MC18その1
MC18のスイングアーム加工です。
遠方からのオーダーですが
今回はFTR250に合わせてホイールとヒポットのセンター出しを行った後
ピポット回りをFTRにボルトオンできるようにする。
サスペンションリンクマウントをFTRに合わせてオフセットさせる等です。
マウントの高さはNSRのままで良いというご指示です。
実車お持ち込みではありませんので
どんな状態でフィッティングさせるかまでは判りませんが
ご指示通りに作業に入ります。
MC18ノーマルの状態です。
※写真は上下逆さ状態です。
すでにFTRのノーマルと比較検証済み。
まずノーマルのマウントをサンダーで削り取り
新規マウントのための座面を造ります。
フライス盤に乗せ、
ピポットベアリングに通した棒状のジクを基準に水平出しして固定します。
とにかくこの水平出し&固定にとても時間がかかります。
固定さえできてしまえば加工自体は早いのです。
写真は座面加工終了状態です。
新規マウントですがブロック材をまず6面フライス加工します。
そして写真の様にNCフライスで穴あけ。
溶接後にはどうしても材料が縮みますので
この状態でベアリング圧入精度に穴を開けると後でベアリングが入らなくなります。
そこで予めベアリング外輪スペーサーを入れる前提で大きめに穴をあけておきます。
スペーサーについてはまた後日...
マウントの整形に入ります。
外周部はアームに合わせて現物合わせです。
R部分はベルトサンダーのフリーハンド仕上げです。
こんな感じでセンターから○○mmずらします。
サスのスプリングが干渉する部分をカット。
こんな時に役に立つのがローテクの鉄ノコ
最終的に面を整えて現物合わせでL字のプレートを造り
先程のマウント共々溶接に入ります。
あとピポット周辺カラーの製作も終了。
向かって左の灰色カラーは焼き入れ処理されたS45C
後はステンレス製。
右のツバ付きカラーはボールベアリング内輪スペーサーを兼ねた
精密級カラーです。
今回のスイングアームとは関係ありませんが
刀用スイングアームのピポットカラー類なども同時に製作していました。
こちらは更に別のオーダーです。
右のカラーは左右の突起がベアリング内輪を兼ねます。
左は焼き入れ処理が施されたカラーです。
焼き入れカラーは長さこそ±0.01mm公差となりますが
内、外径は10分台の並級扱いとなります。
という事で、当店の場合はベアリング内輪スペーサー兼用カラーや
一般工業規格外カラーにつきましては自店でワンオフ。
工業規格内で済むカラーに関しては専門業者より取り寄せております。
おっとスイングアームからかなり脱線しました。
スイングアームの加工については後日続編をアップします。
とにかく今日はもう店長共々疲れました....