『大怪獣決闘 ガメラ対バルゴン』感想記 | 怪獣女子のブログ

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※こちらの感想文は2008年夏、銀座シネパトスにておこなわれた怪獣映画上映会「ギララの復讐(または復習の夏休み)」のときのものです。
『ギララの逆襲』で怪獣に目覚めたばかりの私は、おかげ様でDVDで観る前にフィルムで怪獣たちに親しむことが出来ました。
開催された銀座シネパトスさんには大感謝です。
池袋の新文芸坐ともども応援していきたい映画館です。









ゴトゴトと地下鉄の音が聞こえてくる素敵な映画館、銀座シネパトス。

そこで今、夜ごとに懐かしの怪獣映画が上映されている。


昨夜は『大怪獣決闘 ガメラ対バルゴン』(監督/田中重雄 特撮監督/湯浅憲明 昭和41年公開)を観た。



泣けた。
バルゴンに泣けた。

もう、これは絶対褒め言葉なんだけど、第一印象は


”わたしがこれまでに見てきた怪獣の中で、一番知能が低そうだ!”


だ。


眼がいい。
どこを見ているか、わからない。
位置も、角も込みの頭部全体のバランスからいうと、なんとも危うい位置にある(横からみると、特にそう。正面からはそうでもない。斜めからはかっこよかったりする)。

動きがいい。
すごくノロいし、頭のよくなさそうな動きだ(カワユスというヤツか?!) 。

いきなり、カメレオンのように舌が口からスルスル(ノロノロ)と伸びてきて驚いていたら、その舌で神戸タワー(?)をなぎ倒したので、怪獣女子さん、心の中で拍手喝采(そうこなくっちゃ♪)。

ヤモリかサンショウウオっぽい体に、それにしちゃやや長めでほ乳類ぽい立ち方の四肢、恐竜っぽい頭部。
ヌメ~ッとしてそうな肌合いの背中の、棘だけが発光。

ベロ(舌)の先から何でも凍らせちゃう気体は噴くは、背中から”何でも破壊虹光線”(勝手に命名)はだすは、水に入ると皮膚が溶けてきて紫色の血をダラダラ滴らせるは、なんともイカしている。

バルゴンも高山良策さんの作だそうだ。
いよいよ、『怪獣のあけぼの』を買うべきかと思ったりする。
(でも、2本で2万円は、今の私には清水の舞台よりはるか上空から飛び降りる覚悟がいる。六本木ヒルズ展望台辺りかね...あせる笑)







相手のガメラもすごかった。

この人(ガメラ)は一体、なにを考えているのか?!
(多分、何も考えてない!

自分の好きそうなもの(高エネルギー体)を求めて、地球のあちこちをフラフラしているらしい。

黒部ダム(前作では発電所目当てに襲われたらしい)の人々が、おびえながらも”ああ、また来やがったよ”的なニュアンスでガメラに対していたのが、私には胸打たれるところだった。

ガメラのことを天災のように受け止めているところが嬉しい。
怪獣と人とが、共存している。

それにつけても、ガメラ。
何故に脚を出し入れする穴から、炎が出るのだ???
どういう仕組みになっているのか???
(甲羅の端が、チロチロ燃えてるシーンもあったぞ。燃えててよかったの?それともNG?撮影後、あわてて消火したのだろうか...)

バルゴンより目つきはしっかりしているとはいえ、ガメラもあまり頭がよさそうに見えない。



そんな2匹の決闘だ。
それは、それは、すごかった!
すごい泥仕合。
先日観た、キングコングとゴロザウルスの戦いよりひどかった!
(賛辞です。♪賛辞のあなた~♪です)


どっちも目線があってない!
眼が勝手にあさってのほうを向きながら、蝿の止まりそうなスピードで戦っている(笑)。

スピードはとろいけど、威力はすごい。

ズッシ~~~~ンッ!
(おお、ガメラ光臨!)

ドゴォォォ~~~~~~~ンンッ!!
(バルゴン、体当たりかまーすッ!!)

バッタァ~~~~ァァン!!!
(ガメラ、ひっくり返されました!亀だから起き上がるのが大ッ変!!!)


シュゴッ...ゴゴゴゴゴ、ボシュウ~~~!
(ガメラ、腹を上に回転しながら空へと舞い上がります)

...
(ぼへェ~~~、っと見上げるバルゴン)



最近の色んな映像のチャカチャカとかっこよげに素早く展開していく動きが、どんどん色あせて思えてくるほどのど迫力だ。

もう、ダメだ。
私はメロメロだ。
これはもう快感だ揺れるハートハート達(複数ハート)


人間側も科学者や防衛軍の人の言うことが、いちいちカッコ好すぎるし(「殺人ルビー光線」ってなんですか?!他・笑)、「土人」の娘さんは気高くて美し過ぎるし、まだ戦争の影をひきずった人々の言動は”戦争を知らない子供たち”な私にも重みをもって響くし、”長いかな~”と思っていた101分が、あっという間だった。


またしてもいいものを観た。

ありがとう、銀座シネパトス!





オマケ。

先日、同劇場にて怪獣映画評論家の池田憲章さんをお見かけしたので、思いきって『キングコングの逆襲』のスーザン(のスカート)について聞いてみた。
あれはストッキングのラインではないですかね~...という私に、池田さんは”あれは、短パンスタイルのスカートで、コメットさんがはいていたのと同じですよ”と、丁寧に答えてくださった。
なんと、いい方だろうか。
ありがとうございました。