保護観察のおはなし。
手元に、「執行猶予中に保護観察を受けるみなさんへ」というパンフレットがある。
イラストつきで、漢字にはすべてルビが振ってあり、なんだか楽しそうだ。
テキスト部分のみ転載してみる。
あなたは、裁判官から、保護観察の付いた執行猶予を言い渡されましたが、控訴をしない場合には、言渡しの日から2週間後に裁判が確定して、確定の日から執行猶予の期間が終わるまで、保護観察を受けることになります。
このしおりには、保護観察のルールなどが書かれていますので、しっかりと読んで、保護観察を受けるようにしてください。
わからないことがあれば、担当の保護観察官や保護司にたずねるようにしてください。
Q.1 「保護観察」とは、どのようなものですか?
保護観察は、罪を犯した人が地域社会の中で普段の生活をしながら立ち直っていくことを支援するために、決められた約束事を守るように指導したり、相談に乗ったりするものです。
保護観察は、「保護観察所」という国(法務省)の機関がおこなっています。
Q.2 「保護観察官」や「保護司」はどんな人ですか?
保護観察になると、あなたの住む場所によって担当の「保護観察官」と「保護司」が決められ、この2人が協力して保護観察をおこないます。
「保護観察官」は、罪を犯した人の立ち直りに関する保護観察の仕事を専門的におこなう、法務省に所属する国家公務員です。
「保護司」は、あなたの日常生活面の指導や助言をおこなう、法務大臣から依頼された民間のボランティアです。
Q.3 保護観察の期間中は、何に気を付けて生活すればよいですか?
(1) 「遵守事項」と「指示事項」を守ること
「遵守事項」とは、以下の2つです。 ①善行を保持すること ②転居するときや1ヶ月以上家を空けるときは、保護司を通じて保護観察所の長に届け出ること
「指示事項」では、善行を保持し、再び罪を犯すという失敗を繰り返さないために、あなたが注意すべきこと、実行すべきことが指示されます。
Q.4 「保護観察」はいつまで続くのですか?
保護観察の期間は、執行猶予の期間と同じです。例えば、執行猶予が3年であれば保護観察の期間も3年となります。
ただし、保護観察の期間が終わる前であっても、あなたが保護観察のルールを守って、安定した生活を送り、再犯のおそれがないと認められた場合には、保護観察官や保護司の面接を毎月受けなくても済む措置(「仮解除」といいます)がとられることもあります。
Q.5 もし保護観察のルールを守らなければ、どうなるのでしょうか?
あなたが「遵守事項を守らない」、「保護観察官や保護司の指導を受けない」、あるいは「再び罪を犯した」というような場合には、執行猶予が取り消されることがあります。
そのような場合、あなたは刑務所に入ることになってしまいます。
そのようなことにならないように、まじめに生活することを心掛けてください。