サポーターの応援の声って、けっこう遠くまで聞こえるものなんですね。本蓮沼の駅を出て歩き始めると間もなく西が丘の方から聞こえてきました。
何を言っているのかまでは判りませんでしたが、さらに近づくと「まちだっ ゼルビア!」の声が、はっきり聞きとれるようになりました。
仕事のためキックオフには間に合わず、遅れて到着したこの日の一戦は、FC町田ゼルビアにとって、3年ぶりの天皇杯出場を目指す大事な試合です。
メインは一般観戦者は入れないようなのでバックスタンドへ。真っ先にスコアボードを確認するとまだどちらにも得点は入っていませんでした。
たいていこちら側なのですが、この試合でのホーム側は早稲田大学のようです。ゼルビアのゴール裏で「文武両道」の文字は見たことがないですからね(笑)
誰が出ているのかと双眼鏡で見ていると、東洋大戦ではスタンド観戦をしていたようだったハンジェや高原のすがたはこの日もなし。(ハンジェは控えにはいました)
内藤、土岐田、デウォン、マグ、星野、平、森村、崇文、宮崎、稲垣、重松。
キーパーは引き続き内藤を起用。平はボランチでのプレーだったようでした。
崇文、土岐田など休ませていた選手が出ていたのは当然ですが、重松が先発していたのには驚きました。藤枝戦で86分までプレーして、さらに延長PKまでやった東洋大戦、そして結局この早稲田大戦でも途中で交代することなく最後まで出たのですから、かなりタフなんでしょうかね。
怪我人がいなければ、厳しい日程のなかでももっと余裕をもった選手起用もできたのでしょう。J3再開後のことも含め、早く復帰して欲しい選手がたくさんいます。
途中から来た私がなかなか試合に入っていかれない内に、フリーキックを得たのかと思っていると、どうやらPKのようでした。遠くのゴールなので、よく判りません。
これを崇文がしっかり決めて先制します。
久しぶりに前半に得点が入りましたが、思っていたよりは早く着いたおかげで見逃さずに済みました。
後半は今シーズン見せている守備の良さで逃げ切りたいところではありますが、早稲田も大学サッカー界の強豪のひとつ、J3のチームにとっては楽な相手などではあり得ません。
終盤にはグラウンダーの早いクロスを押し込まれて同点にされると、さらに猛攻を受けることになります。遠くて判りずらいのですが、何度も決められそうな場面を、キーパー内藤の横っ飛びのセーブなどもありどうにか防いでいるという状態でした。
そんな相手の攻撃のひとつをしのいだところからカウンターで、途中出場の中村がゴールに迫るところがあったのですが、残念ながら自らシュートまで持っていくことができず、ゴールにはつながりませんでした。
こういったところで追加点が取れるようだと、J3での戦いも含めてもう少し楽な展開になるのでしょう。
またしても延長か、そんな思いがわいてくるなか、ゼルビアに2点目が入りました。
決めたのは遠藤だったようですが、かなり近い位置で見ていたにもかかわらず、私には誰がどうしたのか判らないゴール前の混戦からの得点でした。
そしてタイムアップ。
3年ぶりの天皇杯出場。東京予選を勝ち抜いてということでは4年ぶりのことになります。
あれからもうそんなに経つんですねえ。
うしろからですが、表彰を受けるゼルビアの選手たち。
勝利の瞬間、バックスタンドには爆発的な歓喜はわき上がらなかったように感じました。私自身にしても比較的冷静によろこびをかみしめました。
それは「天皇杯は出場して当然」というJ2という立場を、一度は知ってしまったからかもしれません。
しかしJ3にも勝るとも劣らない東京の大学チームを含めた3試合に勝ってつかんだ出場権は、大きな価値のあるもののはずです。
最初の対戦は岩手県代表となったグルージャ盛岡と。同じリーグのチームだと、いまいち天皇杯という気分が盛り上がりません。
できればここを勝って、もっと上のカテゴリー相手にやりたいですね。
2015・8・24