Vélo + Vaches = Fromage!! -2ページ目

    Vélo + Vaches = Fromage!!

            フランスでチーズを作りながら暮らすMitiの日々

チーズ作りの視点では「夏真っ盛り」です。
実際の季節はまだ春なのですけれど、
極端なことを言えば我々の仕事には”夏”と”冬”しかないんです。

このBlog上で同じ話をすでにしたかもしれません、
だとしたら繰り返しでスミマセン。


年中ウシの乳を搾って年中同じようにチーズを作っているのに、
なぜ夏と冬とを意識するのか。

それは↓↓↓↓


これが理由です。

この塩漬けから脱出したばかりの製造後2日のAbondance、
皮もまだない状態なのにしっかり黄色いのがわかると思います。

夏のチーズは牛乳の影響で黄色く仕上がるんです。
この黄色がチーズの風味や食感を高める為、
作る我々もお客さんも夏のチーズには特別な思い入れがあるわけです。

我々にとって
”夏”はウシが放牧されている時期、
”冬”はウシが牛舎で過ごす時期のことです。
ウシの食べるものはいつも牧草、
でもそれがフレッシュか干したものかによって
成分に変化が出てチーズ作りにもこうして大きく関与してくるんですね。

この餌の違いのせいで
夏のチーズ作りは冬よりちょっと難しくなります。
それも”夏”を意識する理由の一つですが、
なんといっても1年を通じて一番美味いチーズを作れる時期となれば
当然モチベーションが上がりますよね。




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私のチーズ作りに欠かせない道具の一つが、
このあまり見かけない風体のブラシです。


使える物は太陽でも使う、
窓辺で乾燥&殺菌中です。


チーズを熟成する際に定期的に一個一個ブラシで表面を労わるための物、
年中毎日擦っているので毛は抜けクセがつきボロボロになってしまいました。

奥のが新品、
歯ブラシと同じでさすがに古いのは使い辛くなってきたし
効果的にチーズの世話をできなくなったので、
新調します。

ここで働き始めてこれで4個目だと思います。
使い古したブラシの数だけ
私の作るチーズの質も向上しているかしら…。



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水曜日の夜、知り合いと外食をしました。

オフシーズンでまったく活気のないウチの村、
営業しているレストランも一つか二つ…。
ですので私たちは毎回同じレストランに行く羽目になるのですが、
選択肢がないのが幸いしてここは行くたびに満席です。


その水曜の晩餐でのできごと。
食後のコーヒーまでまったく気づかなかったのですが、
隣のテーブルには近隣の村のレストランオーナーが食事をしていたよう。

で、我々がコーヒーを飲みながら話していたら、
そのオーナーがこちらのテーブルに。
「君はこの村のチーズ職人だよな」と話しかけてきたと思ったら、
私の作るチーズを自分のレストランで扱いたいという。



ありがたいお話、
でも産地直売100%が方針のウチの工房なので前例がない。
この件は職場に持ち帰り社長に伝えました。

この辺りでは結構大きめのレストランで
定評もあるところからのラブコール、
とりあえず一度ウチのチーズを試して貰うことになりました。



それで今日昼前に3種類のチーズをお届けしたのですが、
気に入ってもらえたかしら…。

産直ばかりなので業者さんにおさめるのはほぼ初めてのこと。
せっかくの縁だから長く関係を保ちたいので、
外食産業の方ならではの厳しい意見もありがたい。

普段とは違った緊張感が生まれるかしら。




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