4月実施された消費税増税で失速はしておりますが、
安倍政権の金融緩和政策を黒田日銀総裁が実施し
デフレ脱却=景気回復に向かっていますが、この先
どんな人が日銀総裁になるか分かりません。
元日銀総裁・福井 俊彦や前日銀総裁・白川 方明の
様な人が、就任することも考えられます。
是非、安倍政権中に
:物価の数値目標と責任の明確化
:雇用の最大化を図る
:国会同意の上で、総裁や副総裁、審議委員を解任可能にする 等の
「日銀法の改正」をおこなって頂きたい。
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「円安批判」は的外れ。財務省利権の「外為特会」を今こそ活用せよ!
(http://gendai.ismedia.jp/articles/-/41498)
■的外れな円安批判報道に要注意
最近、円安を批判する人が増えている。”実質実効為替レート”を使って過去30年で、最も円安水準で、「円の実力が低下している」という報道もある。
この種の報道には気をつけたほうがいい。記事を書いている記者が十分に理解しているとは思えない。”実質実効為替レート”が「円の実力」と思い込み、それが円安で下がっているから問題だろうとの、短絡した問題意識だろう。”実質実効為替レート”とはどういうモノで、それが低下すると何が問題かが書かれていない、単なるイメージ記事だ。
まず、”実質実効為替レート”を説明しよう。為替レートは、特定の2通貨の交換比率である。”実質実効為替レート”は、これに「実効」、「実質」という二つの変更を加えることで計算される。
まず、「実効」であるが、円とドルのように特定の2通貨間ではなく、円とすべての通貨との間の2通貨間の為替レートを貿易額などで計った相対的なウエイトの加重平均をとっている。要するに、すべての通貨との交換比率にするわけだ。
次に、「実質」である。通常の為替レートが、名目値であるのに対して、各国の製品価格の変動を考慮に入れた実質値にする。例えば、日本がデフレであれば、それだけで名目為替レートは円高になるが、デフレで円高になっても”実質実効為替レート”では円高とはみない。
こうした「実効」と「実質」という二つの変更を加えて、”実質実効為替レート”は算出されている。為替レートが持っている、一種の対外競争力を一般的に表しているといえる。貿易関係で、この分析ツールはそれなりに有用である。しかし、日本経済全体を示すにはあまり向かない。
例えば、2000年以降の”実質実効為替レート”と失業率の推移をみると、両者は0.7程度の相関をもっている(下図)。つまり、”実質実効為替レート”で円高になると失業率が高まり、円安になると失業率が低くなる傾向がある。

国の経済力を見るとき、失業が少ない状態は、無駄なく労働力を利用して最大限の効果を発揮している時なので、国の経済力が発揮されているといえる。
こう考えると、”実質実効為替レート”が安いときに、「円の実力」が低下しているというのは、いかがなものだろうか。そうしたときは、失業率が低いので国民としては喜ばしい。むしろ円の価値が低いときの方が国力が最大限に出ているというべきだろう。
こうした事実は、自国通貨安になると、GDPが増大するという事実と整合的である。自国通貨安でGDPが増えるというのは、日本に限らず世界各国で見られる現象である(貿易依存度によって効果が異なる)。それを知っていれば、”実質実効為替レート”の低下が、「国の実力」を低めるとはいえないはずだ。
円安は、GDP増大と失業率低下をもたらすので、「国の実力」を高めるというべきだ。その恩恵は、国の財政にも及ぶ。わかりやすいところでは、円安は法人収益を増加させるので、一般的には法人税収が高まる。
■円安の恩恵を受けるのは政府
フロー収入だけではない。ストックの観点から円安による恩恵を一番受けるのは、実は政府だ。政府が外貨資産をたっぷり持っているので、円安はその円貨換算額を膨らませるからだ。
政府のバランスシートをみよう。国の一般会計・特別会計のバランスシートは、ちょっと探しにくいが、財務省のサイトにある。
その中で、外為資金として127.9兆円(2013.3末)。このうち外貨債権は103兆円(証券は99.5兆円、貸付3.5兆円)である。ちなみに、外貨証券の満期は1年以下1割、1年超5年以下6割、5年超3割)となっている。
一方、外貨負債はない。ということは、円安は資産を膨らませるだけであり、政府財政にとっては確実にプラスである。
では、どの程度の財源が捻出できるのだろうか。実は、これを算出するのはかなり難しい。というのは、外為資金の情報公開は乏しく、外から見るとブラックボックスだ。
2014年度特別会計予算書をみると、繰越評価損について、41.3兆円(2013.3末決算額)となっているが、2015.3末予定額では、評価損はなくなり、その差資産負債差額として11.1兆円の益になるとされている。ただし、この数字は目一杯の為替介入を前提としており、あてにならない。
そこで前年の2013年度特別会計予算書を見てみよう。2012.3末決算額で 外為評価損と累積評価損が合計で41.3兆円になっている。
次の年度の2013.3末決算額では、評価益が13.9兆円になっている。つまり、累積評価損は27.4兆円になったわけだ。
2012.3末と2013.3末の円ドルレートはそれぞれ1ドル82.4円と94円だ。つまり、11.6円の円安で評価益13.9兆円なので、27.4兆円の累積評価損を解消するには、1ドル117円程度であればいい。要するに、今の水準の為替レートであれば、累積評価損は解消されている公算が高い。
つづく