ーー妻はただの同居人、でも、子どもがいるから、離婚はできない。


ーーこんなに愛しいと思えた存在はお前だけだよ。


妻子ある彼と知り合ったばかりのころは、なにもかもが薔薇色で、ただひたすら楽しかったように思う。


「もっと早くお前と出会えていたら……」


強く抱きしめられ、愛してると囁かれ、寄せては返す波のように繰り返される甘美な時間に酔いしれた。


誰にも言えないけれど、それでも刺激的で背徳の官能の日々。


いつしか、私を欲張りな女に変えていった。


会うたびに意識が飛ぶほど啼かされて愛されたとしても、いつも心は空虚のままだった。


心が満たされない。


彼のすべてを自分だけのものにしたいと願うようになった。


美酒と艶めいた言葉と快楽があればよかったはずなのに、私はそれ以上を望むようになったのだ。


このまま彼と付き合い続けても、何か進展はあるのだろうか。


未来がまるで見えてこない。


苦しくて、怖い。


なんだかもう疲れた。




出会って、恋して、そしてその先のステージが一切見えてこない現実が、あなたを打ちのめす。


このままでいいのだろうか?


言葉だけではなく態度で本気を見せてくれと彼に迫ってみようか。


潔く別れを切り出そうか。


どんなに愛してると言われても結局家族を選ぶ彼のことを、愛し続けることに疲れたのかもしれない。


彼のどんなところを好きになったのか?


彼はあなただけを愛してくれているだろうか?


<あなたが思い描く幸せ>を彼はもたらしてくれるのだろうか。