雨ニモマケズ?
昨日からずっと雨である。。。。。
(下左が裏側から見た大学の講堂、下右がCornerと呼ばれる大学近くの学生街)
「雨の嫌い度」を10段階に分けるとすると(数字が上がるほど雨嫌い、
「雨が好き」なんていう人は1や0を通り越してマイナスと考える)、
私は、8か9ぐらいのところにランクするように思う。
大体、
・濡れるのが嫌い(注・・・お風呂や水泳は関係ない)
・傘を持つのが嫌い
・視界の悪いのが嫌い
である。
しかし、上には上がいるもので、最初に勤めた学校にいた某教授などは、
文句なしに「雨嫌い度10」に属する人だろう。
この先生、廊下ですれ違ってこちらが会釈しても、雨の日は機嫌が悪く(ほんとうに
苦虫をかみつぶしたような顔をしている)、挨拶してくれないのである!
最初、この先生は挨拶をする時と無視する時があまりに極端なので、
原因がよくわからなかったのだが、ふとした時に彼が属する学科の学生に
その疑問をぶつけてみたところ、
「挨拶してくれない時ってのは、雨の日じゃないですか?」と。
それからしばらくこの先生の挨拶行動を観察したが(彼の定年退職までウン年間)、
雨じゃないのに無視されたことはあっても(!)、
雨の時に挨拶を返してくれたことは皆無であった。
雨嫌いもここまで行くとスゴイ!
それと、
アメリカに来て雨が降るたびに感じるのだが、
同じぐらいの強さの雨が降っている場合、
日本に比べて、傘をさしている人が少ないように思う。
車社会だからあまり傘を持ち歩く習慣がないからなのか、日本人よりも濡れる
ことに対する心理的耐性が強いのか、よくわからないが。
(どしゃ降りの時でも常にランニングしている人を見かけるのは、後者のせい
かもしれない)
こういう雨に対する意識や行動の心理学的研究というのはあるのだろうか?
(たぶんあるような気がする)
この雨の中、メインキャンパスの方に出かけた(できれば外に出たくない・・・)
のは、Medical Center Hourの講演を聴くためである。
今日の講演は、ニューヨーク大学のナーシングカレッジの教授で老年看護学の
重鎮であるMathey Mezeyによる「高齢者ケア」についてのもの。
高齢者数の増大、というと、すぐ医療費の増大という話に結びつけられがち
だが、そこには高齢者に対する医療やケアの質の問題が抜け落ちており、
高齢者のニーズに合わせた質の高いケアを提供することは、むしろ医療費
の無駄使いを抑制する効果もあるという。
メジーによれば、現在の病院のシステム自体が高齢者のニーズに適合せず、
適切なケアを行いにくい構造になっているという。
たとえば、病院の高齢患者の35%に認知障害があるにもかかわらず、その
うちの65%が(家族や医療スタッフによって)きちんと認識されていない、
というような報告がある。
(そのせいで、患者の状態に応じたコミュニケーションができず、意思疎通が
欠如するために、本来なら予防あるいは適切に処置可能な病態や症状が
そのまま悪化してしまう、というようなこともあるようだ)
また、病院の診療科ごとのタテ割り組織(日本はアメリカより数段ひどい)は、
複数の病気を同時に抱える、といったような高齢者特有の病態には対応
しにくし(それゆえいろんな科をたらい回しになって、よけい医療費がかさむ)、
高齢者医療や高齢者看護の専門スタッフも非常に少なく、そうした
専門スタッフが病院における高齢者ケアのシステム改革に関わったり、
そこでスーパーバイザー的な役割を担っているような病院はまだまだ少ない。
こうした従来の病院システムに大きな問題があり、それが質の高い高齢者ケア
を行う妨げになっているという。
(アメリカの医科大学で、老年学の講座をもっているのはたった3校しかない、
というのはちょっと驚きだった。日本は?)
講演が終わって、外に出ると、
雨はあがっていた。 \(^0^)/