軌道上を高速で移動しつつその周囲空間に ( 各々の位置で瞬間的に光速度で ) 重力場を形成してる筈の凡ての天体の前後と周囲では、 ( その空間に於ける質量と重力の急速な増減に因って ) 絶えず 「 重力波 」 が発生してて当然であり、今日に至るまでそれが全く検出されてないのは何らかの検出方法の勘違いではないのだろうか?

 これは以前に書いた 「 ブラックホールは恐らく存在しない / 存在したとしても周囲に重力を及ぼせない 」 という内容の記事の元々のページに 2016 年 3 月 18 日にした追記部分の再録であるが、この後半で 「 宇宙空間内を軌道に沿って高速で移動し続ける星の周囲の重力場が、各瞬間瞬間に如何にして形成され維持されてるのか? 」 を改めて考える内、軌道空間を移動してゆく星の前後の空間に於いては、 「 星の通過 」 に際して 「 非常に大きな質量とそれに伴なう重力の急速な増減 」 があるが故に 「 常態的な重力波の発生源 」 となっていても当然である ・・・と気付き、世に云われてる 「 重力波観測の困難性 」 の論拠が実は頗る怪しく、重力波というのは実際には余りにも有り触れてて空間に満ち溢れてるが故に、ソレだと気付かれていないだけなのではないか? ・・・と気付いたのである。

ブログ版にはこの部分が入ってないままなので、ここに別記事としてアップしておく。


 ( 2016.3.18. 追記 )
ブラックホール形成後の、中心星に因る重力作用をどのように考えてるのか? …について、国立天文台に訊いてみた


2016 年 3 月 17 日と 18 日に、2 日続けて質問受付電話 0422-34-3688 の曜日担当職員 ( 計 3 人 ) にこの事を、次第に質問レベルを上げてゆきながら、質問してみた。
すると ( 半ば紋切型の ) 3 人ほぼ一様な回答から判ったのは、現在の天文関係者は 「 ミンコフスキー 4 次元時空の曲がり 」 を、必ずしも元々の正しい意味では理解出来ていないらしく、内一人の職員はソレを、本当に 3 次元空間の曲がり現象のように錯覚し、重力を物理的な力ではなく本当に 3 次元空間の曲がりと思い込んでいた。
その勘違いにも拘わらず、その認識を絶対に正しいと信じ込んでしまっている為に、ブラックホール化した天体がその境界面より外にも重力を及ぼせる …ということについては、別に重力がブラックホールの外に出て行くとか、重力の作用 ( 近接作用 ) と考えるべきモノではなく、それは唯 「 ( 質量に近い ) 空間の ( 元々の ) 性質 」 なのだからその “ 曲がり ” は当然のことで、当の天体がブラックホール化しても特に変化する筈はない …と考えているようであった。

が、まず第一に 「 3 次元空間に ict を掛けて*のミンコフスキー 4 次元時空 」 の曲がり …というのは、ミンコフスキーに依る 「 相対論の数学的 ・幾何学的な一つの優雅な ( 便宜的な ) 表現形式 」 である …に過ぎない。 ( 但し i は虚数、c は真空中の光速度、t は時間 )
故に「 物体質量の周りの時空の曲がり 」 …というのは、別に物体の周りの 3 次元空間が本当に曲がってて 「 ソコに真っ直ぐな物差しを近付けたら ( 物体からの ) 距離次第で決まってる曲率でソレが曲がってしまう 」 …というような事では全然無い。

 ( こんな初歩的な説明が此処で必要だとは思ってもみなかったが、最近のサイエンスゼロ等での安易な解説の仕方や、その説明図を思い出してみると、そういう勘違いの認識を世に植え付けるには十分な気がする。 何とも困った無責任な解説をして呉れてるものである。 )
それは唯、巨大な質量の側を光速度でスリ抜ける光子はホンの少しだけ進路を曲げられ、ゆっくり通り抜ける小惑星や宇宙船は、その分だけ進路を大きく曲げられる …という重力による物体の軌道の変化の単なる数学的 ・幾何学的な言い換えでしかない。
故に 「ミンコフスキー 4 次元時空 」 という抽象的な表現は 「 物理現象である重力作用の根源的な本質 」 …というワケでは全然無い。

