ちりん、とこんな静かな風もない真夜中に風鈴が鳴る。
何かが暗闇からやってきたのかもしれない。
PCに向かえ、といわれているような気がする。
恋愛について気まぐれに書いてみようか。
相手のために尽くしまくっているというのに、いっこうに二人の距離が縮まらないという悩みは多い。
<散らかって落ち着かない恋人の部屋を綺麗にしてあげた>
<外食ばかりの恋人のために手料理をふるまった>
<週末を家でただごろごろしているのもつまらないだろうと思い、ドライブに誘ってみた>
<どんな些細なことでも連絡したほうが良かろうと思い、メールも電話も頻繁に送ってみた>
乱雑な中にも自分の世界があってそこにいると落ち着く人だとしたら、外食が趣味で例えばブログで楽しく外食日記をつけている人だとしたら、休日くらいのんびりしたいとあえてひきこもりでエンジョイしている人だとしたら、意味のあるきちんとした会話がしたいのでメールや電話は最小限でいいと思う人だとしたら、どうなるのか。
尽くしているつもりが相手にとってはただただ煩わしい行為になってしまっている可能性がある。
自分の好きなこと、自分が望むことが、必ずしも相手が欲しがっている物事ではないということだ。
自分が嬉しいから相手もきっとそうだろうと推測してはいけない。
勝手にストーリーを作ってはいけない。
この人は今何がしたくて、何が欲しくて、何を与えて欲しいと願うのだろうと、ゆっくりじっくりおもいやってあげるといい。
もしかすると、何もしないでひたすら見守って欲しいと思っている場合もあるのだ。
あるいは、相手のほうから何かするまで、静かに待ってて欲しいと思っているかもしれないのである。
恋愛はひとりでするものではない。
相手を思いやるということは、自分が成功したこと、自分が良かれと思う価値観を押し付けることではない。
相手の立場に立って、相手の気持ちを考えて行動することが大切である。
確かにいいものはすすめたくなるし、共感してもらえると嬉しいのであるが、ここはぐっと我慢である。
相手のことをよくみて、相手を理解しようと努力する。
思いやるということは、そういうことなのではないだろうか。