最近あった嬉しい出来事について。
数カ月前に入院されてきた、一人の女性の患者様。
なんとなんと、私の本名と全く同じで、価値観も似ていて
入院して早い段階から、普通、話すまでに時間を要するような深~い話もするような関係になりました。
とても正直で嘘のつけない、人に優しく自分に厳しい、以前の私と似た部分も多い性格の方でした。
先日、私の夜勤の時に、いつものごとく「頓服ください」とナースステーションに来られたのですが、
私が頓服を準備しながら最近の症状や調子を尋ねていたところ
「〇〇看護師さんと話していると、痛みがなくなってくるのよね。
この前もそうだった。すごく落ち着く声よね。
〇〇さんって、×××って話し方をするよね。
私、その話し方、大好き。
優しいよね。いつもありがとう。
今夜はよく眠れそう!」
と仰って、結局希望されていた痛み止めは内服されず、笑顔で戻られていきました。
何気ない言葉ですが、個人的にはすごく嬉しい言葉で、
「きちんと伝わる方には伝わってるのかなぁ」と、
勇気を与えてもらったような気持ちになりました。
読む人によっては、「気の持ちようなんじゃないの?」と思われる方もいるかもしれませんが、
私は幼い頃から人の声、言葉、話し方や雰囲気には目には見えないものが宿っていて、
時にそれらが相手の心のトラウマ、深い傷、心と体の症状を軽減することがあるのじゃないかなぁ、と
ずっと思っていました。
看護師になってからは、その考えが確信に変わるような体験を沢山してきました。
対応困難な患者様を担当した際に、患者さんがあまりに普通で
診察中、始終穏やかに過ごされるので、周囲のスタッフや上司にも
「なんで?うまくいったの?すごいじゃん!!次からお願いね!!」と言われるようになり
結果、
ブラックリスト入りされている問題の多い患者様、
スタッフや他の患者様とのトラブルを引き起こす患者様、
クレームや迷惑行為、過去に暴力行為を起こしてに通報されたことのある患者様
など、対応困難だとされる患者様の直接対応ばかりを管理者からお願いされて、
行く先々で、時には部署が異なるのにわざわざ呼ばれて対応することも。
私自身が音や周波数に敏感な方なので、
「こういうケースでは、こういう風に看護師さんに言ってもらえたら、すごく癒されるんじゃないかな。
嬉しくなるだろうし、悩みや不安も吹っ飛ぶだろうなぁ。」と、
毎回微妙なニュアンスをイメージしながら接するようにしているので
そうした時にポジティブな反応が直に返ってくると、「嬉しいなぁ♡」と思います。
例えば、使う言葉、口調、雰囲気、声のトーン、対面した時の第一印象など、
トータルでイメージして、「これがベスト!!」といったもので対応しています。
※初めて書きますが、敏感な目の見えない方、敏感な患者様達から
「あなたの声に癒されたよ。素敵な声の持ち主ね。」と以前から言われることがよくあったので、
自分の声の持つ可能性を試してみたくて、10年ほど前から定期的に自分の声を録音して分析して、
状況に応じて臨床現場で使い分けすることを実はしています。
先ほど挙げたような患者様の中には、
厳しい親の元で育った経験から、自分にも他人にも厳しい方だったり、
自分に厳しいから、自己肯定感が低くて、自分のことを責めることが多かったり、
自分を責める時に、真っすぐな性格がゆえに逃げ場を設けず、他人と同様自分に対してもダイレクトに厳しく責めるので
心の傷が深かったり、大きな大きな不安や苦痛を抱えている方も少なくない気がします。
でも、そんな方々だからこそ、「嬉しい」と感じるような経験をされた時には、
こちらが恐縮するほどに礼節をもって、ダイレクトに思いを表してくださるので、そういう機会に遭遇するたびに
「よかった。伝わった。。」っと、ホッとするのです。
色々と大変なことも多い現場ですが、引き続き、できる範囲で頑張ろう!と思っている最近です。