ローレル競馬場へ!(前編) | ヴァージニア日記 ~初体験オジサンの日常~

ローレル競馬場へ!(前編)

昨日、隣のメリーランド州にあるローレル競馬場(正式にはローレルパーク競馬場)に行ってきた。

シャーロッツビルから車で3時間弱、定期的に競馬を開催しているところとしては一番近くにある

競馬場である。

海外の競馬場で競馬を観戦するのはこれが二度目(一度目は6年前の香港)、アメリカの競馬場

は当然初めてである。


レース


ローレル競馬場 といえば、日本とも深いつながりのある競馬場で、

古い競馬ファンなら「ああ・・・・・・あの競馬場か!」という人が多いかもしれない。

(今でも中山競馬場と友好関係を結んでいるので、3月に中山で行われる中山牝馬ステークス

という重賞競走は、「ローレル競馬場賞」という名前がついている)


今はもう廃止されたが、ローレル競馬場ではかつて「ワシントンDCインターナショナル」という

国際招待競走が行われていた。

勝馬にはヨーロッパをはじめ世界の一流馬が名を連ねている。

かつて日本の大レースを勝ったような一流馬も数多く参戦しているのだが、ヨーロッパやアメリカ

のG1レースを勝つことも珍しくない最近の日本馬とは違って、全体的に日本の競馬のレベルが

低かったことと、調教師などのスタッフの側に海外遠征のノウハウ(長距離輸送後の体調回復など)

がなかったため、いずれの馬も苦戦を強いられた。

(着順としては、1967年のスピードシンボリの5着が最高)


その後、近い時期に日本の国際招待競走であるジャパンカップ(1981年~)やアメリカ最大の

競馬イベントであるブリーダーズカップ(1982年~)といった、より賞金の高い国際競走が創設

されたため、ワシントンDCインターナショナルの存在意義が薄れ、1994年を最後に廃止されて

いる。



競馬を知らない人には少し説明する必要があるが、

ヨーロッパの競馬が「芝コース」中心であるのに対し、アメリカの競馬は「ダート(砂)コース」が中心

である。日本の競馬は、いわゆる中央競馬(現在のJRA)はもともとはヨーロッパと同じように芝が

中心であったので(最近はダートのレースもかなり充実してきたとはいえ、芝中心は変わりない)、

日本の競馬場では、外側(直線でスタンドに近い側)が芝コース、内側がダートコースである。

上の写真を見るとおわかりかと思うが、

アメリカではこれが逆になり、外側がダートコース、内側が芝コースである。


あと、日本やヨーロッパの場合は、競馬場によって左回りのコースと右回りのコースがあるが、

アメリカはみな左回り(日本でいうと、東京(府中)・新潟・中京と同じ)コースである。


コースの形態とかはかなり競馬場によって違うのだが、一般的に言うと、

アメリカのコースは平坦で(アップダウンがほとんどない)、どちらかと言うと小回りなので(1周の

距離が短く、その分コーナーがきつい)、先行する馬が有利、スピードのある馬が最初からガンガン

飛ばし、スタミナの切れた馬からバテて行く、という比較的単調な競馬が多い。


ローレル競馬場も、外側のダートコースの1周がほぼ1マイル(約1600m)なので、やはり

小回りコースの部類に属する。


日本の競馬は(地方競馬のナイターを除くと)、大体朝10時ごろから夕方4時ごろまで、

全部で11~12のレースが組まれていることが多いが、アメリカでは午前中のレースは

まずなく、午後から開始、一日のレース数は7~9というのが一般的だ。


昨日は、第1レース(12時40分スタート)から第5レース(14時38分スタート)までを

観戦した。


大体、各レースのスタート時間の間隔は30分、日本の場合は午前30分、午後35分が

普通なので、ほとんど同じなのだが、(ことローレル競馬場に関する限り)私には

レースとレースの間がいやに短く 感じられた。


この理由は、パドック(レース前の馬見せのための周回スペース)にある。

日本の場合、前のレースが終わるころには、すでに次のレースの出走馬がパドックを

周回している。

(なので、パドックで馬体や気合の入り方などを見て馬の調子を判断することを重視する

人たち(私もその一人)は、狙いレースになると、その前のレースを見ずに、パドックの

良い場所に陣取っていたりすることが多い)


日本では、馬がパドックに出てくる前に装鞍所で鞍やゼッケンをつけてくるので、

観客がそのレースに出る馬を最初に見るのが、このパドックだということになる。


ところが、(アメリカの他の競馬場はどうか知らないが)

ローレルでは、まったく勝手が違った。。。


パドックへの行進?  パドック


上の写真右側がローレル競馬場のパドックである。

写真をクリックして大きくしていただければおわかりのように、建物の一番外側にそれぞれ番号の

ついたスペースがあるが、ここが装鞍所である。


前のレースが終わって、いざ次のレースのパドックへ・・・・・と駆けつけても、

馬はどこにもいない。。。。

ふと本馬場を見ると、鞍もゼッケンも何もつけていない何頭もの馬が本馬場の一番外側を

こちらに向かって歩いてくるではないか!(写真上左)


そう! 少なくともローレルでは、本馬場を通って次のレースの出走馬がパドックに入って

くるのである!

そして、パドックの中にある(皆から見える)装鞍所で鞍とゼッケンをつけて、

そしてやっとパドックを周回しはじめる、というわけだ。


なので、レースとレースの時間間隔はほぼ日本と同じ、であっても、

(私のようにパドックで馬をじっくり見たいと思っているファンには)道理でそれが短く感じられるわけだ。


つまり、パドックで実際に馬の状態をじっくり見る時間などというのは、ほとんどないのである。

鞍とゼッケンをつけ終えた馬は、厩務員さんに引かれてパドックを周るのだが、

日本のように1番から順にほぼ等間隔で周回などしてはくれず、それぞれ勝手に歩いているだけ。

一部の馬は、装鞍所に引っ込んでいてほとんど見えず、出てくるやいなや騎手が乗ってしまい、

そのまま本馬場に出て行ってしまう。。。


日本のように、馬だけでパドックを何周も周回してくれると、

それぞれの馬の相互の比較もしやすいし、何よりも周回ごとに気合が入ってくる馬とか、

歩いている間の脚の運び方(特に後脚の踏み込みに私は一番気をつけている)とか、

そういった変化もよく観察することができるのだが、

こういうパドックではちょっとそれは無理なので、馬の状態に関しては、それぞれの馬を

パッとみた時の勘(毛ヅヤとか、馬体のバランス)に頼る以外にはなかった。


ここまでで結構長くなったので、続きは明日(お楽しみに!)。