伝説は生まれるか?~唐井直インタビューを読んで |  うさぎおやじ日記

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 FC町田ゼルビアのことなど、気の向くままに

雑誌「フットボール批評」に、元FC町田ゼルビアGMの唐井直さんの4ページにわたるインタビューが掲載されていたので購入してみました。

「クラブライセンス制度の功罪」と題する記事で、執筆者はユーゴスラビアサッカーについての著書などがある木村元彦さんです。

このインタビュー記事のなかで唐井さんは、ゼルビアにいたころのことをいろいろと語っています。

大分を指揮していたころに注目していたらしいポポヴィッチ監督は、「低予算で町田に来てくれました」とのことですが、「低予算」とはいくらだったのだろう?などということも気になったりしました。


まあポポさんの年俸のことはさておき、J2昇格のためにスタジアム問題で苦労されたことについても唐井さんの言葉が書かれています。

イタリアやイングランドなどでは一万人前後の座席数しかないスタジアムのクラブが伝説のように勝ち上がってくることもあるという例を挙げて、Jリーグ事務局側の方とも話し合いをされたことがあるとか。

あまり厳しいスタジアム基準を設けてしまうとそういった伝説も生まれないとも唐井さんはおっしゃっていますね。


そういえば乾選手が活躍するスペインのエイバルも、確か6千人ぐらいの規模のスタジアムしかないんですよね。

いまちょっと調べたところでは、昨年11月に行われたレアルマドリー戦の観客数が5892人!一桁違っているのでは?と思いたくなるような数字です。

野津田より小さなスタジアムに世界を代表するビッグクラブがリーグ戦でやって来る、これなどはまさに伝説のひとつなのでしょう。


昨年末には、スタジアムに大型映像装置の設置を義務付ける方向に進んでいるらしいとう報道もありました。私自身も他のスタジアムへ行ってうらやましいと感じることは多々あります。しかしこのような新たな基準が課されることは、決して好ましいとは思っていません。

将来的には野津田にもそういった設備が欲しいとは感じますが、しばらくはこれ以上税金を投入するような事態にならなければ良いと考えています。


一万しか座席数のないスタジアム、古い電光掲示板しかないスタジアム、そんなスタジアムしかないけれど、そこで選手たちはがんばって勝ち続け、観客も存分に楽しんでいる。だからJ1にも昇格できた。

そんな伝説がいつかこの町田で、そして他の街でも生まれる為に、クラブライセンス制度はもっと緩くても良いのではないか、唐井さんのインタビューを読んであらためてそう感じたところです。


2016・1・20