今から約3000年前、紀元前1200年頃のヒトの遺体を調べたところ、転移性のがんが見つかったことがわかり、2014年3月17日号の『PLOS ONE』に発表されました。

これはイギリスのダラム大学と大英博物館が中心になって行った研究で、2013年にスーダンの遺跡から見つかった、25歳~35歳くらいの男性の遺体をX線撮影し、走査型電子顕微鏡(SEM)などを用いて分析した結果、骨の軟部組織に転移性の悪性腫瘍の痕跡が、鎖骨、肩甲骨、上腕、脊椎、肋骨、骨盤、腿骨から発見されました。

この結果について、研究者らは、がんは古代のナイル川流域に暮らす人々にも存在した歴史の長い病気であることがわかり、なぜがんが発生したかについても研究を進めたいと述べています。

On the Antiquity of Cancer: Evidence for Metastatic Carcinoma in a Young Man from Ancient Nubia (c. 1200BC). PLoS ONE, 2014