2003年11月6日(木)②


 外来の待合いは、病院廊下の外待合いと、各科の入口を入った診察室のすぐ前の中待合いがあります。


 ゆかっちは、全身状態が悪いので、中待合いのさらに中の診療ベッドがある小部屋に通されました。小部屋は全部で4つ。そのうち、一番廊下に近い部屋です。そこで、順番が来るまで横になって待ちました。ちょっと落ち着いたようです。私も、落ち着きました。


 看護師さんに「今日は、血液専門の先生が外来に出ている日なので、その先生に診てもらいましょうね。」と言われたので、ほっとしたことを覚えています。血液の先生じゃなかったら、また出直さなくてはいけないかもしれませんからね。


 しばらく待って順番が来たので、診察室に入りました。ゆかっちは、診察室でも診療ベッドに横にならせてもらいました。

 

 目の前の医師は、私とあまり年が変わらないような男性。

 紹介状を見た後、

K先生 「Kと言います。血液が専門です。持ってきてもらったデータを見る限り、再生不良性貧血の可能性が高いです。」


 再生不良性貧血と聞き、真っ先に思ったのは、「百恵ちゃんと同じ。」でした。「赤い疑惑」を見たのは小学生の頃なので、大部分を忘れてしまっているのですが、再生不良性貧血という病気を知ったのは、確かに「赤い疑惑」でした。(後日、友達に確認しましたが、その友達も「赤い疑惑」でこの病気を知ったとのこと。恐るべし、赤いシリーズ。)

 確か、あのドラマでは百恵ちゃんは死んだはず。じゃあゆかっちも死ぬ!ええー、どうしよう。

と思ったのを見すかしたように

K先生 「大丈夫、治ります。今は、白血病でも治ります。再生不良性貧血、ご存じですか?」

うにょきち 「はい。」

K先生 「何でお知りになりましたか?」

うにょきち 「ドラマで。」

K先生 「はあ、そうですか。」


 K先生は、私がドラマでこの病気を知ったことが不思議そうでした。

 先生、勉強ばっかりしててテレビ見てへんのやな。


K先生 「詳しい検査をしてみないとはっきりとは言えませんが、白血病と骨髄異形成症候群の可能性もありますが、再生不良性貧血の可能性がやはり高いでしょう。どちらにしても入院が必要です。」

うにょきち 「明日学習発表会なんです。発表会だけ出て帰ってもいいと、担任から言われてるんですが。」

K先生 (診療ベッドに横たわるゆかっちを見て)「う~ん、でもこの状態では無理でしょう。」

うにょきち 「やっぱり、そうですね。」


 何考えてたんでしょうね、私は。無理とわかって、わざと言ったように思います。勝手に口が動いてました。


 その後、診察をして、病棟と連絡を取ってベッドの調整をするからと言われ、また中待合いの小部屋に戻りました。