一日橋マックスバリュー内の百金で見つけた、チョコレーズンとプレッツェルを買い物ついでに買って帰る習慣が身についてしまい、これが結構美味いので、つい仕事しながらほおばってしまうということがこれまた習慣化してしまった。
ある日、プレッツェルをガリッと奥歯で噛んだ瞬間に左側上部の歯に鋭い痛みが走った。
歯科医院というものがとても苦手な僕にとっては、できるだけ自力で何とかならないものかと思いながらしばらくそのままにしておいたのだが、歯というものは自然治癒というものがないということも、これまた今までの経験からわかっていた。わかっているけど行きたくない、というのが人情というものである。
先週、1年ぶりくらいに新都心近くにある歯科医院の門をたたいた。
「治療途中のままだったから、奥歯がタテに割れているようですね。抜いた方が良いかもしれないけれど今日はそのままにしておきましょうね。」
確かに痛みがなくなったからもういいや、とそのまま行かなくなっちゃったオジサンが悪かったです。今日抜かないでもらって天にも昇る心地がします、と言いたかったのだが口をあけたままなので、先生には目でそういう風に伝えた、つもりだった。
そして今週の金曜日の夕刻。2回目の治療に赴いた。
「神経抜いてあるので痛みはないからこのまま削りましょうね。」
安心して口をあけていたら、チクッときたのでイテテテッ!!っと感じたそのとき、右眼の端から涙がこぼれた。
神戸で治療を受けていた時は、クマちゃんのような先生だったので涙がこぼれたくらいで気にすることはなかったのだが、ここ新都心の歯科医院は女医さんである。
これは恥ずかしいもので、実は建築のような細かい仕事をしているとどうしてもドライアイというものになっちゃうんですよね。この涙もそうなんですよ、はっははは~・・、と口をあけたままだからしてそういういいわけなぞ言えるわけがなく、ただただ涙がこぼれているような状態が続いたのである。
「はい、うがいをしてくださいね。」
椅子が上にあがる際に両手で眼をグシグシとやっている図は、隣で小さな子供が大きな声上げながら治療を受けた後眼をグシグシとこする仕草と同じものだということに水を含んでいる時に気がついた。オジサン穴があったら入りたいくらいの落ち込んだ気持ちになっちまった。
今度は助手の方による歯のクリーニングだ。(これまた若い女の子で)
「赤い液体を塗りますね。どこが汚れているかこれでわかりますから。」
「ハヒ(はい)」口をあけているので返事が出来ない。
手に鏡を持たされながら、
「ここ、わかりますか。こういう磨きにくい部分は、こういうブラシで磨いてくださいね」
「ハヒ、ハハヒマヒハ(はい、わかりました)」
「使ったことありますか?」
使ったことないって、この状態でどう言えばいい?涙目で伝えるわけにも行かないし、手で表現するか、鏡を持っていない手で「使ったことあるよ」ならば、OKマークがすぐ出るんだけど、「使ったことはない!」をどう表現すれば良いのか。指で「×」を作る方法を考えているうちに今回の治療が終わった。
やっぱり僕は歯科医院が苦手である。











