助太刀屋助六 | キネマの天地 ~映画雑食主義~

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(ほぼ)一日一本のペースで映画の感想を書いてます。

助太刀屋助六 [DVD]/真田広之,鈴木京香,村田雄浩
¥5,040
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内容:活劇職人・岡本喜八監督が自身による執筆で描く痛快娯楽時代劇。仇討ちの助太刀をしながら旅を続ける天涯孤独の助六が、7年振りに里帰する。そこで彼は幼なじみに会い、もうすぐ仇討ちがあることを知る。しかしその仇とは・・・(Amazonより)


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はい!ってワケで再開いたしました岡本喜八特集 、本日お届けいたしますは

喜八監督の遺作ですねー、2001年製作「助太刀屋助六」です!






江戸に向かって故郷を飛び出した助六(真田広之)はひょんなきっかけから、仇討ちの手伝いをすることになり、その時の清々しさから助太刀屋として生きる決意をする。多くの他人の仇討ちを探しては助太刀をし、7年が過ぎたある日、手に入れたお金で亡き母の墓石を豪華にしようと思い付き、故郷に帰ることに。するとちょうどそこでは仇討ちがとり行われようとしていて・・・(goo映画より)




はい、真田広之主演の痛快時代劇コメディです。


故郷を飛び出し、ひょんなことから仇討の手伝いをする“助太刀屋”となった助六

(真田広之)は、大金を手にした事から女手一つで育ててくれた母の眠る質素な墓を

立て直そうと考え、数年ぶりに帰郷する。

 しかしそこでは今まさに仇討が行われようとしており、元地回り役の剣の達人

片倉梅太郎(仲代達矢)を仇と狙う脇屋新九郎(鶴見辰吾)妻木涌之助

(風間トオル)が、仇討検分役の榊原織部(岸辺一徳)や浪人の堀田(本田博太郎)らの

助けを借りて片倉を待ち構えていた…ってなお話。



で、感想。


ストーリーはまぁ至って単純明快です、仇と狙われている片倉梅太郎と助六の間には

本人達も知らぬとある秘密があり、やがて秘密を知ってしまった助六は“助太刀屋”としての

誇りを賭けて無謀な戦いに挑む…という展開なのですが、まぁ2001年製作という事を考えると

いささか時代錯誤な感は否めません、その点では2000年製作の市川崑 監督作品

「どら平太」を観た時の感想と似てるかな。ヒットする・しないよりも監督自身が

撮りたかった作品でしょうね。



ただつまらなかったかというと全然そんな事は無いんですよねー!ヽ(゜▽、゜)ノ

チャンバラシーンがほぼ皆無な点こそ残念でしたが、小気味よく進展しわずか88分間で

終わってしまうテンポの良さ、全編に漂うユーモア、山下洋輔によるジャズの旋律、

天本英世佐藤允“喜八組”のカメオ出演、そして作品に込められた反権力の想いと、

まさに「これぞ喜八作品!ヘ(゚∀゚*)ノ」って感じの痛快エンターテインメント作品に

仕上がってます。主演の真田広之も「たそがれ清兵衛」の前年とは思えないぐらいの

弾けっぷりでJAC時代を彷彿とさせますし(笑)、弾けっぷりならヒロインを演じた

鈴木京香も同様ですし♪


そして何と言っても圧巻なのは喜八監督の盟友・仲代さんですねーー!!ヽ(゚◇゚ )ノ

いやーーーもうサイコーにカッコイイ!! 素敵!! (/ω\)キャーッ!!

特に殺陣シーンでの虚空を見つめるような眼差しにはゾクゾクしちゃいましたよ。

・・・あぁ、仲代さんに斬られてみたい・・・:*:・( ̄∀ ̄)・:*: ←ぉぃぉぃ





つーわけで総評。

「刀を研ぐ音」「棺桶の“たが”を締める木槌の音」をリンクさせるあたり、

いかにも喜八監督らしい遊び心がさりげなく盛り込まれていて思わずニヤリと

させられちゃいましたよ。まぁ古いっちゃ古いんだけど、新世紀になっても

自分のスタイルを貫き続ける喜八監督ってやっぱりすげーなぁ、と。

藤沢周平×山田洋次みたいな正統派の時代劇もモチロン面白いけどさ、

こういう勢いのあるアクションコメディ時代劇を撮る監督もまた出てきて欲しいなぁ。

ってワケで喜八ファンにオススメです。