私は決して自分から営業をかけることはない。
それで客が消えていけば、遅かれ早かれそうなる運命だろうし、金を稼ぐことにも
男を追うことにも興味が無いので面倒くさい営業はしない。
女から電話やメールをもらって喜んで駆けつける輩もいるが、この業界の女が本気で客に
会いたい訳がない。客が持ってくる銭に会いたいんだから。
当然私もその一人ですが、沢山の嘘を背負って棺桶に入りたくないので、自分からは営業をかけない。
でも客に呼び出されるのは大好きで、当然、銭欲しさに嬉しそうな顔をして出掛ける。
客は自分と会えるから嬉しそうな顔をしていると勘違いしてくれるので有り難い。
客の一人に、ひとたび会うとあまりの美しさに目を奪われポ~っとしてしまう客がいる。
もう40手前になったかしら・・・会社を一代で築いてその歳の割りに羽振りがいい。
気分屋でドタキャンなど平気なので、金が無い時は殺したいほど頭にくるが、まぁ、しょうがない。
そんな僕ちゃんが、突然電話をかけてきた。
「ピヨさ~ん、僕、盛り上がっちゃってるんですけど~!」
勝手に溜まって、突然もよおして電話してくる。 そしていつも 「これからど~ですか!」
仕事が暇だったので早々に切り上げて、僕ちゃんのベンツに乗り込んだ。
たまにしか電話をよこさないのでこいつのことなんか忘れているのだが、会うたびに
「美しい~な~~♪」と惚れ惚れしてしまう。
爽やかな雰囲気、少年っぽさがある端正な顔立ち、適度な運動で鍛えられた凹凸のある
筋肉を纏った体、脂肪のないなめらかな体の曲線・・・・・まるでギリシア彫刻のよう。
幸か不幸かのべ何千人単位で男を相手にしてきたが、ここまで美しい男はそう見たことが無い。
私は、このモテモテで奥さんの他に彼女もいる何不自由なさそうな僕ちゃんが
目の前で裸になる瞬間から、そのすべてに目を奪われる。
美しい・・・・・・本当に美しいのです・・・・・・・・・・・私は美しいものフェチです。
それが今、手の届くところで脱いでいる・・・バンザーーイヽ(゜▽、゜)ノ
喘ぐ顔も美しい。どんな格好をさせても美しい・・・無機質な感じがする・・・
そこが人間っぽくなくていい。 動くギリシア彫刻・・・ハァ~~たまらんな~♪
美しい僕ちゃんが、羽交い絞めにされ、ソコやアソコを思いっきり噛まれて
目を潤ませながら痛さと快楽の狭間を行き来している苦悶の表情を見ながら
私という存在が、彼が最大のオーガズムを得るための性の道具と完全に化していることに
誇りを感じるのです。
カウンセラーからしたらそこが治療ポイントの一つなのだろうが・・・病んでも楽しみはあるようだ。
いや~、楽しい遊びだったな~♪ ご馳走様でした~(^人^)
この子が何年もたま~に私に電話をしてくる訳は、彼はたまに超ド級のMになるのです。
奥さんにも彼女にも見せていないその部分を曝け出しに来るらしい。こういう人は私のお客さんに多い。
特殊な性癖を100%曝け出せるパートナーを見つけるのは難しい。
相性もあるし、引かれる可能性もある。曝け出して引かれるととても傷つくらしい。
私は前職では相当ハードな変態に付き合って仕事をしていたので、並大抵のことでは
驚かないし許容範囲である。
老いた私が目指したのは、彼らの性癖を受けとめつつ楽しみながら、客の妄想の中の女に
七変化するカメレオンのような性職人。
私自体、人格障害があってクセのある人間なので、一般的なファンを掴めない。
しかし、誰にも言えない秘密の性癖を持つ人種とは上手くいくもんだ。
だからマイノリティ派相手に細く長くやっている。
もうカタギの男とは付き合うことはないでしょう。心が疲れているので恋もしないと思います。
でも、こんな美しい男と遊べるんだから・・・これでいいだろう、と思っている。
顔と肉体の老化で仕事の寿命が決まるので、どこまで続けられるか分からないけど・・・
今の気持ちは大好きなエディット・ピアフが歌ってます。若い客を慕う老娼婦の気持ち(*^-^*)