だから私は家庭菜園をもっと多くの
友達に始めて欲しいと思っていますし
子供たちにもやって欲しいと思って
います。

当たり前の話だと言われると思いますが
家庭菜園は究極の食育だと私は
思います。

子供の話で思い出しました・・

以前、

ある近所の小学1年生の女の子が
学校の授業の一環でトマトを育てる
といって、私の店からミニトマトの
苗を買いにきました。

「どうやったら、じょうずに
そだてることができますか?」

と聞かれたので、剪定方法とか
水やりのコツとかを教えてあげました。

一緒にきたお母さんと一緒にニコニコ
しながら「たのしみだねー」と
話していました。

私も「上手にできたらおしえてね」
と言いました。

彼女は「うん」と可愛らしい笑顔で
こたえ、「ありがとうございました」
と言いながらお母さんと車に乗って
帰っていきました。

その10日後くらいのことです。

女の子のお母さんが店にやってきて
しょんぼりした顔で「前と同じトマト
ありませんか?」と言いました。

どうしたんですか?と私が聞いたら
女の子のトマトが何かが原因で
ぽっきりと折れてしまったそうです。

いたずらなのか自然に折れたのか
それは分かりませんが、とにかく
女の子はひどく悲んでいたそうです。

お母さんの話なのでどれほど悲しんで
いたのか、本人の顔を見ていないので
わかりませんが、

小学校1年生の女の子です。

精神的に繊細なのは誰が考えても
わかります。

きっと自分のトマトだけが折れている
姿をみて、悲しくて悲しくて涙が
出たと思います。

まわりのみんなのトマトは元気に
育っているのに、自分のだけが
折れてしおれている姿は、みじめ。

でも自分では何もできなくて、

どうして良いのか分からなくて、

先生にいうのも勇気がでなくて、

彼女はしくしく泣くことしか
出来なかったと思います。

これは悲しいことです。

でも、私は彼女にとって良い経験
だったと思います。なぜなら、

トマトにも命がある。

ということ、

野菜作りは簡単ではない。

ということを少しでも理解できた
はずだからです。

彼女にとって今回の事件がトラウマに
なるかといったら、私は絶対に
そんなことない、と思います。

なぜなら彼女はすぐに新しい
トマトを植えました。

そしてそれが順調に育ち、無事に
ミニトマトを沢山収穫することが
出来ました。
それを笑顔で私に報告してくれました。

自分で育てたトマトを食べてしまえば
その美味しさと感動が大きく、
トマトが折れた事件など簡単に忘れ
去ることができてしまうものです。

大人の私でもシーズン初めて収穫
した野菜を食べるときの感動は
ものすごいものがあります。

純粋な子供なら、私の感動の
何倍も何十倍も感動するはずです!

これこそが究極の食育なのだと
私は思います。

野菜と真剣に向き合っていると
色々面白発見があります。

自然の力を意識して野菜をつくり
始めて感じているのが、

『野菜にも自然治癒力がある。』

ということです。

今日もこの自然治癒の力を感じた
のですが、それは何かと言うと
先日ご紹介した、病気になった
空中栽培のスイカです。

じいじのプランター栽培のスイカで
実の表面に茶色の斑点(はんてん)が
沢山できたやつです。

肥料のやりすぎが原因かと思って
いましたが、1本の木に欲張って
沢山の実をつけすぎたことが原因
だったみたいです。

木の勢いが落ちて元気が無くなり
病的になったということです。

すぐに実の数を減らしました。

そしたら、今は病気が止まり
ぐんぐんと元気に育っています。

一般的には病気の実は早く取って
農薬をかけたりして対処します。

木に残しておくと他の実に
病気が感染するとか言われます。

でも木に力があれば人間と同じように
抵抗力がつき、病気に勝てる
ようになるみたいです。

(これはあくまで自論なので
正解かどうかは分かりません)

人間と野菜のちょっと違う部分を
あげるのであれば、人間はキレイに
修復できますが、野菜は傷跡を
残します。

一度病気にかかった部分は完全に
キレイになることはありません。

今回のスイカも斑点がかさぶた
のようになっていますが、恐らく
実の方は大丈夫です。

なぜそれがいえるのかと言うと
摘果した実を切った時に病気部分が
表面で止まっていたからです。

この調子なら順調に収穫できる
と思います。

このスイカの品種は小玉スイカです。

実がついてから25日で収穫
最適な時期を迎えます。

あと7日ほどで収穫。

とても楽しみです!

では、長くなりましたので
今日はここまでにします。

べじまにあ
中村真也