海の学校 渡部孟さんにインタビュー  もえ・まい・けいすけさん班 | **法政大学 梅崎ゼミ**

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船【渡部さんについて】

横須賀市出身
現在は湯河原町在住
海の学校指導員代表、遠藤貝類博物館館長
社会教育指導員
元中学理科教員


うお座【海の学校について】

遠足などで三ツ石海岸を利用する学校や団体に対し、磯の生き物についてよりよく理解してもらうように指導、説明をする施設。

詳しくは

http://www.town-manazuru.jp/sea_school/


私たちが訪れたのは、町営観光施設のケープ真鶴。2階が渡部さんが現在館長を務めていらっしゃる遠藤貝類博物館となっている。この博物館は今年の4月1日にオープンしたばかり。初代町の教育長であった遠藤晴雄さんが生涯集めた貝のコレクション約4500種、5万点の貝が所蔵してある。


案内された研究室は、10畳ほどの広さで小学校のときの理科室を思い起こさせた。建築模型や大きな製作途中の真鶴の模型が置かれた机、壁には海の学校を体験してきた小学生たちの海の観察で見つけた生物の絵や、感謝の言葉が書かれた画用紙の掲示がたくさん貼られており、子どもたちが海の学校での学びに大満足であった様子が伺える。


**法政大学 梅崎ゼミ**-IMG_2172.jpg  説明する渡部さん。



**法政大学 梅崎ゼミ**-IMG_9733.jpg 博物館の貝の展示

 

**法政大学 梅崎ゼミ**-IMG_2985.jpg 新博物館の模型。実に精密!



**法政大学 梅崎ゼミ**-IMG_1196.jpg  潮の満ち引きを示す磯のようす


  

 かに座 日々の生活は海とともに


もともと横須賀生まれで、幼少の頃からよく海で遊んでいたという渡部さん。

「海の生物は知れば知るほど発見があるし、とても奥が深いんだ。」海には神秘を感じるのだという。大学に入り、海の生き物の研究を専攻。生物の種類も陸と比べて非常に多い。研究を進めていくうちにどんどんその魅力にはまっていかれたようである。

大学3年のとき、蟹の研究をしている教授といっしょに海を訪れた際のエピソードをすこし照れくさそうに語ってくださった。海に飛び込んでは魚貝などさまざまなものを自分で拾っては海から顔を出す、そんな躊躇なく素潜りをしている渡部さんの姿に教授は驚かれ、そして大いに賞賛してくださったという。

「海が自分にとって他の人より身近な存在であることに改めて気づくきっかけだったよ」

渡部さんの海に対する愛着は深く、常に海とともに息づいているとでも言えそうだった。



宇宙人 海の師匠との運命の出会い

渡部さんが真鶴中学校の理科の教員をしていた当時、遠藤さんは町の教育長をしておられた。
「彼は貝で私は海中生物の研究だったから、だいぶ仲良くさせてもらってね。仕事のお手伝いをさせてもらったりと師弟の関係だったんだ。紀伊半島や日本のさまざまな海を一緒に旅させてもらったりもして。」
海への思い入れの深さや関心は、きっと二人をつよく結びつけたのであろう。
のちに遠藤さんは私設の博物館を開館していたのだが、亡くなられて後に閉館。そして、渡部さんが遠藤さんの遺志を継ぎ、今新たにここの博物館を支えている。


クマノミ 学ばせるなら本格的に 海の学校へのつよい思い


最近は子どもたちの理科離れが叫ばれている。そんな中、渡部さんは自分にできることを考えた。

「教科書に沿った勉強ばかりでは子どもたちは本気になって理科を学ぶ楽しみを知ることはできない。自然体験型の学習を通じて本気になって子どもたちが理科を学ぼうとする力を育てたい。」

真鶴は地形も自然の質もよく、海の多様性についてまなぶにはものすごく適したフィールドなのだそうだ。自分の経験を生かして真鶴のよさを発信していきたいとおっしゃっていた。

プランクトンの観察に使う顕微鏡は横国の大学院の研究室で利用されている本格式のものを使用。渡部さんの学びに対するこだわりである。
「せっかく学ぶならば、本物で体感して本格的に学んでいって欲しい。しっかりと勉強することにこだわってほしい。」そう語った渡部さんの目は今までになく輝いていた。
細かい指導もそこでは大学院生にお願いし、身近に接することで、将来学ぶことに意欲的になってもらえたらという願いが汲みとれた。

「自分の手ではじめからやってみてわかったことって面白い。自分で学ぶことが楽しくなるんだよね。」

学ぶ感動を体感させて、子どもたちが興味を持ったものを見つけて、それを生涯かけて深く追求してほしいという渡部さんのつよい思いが伝わってきた。


フグ【インタビューを終えて】



どんな質問にも快く笑顔で答えてくださった渡部さん。そんな渡部さんの笑顔が1番輝いていたのは、やっぱり海の話をしている時でした。棚からご自身が作られた年季の入ったスケッチブックを取り出し、渡部さん力作の海の生物の生息の仕方や、海流の図、魚付き保安林の説明などが絵で紹介されており、丁寧にわかりやすく私たちに説明をしてくださいました。さすが元中学校の先生!という感じでした。

渡部さんにインタビューして、好きなことを仕事にするって理想だな、と改めて感じました。そこまで打ち込めるがあるのってとてもうらやましいです^^


遠藤さんの想いが渡部さんに受け継がれるように、渡部さんの想いが次の世代に受け継がれればと思います。

渡部さん、貴重なインタビューをありがとうございました。