先日、ニュースで「キューバ ラウル・カストロ氏が引退」という見出しを目にし、色々と思うことがあったので、

自分メモとして今回は残したいと思います。

長くなるかと思います。

あしからず。

 

2年前に、メキシコで出会った旅仲間(革命関連に詳しい方々)から、「キューバに行くならもう今しかないよ。絶対に今行った方がいい!!」と言われて、当初予定になかったキューバを旅行することに。

 

実際に訪れたキューバでは、中国、ロシアなどの車が走っているのを見かけたり、ヨーロッパ資本のホテルが建設されていたりと、明らかに国として大きく変化しようとしているタイミングにありました。

 

実際、街中で見かけた国民投票を呼びかける選挙ポスター、法律・憲法の一部が改正されるらしいという情報も耳に入ってきたので、大きな方向転換により素朴なキューバを見ることができるのはこれが最後なのだろう、と感じながらキューバ縦断旅行をしたのを覚えています。

 

キューバ出発直前、オンラインでキューバ革命関連の本、映画などを読み漁り、そこで詳しいエピソードと共にチェ・ゲバラ、フィデル・カストロ、二人とともに革命を主導したカミロ・シエンフエゴス、日系2世ながらゲバラに賛同して革命に参加した医学生のフレディ・マエムラらについて知り、雷に打たれたかのような衝撃を受け、キューバに到着してからは、革命関連の場所すべてを廻る旅をすることに。

 

医師でもあったゲバラの、「国を超えて貧しい人々、弾圧されている人々を助けたい」という気持ち、そして「医師であり人命を救いたいという思いがある一方、革命を成功するためには目の前の敵を殺さなければならない」という現実に悩まされ苦悩した体験など、医療者目線から見ても、感情移入する部分が多くありました。

 

弁護士であるカストロの、腐敗政治に対してモンカダ兵営を襲撃するも失敗し、死刑判決を受けながらも歴史に残る自己弁護で恩赦を勝ち取ったその実力、人柄、情熱にはただものではないなぁという印象を受けました。

実際、カストロの演説は民衆の心をつかむ、熱意のある言葉が特徴的で、個人的にはゲバラの遺体がボリビアからサンタクララに戻ってきた時の演説など涙なしでは見れません。

 

当時、中米・南米の様々な地で起こった同様の革命のほとんどは、実はキューバ革命の影響を受けて貧困層を中心に起こったそうです。

キューバ革命を起こし成功させたカストロとゲバラこの二人の出会い、その出会いが化学反応のように作用して大きな大きな影響を伝播のごとく世界中に広げたのだと思っています。

 

※ゲバラが日本を訪れた際に予定にはなかった広島を急遽訪問した時の出来事で、日本人としては知っておいたほうが良いのでは!というエピソードがいくつもあるのですが、日本人以上にゲバラが日本のことを思い日本の今後を憂いていたことを知り、改めて彼の正義感や国を超えた人類愛に心を打たれました。

 

そんな感じで、キューバ旅行は私にとってとても特別な、そして様々な不思議なご縁、体験が連続する忘れられない旅になり、

そのキューバで、今は亡きカストロの弟でもあったラウル・カストロ氏がこの度、引退するとのこと。

本当に本当に、ゲバラ、カストロの精神を引き継いだ時代が、これで終わるのだと悲しくも心に響いたニュースでした。

 

実際、キューバは今までに旅した国の中でもダントツで人々が親切で優しくて人種を超えて助け合う、今まで見たこともないような人情のある国でした。

でも旅する中で、タクシーの運転手が廃油と思われるものをガソリン代わりに入れている現場を見たり(その様子を写真に撮ろうとした日本人は、撮るのを止めるよう怒鳴られたり)、街中で購入したハンバーガーにはパサパサのパンにマヨネーズしか塗られていなかったり、今も食料の配給制が続いており指定の曜日に長蛇の列ができていたりと、他の国とは比較にならない程に貧困は明らかで、今の世の出来事とは到底思えないような状況を幾度も目にしてショックを受けたのも事実でした。

 

次回に続きます。