父の日の思い出、な~んにもありません。何かをあげたことも無く。何かをもらったことも無い。
私の父はとっくに亡くなっているので、あげることはもうできませんし、子供がいないので(妻もいない!)、もらうあてもありません。
私が小学生だったころを除くと常に微妙な関係にあった父。客観的には良い父親であったのかもしれませんが、子供の立場では圧迫感を抱き、反発の対象でしかなかったように思います。
たいていは私の心のなかのわだかまりという形であったものが、時に外に現れ激しい口論となったりもしました。母親がおらず、二人暮らしとあっては間に入って止める人間とていません。
父の死後に親戚などから聞いたところによると、父は若いころ自作の短歌が新聞に掲載されたことがあるのを自慢にしていたようでした。私自身も遺品を整理していて短歌の草稿らしきものを見つけたこともあります。
十代半ばのころに自ら志願して軍隊へ入り、十分な学問も無かったはずの父ですが、どこか文学に対する憧れのようなものがあったのかもしれません。
似ているところなど特にあるとも思えなかった父ですが、今になってみると妙なところで共通するものがあったのかもしれないと、思ったりもしますね。自分がブログに書いているおかしな三十一文字のことを考えたりすると(笑)
子供のころ家にいる時には、本を読んでいることが多かった私に、「大きくなったら小説家になってお父さんのことを書け」、などと父は言ったことがあります。
あいにくとその望みどおりにはなりませんでしたが、現在ではブログという便利なものがあり、対価を求めさえしなければ、たとえ拙いものであっても自分の文章を公開することも可能です。
そんなわけでちょっと父のことを書いてみました。
未だ子供を持ったことが無く、正直に言えば子供を欲しいと思ったことさえ一度も無い私。父の気持ちを本当に理解することはないのかもしれません。
父が亡くなって、この秋には25年になります。
2012・06・16