芸術と粉体(粉)の出会いによって、絵画が生まれました。
数万年前に人類は、石を砕いて粉状にして壁面に動物の油を混ぜて塗りつけました。(ラスコー洞窟壁画)
芸術と粉の接点は最初、岩石や鉱物を粉砕して作る顔料があります。
最新の粉砕技術では、1ミクロン以下まで砕けます。技術も日々進化していますので、ともに芸術も進化していきます。
粉体は、数百年前から焼きもの釉薬や染料に広がり工芸品に広がっていきました。
19世紀以降、無機・有機化学の発展に伴い、たくさんの人造顔料が生まれました。色の種類は一気に上がり、自然物を砕いた純度の低い天然顔料は使われてなくなりました。
その中でも注目すべき点は、日本画には今も一部に天然顔料の絵の具が大切に使用されていることです。
日本画家が天然顔料で描いた絵本を、下記に紹介します。
天然顔料が多くの都市で入手できるのは、日本しかありません。
さて、洋画でも沢山の顔料があります。
昔は、ラスピラズリ(宝石)を砕き宗教画(マリア様の服装で青い部分を天然顔料で)描いていました。
歴史を遡ると、西洋・東洋の両文化圏でよく似た天然顔料や金箔を使用していたのが分かります。
●参考文献/『随筆「本当の色」岩絵具の面白さ』橋本弘安著 女子美術大学アイシス刊
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