 ( こんな初歩的な勘違いを、国立天文台の質問への応答担当職員がしてるとは、本当にビックリさせられてしまった。 )

次に、天体は何れも宇宙空間内で絶えず移動してるから、その空間の側から見ると、天体の周囲の空間に形成される重力場は、その天体質量の位置の変化に伴って絶えず更新され重力ポテンシャルも変化してる**と考えざるを得ない。
が、そのような変化は、当の天体質量と周囲の重力場空間の間の ( 真空中の光速度を上限とする ) 重力の物理的な伝達プロセスや場の相互作用を通してしか起き得ない筈である。
その過程に於いて、重力場が 場 であって物質や光では無いから …というだけの理由でシュワルツシルド境界をスリ抜けられる …とは、到底考えられない。
場 がもしそれ程にもブラックホールから自由なら、光 ( 電磁波 ) もまた変動する 電磁場 ( 電場と磁場 ) の波動であるから、厄介なことになる。
ブラックホールから光が、真空中の光速度 C でも脱出出来ない …ということは、言い換えれば、真空中の電磁場 ( の波動 ) がシュワルツシルド面を突破出来ない …という事である。
それならば、真空中の電磁場にも抜け出せないブラックホールを、一体どうして重力場は簡単に抜け出す事が出来て、時々刻々、ブラックホールの周りの ( 新鮮な ) 空間に重力場を更新しつつ形成し、ソレを維持し続けられる …のだろう?


いったい、この簡単な質問に、明確に答えられる 「 ブラックホール肯定派 」 の物理学者なんて本当に居るのだろうか?

 [ 注 ** ; 実はこの 「 空間を主体として考える視点 」 からは大変な事が炙り出されて来る。
  何故ならこの視点では、巨大な質量とその重力ポテンシャルの 「 空間内での急激な変動 」 なんてのは、宇宙空間の至る処で ( 特に天体の軌道の前後では ) 「 時々刻々、絶えず派手に起き続けてる現象 」 でしかないからだ。
   ( だからこそ上述のような 「 重力の伝達速度 C での場の更新 」 が絶対的に必須であり、その故に 「 水星の近日点の移動 」 も生じざるを得ないのである。 )
  この 空間を主体とする視点 で見るなら 、実は天体の軌道前後空間での 重力波発生頻度は常時果てしもなく連続 …な筈なのだが、不思議な事に現在は何故か、そうした研究に於いての 「 質量の変動 」 は、当の質量を中心とする 「 あたかも質量に括り付けられてるかのような ( 有りもしない ) 空間 」 が勝手に観測座標系として想定されていて、その云わば 「 質量固有の空間 / 観測座標系 」 上で変化として記述可能な、質量や重力ポテンシャルの急激な変動のみが、重力波の源となり得る …という、極めて奇妙かつ恣意的な解釈で、「 結果ありき 」 の意味不明な観測研究が行われている様子である。
  が、本来的に天体の質量とは全く独立である 「 宇宙空間 」 そのものを中心に据えて考えた場合、特定の或る空間領域に軌道運動故に侵入して来た星や惑星に依って、一瞬でその同じ空間領域の全体が巨大な質量と重力ポテンシャルで満たされ、そのホンの少し後には再び殆ど質量の無い閑散とした元の宇宙空間に戻る ( 一旦急激に増大した重力ポテンシャルがまた急速に減衰してゆく ) …という途方もなく急激な変化が、天体軌道の前後空間で ( つまり私たちの目の前で ) 絶えず起きてる …という事実を、そうした研究は全く無視したままだと言わざるを得ないのである。 ]

以上

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