転売問題によって噴出した、チケット手数料について。

 

プレイガイドでチケットを購入する場合、

システム手数料や発券手数料など、諸々の手数料がかかる。

先行販売を行っている場合はその分の上乗せもあり、

チケット本体以外になぜこんなにかかるのか不満に思う人も少なくないようだ。

 

私はプレイガイドで働いたことはないので

購入時手数料の細かい部分に関しては分からないのだが、

この議論の中で出てきた「主催者も手数料を払っている」という点については、

「YES」と答えるしかない。YESだ。けっこう払っている。

とはいえ、公演ごと/プレイガイドごとに手数料の率は異なるものの、

「チケット収入の半分近くゴッソリもっていかれます」とか

そういうレベルでは全くない。率としては、もっと全然低い。

 

そして、プレイガイドに手数料を持って行かれるにも関わらず、

独自のチケットシステムを有している主催公演であっても、

プレイガイド販売も同時に行っていることは多いものだ。

それは、プレイガイドならではの強みがあるからに他ならない。

 

まず、会員数。圧倒的な会員情報を持っているので、

ターゲットに対して的確に情報を届けることができる。

"ミュージカル"というキーワードで登録している会員に対して、

ミュージカル公演のお知らせメールを届けることができる。

これは、プレイガイドが持つなによりも強い武器だ。

 

次に、宣伝。並列で多くの情報が掲載されているHPの他、

プレイガイドが持っている宣伝媒体での露出が期待できる。

プレイガイドが発行するマガジンの他、

交通広告のスペースをもっていたりもするので、大きい。

 

と、ここまで説明したところで、プレイガイドが実際に

どのような作業をし、どのような費用がかかっているのかを説明したいと思う。

ただし、これは私から見えていた部分だけでしかないので、

実際は他にも多くの作業や費用があるに違いない、ということはご承知いただきたい。

 

主催から配券されたチケットを、PG側の公演担当者が日々管理して、

主催の担当者と密に連絡を取り合う。

動きが良ければ追加配券を、動きが悪ければ何か策を練る。

主催から突然の返券を求められることもあるし、

(例えば大口の団体販売が入ったとか、そういった事態で)

購入者にとってはネット上で自動処理されているように見えても

実際はかなりアナログな作業をしているというわけだ。

 

しかも、舞台の場合はチケット発売から初日までの期間が長い。

半年近く空くことだってあるわけで、その間ずっと稼働し続けなければいけない。

さらに先行などの際には、回線やオペレーター数を増やして対応する。

 

配券スタッフ人件費、宣伝費、通常のオペレーター費、サイト運営費、

特定日の増員オペレーター費、チケット用紙代、配送料

などなどの費用がかかっているということになる。

 

個人的には、プレイガイドがボロ儲けできるような商売だというイメージは持っていない。

全体として利益を出すのは簡単ではなさそうだし。

 

なんせ、チケットが売れなければ入ってくる手数料もゼロなわけで。

でも、チケット購入毎にかかってくるチケット用紙代と配送料以外の費用は、

ある程度は絶対に派生してしまうわけで。

多数ある扱い公演数のうち、ほとんど手数料収入がなく

実質的に赤字状態という公演も、それなりの割合に上るだろうと思うからだ。

 

それでも、しっかりやっていけているということは、

会社としてちゃんと利益が出ているということなのだろうとは思うが、

スタッフも激務の印象が強く、矢面に立たされる局面も多いだろうし、

素直に「大変そうな仕事だなあ」という気持ちが強い。

(絶対にミスが許されない業務だしね)

 

まあ、だからといって購入者に負担させる手数料を肯定したいわけでも、

その金額内訳の妥当性を主張したいわけでもないのだが、

(当事者ではないのでリアルな数字などは全く分からないし)

実際、かなり手間も費用もかかってはいると思うよ、

ということだけはお伝えしたくなった次第だ。

(「そんなこと分かってるよ!」とお思いの方、ごめんなさい)

 

でも、チケット代にプラスして1000円近く手数料やら配送料やらを払ったりするのは

単純に損した気分になるよなあ、やっぱり。うーん。難しいなあ。