Vanilla Ice :  Hard To Swallow | 憂いのある音憑け

Vanilla Ice :  Hard To Swallow

採点:★★★★★


ヴァニラ・アイスなんて紹介してみましょうか。

彼、僕が中学生~高校生時代に愛読していた某有名ロック誌の評価で★★でした。

普通なら「なんだこのクソ」とか思って読み飛ばすところ、何故かその日は記事をじっくり読んでしまいました。

すると、何とあのロス・ロビンソンがプロデュースしているではありませんか。

しかも音がまんまKorn!?これは聞き捨てならないと思いました。

が、どこの試聴機にも入っているはずもなく、まんまKornの音だからといって★★のCDを簡単に買えるほど当時の僕はお金も勇気もなく、そのまま時間は過ぎていきました。

それから数年後、何と地元の古本屋で300円で売られているではありませんか!!

こりゃ買いだとばかりに迷わずゲットです。

でも何故300円という破格で投売りされていたのでしょう。

★★だから??

確かにそうかもしれません。

でも彼には過去に輝かしい経歴があるのです。

一発屋としての...

そう、一発屋は中古屋で破格で投売りされるというアレです。

あんなにもてはやされたあのバンドこのバンドがワゴンセールになんてのはよくある話ですよね。

彼もそんな一人なんです。

以下はHMVのサイトから拝借してきたコメントです。


90年“アイス・アイス・ベイビー”でデビュー。いきなりヒットをとばした白人ラッパー。そのスキルはお世辞にも巧いとはいえないがそのキャラで鮮烈な人気を誇った。映画『8 Mile』でEminem扮するラビットが、黒人のリケティとバトルの際「アドヴァイスをやろうVannila Iceとでも組め」と辛辣に攻撃されるが、こういった台詞で登場させられるなど特に黒人ラッパーからは目の敵にされているむきもある。しかしアルバム『To The Extreme』は16週間1位を記録するなどその人気は絶大なものだった。


という事らしいですよ。

つまり、このCD間違えて当時のCDといっしょくたんにされていたのです。

ロス・ロビンソンプロデュースで再デビューしたことなど全く知らない古本屋の店主は当時の一発屋だと即ワゴンセール行きにしたわけであります。

で、肝心な音なんですが、普通にカッコイイんですが。

ゴリゴリ、ブリブリの重低音にラップ。

たまにギターは不協和音。

そう、やはりKorn的な音なわけであり、ロス・ロビンソン印100%なわけです。

ロスが何かのインタビューで「Kornみたいな音にしてくれって多くのバンドから頼まれて困る」という話をしていましたが、おいおい彼っしょ?その中の一人。

間違いありません。

ブームに乗ってもう一花咲かせようという気満々です。

そういえばマシーンヘッドがロス・ロビンソンにプロデュースを依頼したとき「Kornみたいな音にはしないでくれと言ったんだ」とロブ・フリンが言ってましたが、これも嘘でしょ。

このマシーンヘッドのアルバムはKorn臭しまくりだし、何よりKornみたいな音にしないで欲しいのに何故ロスにプロデュースを依頼するのか。

いやー、今思い返すと時代を感じさせるエピソードですね。

まぁ、そんな感じでこんな奴もいたんだよって感じでヴァニラ・アイス君を覚えておいて下さい。

そんでもしワゴンセールでCDを見かけたら損はしないので買ってみて下さい!

Kornの新譜を待つ暇つぶしくらいなら充分機能しますから!