ミシガン出張記(1)-家族のかたち
昨夜、出張先のミシガンから無事帰還しました。
楽しく、かつ有意義な旅になりました。
これから3回に分けて、そのレポートをお送りします。
今回は、私を講演に呼んでくださったアン・モンゴヴェンさんのお宅に、
二夜にわたって泊めていただいた。
アメリカ人の家に泊めていただくのは、もちろんこれが初めてのことである。
(下の写真がモンゴヴェンさん宅)
モンゴヴェンさんのおうちは、
アンさんと小学校1年生になる娘さんのKelsey(ケルシー)ちゃん
の二人暮らしである。
ケルシーちゃんは中国人の養女なので、アンさんとは血はつながっていない。
今週の月曜日、ミシガン州立大学のあるイーストランシングに近いデトロイト空港から、
ミシガンフライヤーというバスに2時間ほど乗り、イーストランシングに到着すると、
この親子がバス停に迎えにきてくれていた。
前に書いたように、アンさんは2004年から2005年にかけて安倍フェローシップ
(現首相の父である安倍晋太郎氏が設立した学術交流基金)で東大に来ていたので、
当時4~5歳だったケルシーちゃんも東京で10ヶ月ほど暮らしたことがある。
ケルシーちゃんとは初対面なので、
会うなりすぐ、Hajimemashite! Do you remenber Japanese?
と尋ねてみたが、答えは(そっけなく) No !
初めて会う、わけのわからないオジサンに緊張気味のケルシーちゃんだった。
三人でそのままアラブ地中海料理のレストラン行き、夕食。
(アンさんは、私に「シャーロッツビルでは食べられない料理を食べさせてあげたい」ということで、
アラビアンレストランを選んでくれたとのことだったが、これがすこぶる美味!
詳細はまた次々回のブログにて・・・)
その後、モンゴヴェン家におじゃますることになった。
なんとリビングには、(わが家にあるものよりは少しマシな)ピアノが置いてあった。
これまでモンゴヴェンさんとは、二人が宗教学と生命倫理という共通の学問領域にまたがって
仕事をしているということで、もっぱらお互いの研究についての話をするばかりで、それ以外の
ことを話したことがないので、私がピアノを弾くということも彼女は知らなかったのであるが、
ケルシーちゃんがピアノで遊び出した(まだ始めたばかり、という程度)ので、
これはチャンス! とばかり、
「実は私もピアノを弾いていて、アメリカでも音楽の仲間ができて・・・・・」という話をする。
「えっ!? すご~い!! ぜひ聴かせて!」
ということで、ピアノを弾くことになった。
普通は、私のピアノを初めて聴いた人はビックリして(あまりにも外見とイメージがかけ離れて
いるためか?)その場に立ちつくしてしまうものだが、どうもこの親子は違ったようで、何やら
キャッキャッ言いながら、バタバタと動き回っている様子。。。。。。
(ピアノが壁にくっついているので、私が弾いている間は後ろにいる彼女たちは見えず、
何をしているのかわからなかった・・・)
一曲弾き終わって、後ろを向いたとたんにわかった。
彼女たちは、音楽に合わせて踊っていた のである!!
(もちろん下の写真は私がピアノを弾いている時の写真ではなく、
その後、カンガルーが主人公の童話、Marsupial Sueの音楽のCDに
合わせて踊った時のもの)
それから、「もう一曲弾いて! 今度はもっとゆっくりの曲!」などと二人から注文が
出る。
もちろん私もサービス精神は旺盛な方なので(笑)、うろ覚えの曲を何曲か弾く。
どんな曲を弾いても、彼女たちはそれに合わせて 踊りまくった!
今度は、ケルシーちゃんが、「マミー、サックス吹いてよ~!」とせがむ。
(これも今まで知らなかったのだが)アンさんは高校および大学時代に
バンドでサキソフォーンを吹いていたとのことで、「もう、最近は全然吹いて
ないから全然いい音でないんだけど~・・・・」と言いながら、アンさんも
サックスを取り出し、吹き始める。
今度は、子ども用のピアノの入門曲をケルシーちゃんと私が連弾!
(先生用の伴奏パートを私が弾く)
そんなこんなで、この変なトリオの即席演奏会は2時間近く続いた。
とにかく、アンさんとケルシーちゃん親子は、
なんともおもろい親子(いきなり大阪弁!)であった。
こうして、私が「アメリカ人の家に泊めてもらう初体験」を経験させてもらったのは、
いわゆる、アメリカ人の典型的な家庭(英語や英会話の教科書に出てくるような!)
ではないけれど、
これはこれでアメリカでこそあり得るような素敵な家族
という意味では、アメリカに典型的な家庭だとも言える。
(この二人を見ていて、あらためて、幸せな「家族のかたち」というのは
本当にいろいろあるものなのだなあ、と感じた)
しかしまあ、
生粋のアメリカ人女性と中国人の養女が住む家に
けったいな(?)日本人男性が泊まりに来て、
みんなでアラビア料理を食べ、ピアノとサックスで音楽を奏で、踊りまくる、
というのは、なんとも異様で前衛的な(?)光景かも。。。
また、前日まで(講演が不安で)ひどく緊張していた私もこれでいっぺんに
緊張が解け、翌日の講演にはほとんど緊張せずに平常心で臨むことが
できたのも有難かったです。
(もし前日にホテルに一人で泊まっていたりしたら、翌日の講演のことが
気になって眠れなかったかも・・・・)
講演会などのことについては、明日また書きます。