永すぎた春 | キネマの天地 ~映画雑食主義~

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レンタルビデオ鑑賞日誌



(ほぼ)一日一本のペースで映画の感想を書いてます。

永すぎた春 [DVD]/若尾文子,川口浩,船越英二
¥4,725
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内容:三島由紀夫原作の同名小説を映画化。T大に通う郁雄と古本屋の娘・百子が婚約する。郁雄が卒業して結婚するまでの1年3ヶ月間を清い関係で過ごそうと約束するのだが、郁雄はデザイナーのつた子に誘惑され…。出演は若尾文子、川口浩、船越英二ほか。 (Amazonより)


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はいっ!もう2回目か3回目かわからないけど、とにかく今日から

若尾文子さん 特集をまた始めますよーーーーっ!!ヽ(゜▽、゜)ノ

ちなみに以前の特集では溝口健二増村保造川島雄三市川崑 各監督による

若尾さん出演作を取り上げてきましたので、今回はそれ以外の監督さんによる

作品ということになりますね。

ってワケで本日お届けいたしますは、1957年製作の大映映画「永すぎた春」です。

監督はおそらく当ブログでは初お目見えの田中重雄、原作は三島由紀夫

同名小説です。





郁雄と百子は婚約した。会社の重役をしている郁雄の家と古本屋の百子の家の格式の違いを郁雄の両親は最初問題にしていたが、大学を卒業してから結婚するという条件で郁雄は説き伏せた。二人は清い関係で、結婚まではそれで満足だった。しかし、二人の間柄が公認されすぎると、何か物足りなさを感じ出したのも事実である。そうした時、第一の危機が来た。試験が終ったある日、郁雄は友人の画家高倉の個展で商業デザイナー本城つた子と知り合った。始めのうちは郁雄も問題にしなかったが、やがて彼女によって抑圧されている自分の性を、結婚までの間満たそうと考えはじめ・・・(goo映画より)





ほい、約一年という長過ぎる婚約期間(=永すぎた春)の間に、さまざまな困難を迎える

若きカップルの姿を描いた作品です。



名門T大学3年の宝部郁雄(川口浩)と、T大の門前に立つ古びた古本屋の娘

木田百子(若尾文子)は、家柄の違いに渋る郁雄の母(沢村貞子)の反対を押し切って

婚約、大学を卒業し正式に結婚するまでは清い関係のままでいようと誓い合う。

しかし郁雄はデザイナーの本城つた子(角梨枝子)に誘惑されて決心が揺らぎ、

また百子も郁雄の友人であるプレイボーイ高倉竜二(川崎敬三)の猛アタックを

受けていた・・・ってなお話。



で、感想なんですが…

・・・え~~~っとまずこの作品、なんかです。

というのもシーンとシーンの繋ぎ方が異常に乱暴で、急にブツッと切れたかと思うと

突然次のシーンに切り替わる場面が多々あるんですよねー。

中には明らかに場面が飛んじゃってる個所もあったりして、ちょっと酷い状況です。

これはあれかなぁ、フィルムの保存状況が悪くて一部欠損しちゃったのかな?

でもそれなら作品が始まる前に一言その旨断りがあるのが普通だし、それが無かったって

事はひょっとして元々こーゆー作品なんやろか? ・・・でもだとしたらいくらなんでも編集が

ヘタすぎるし・・・本筋とは関係ないところでなんとも謎の残るDVDでしたハイ。。。(・Θ・;)



んでもって内容もちょっとイマイチでしたねー。

百子の兄東一郎(船越英二)の結婚問題が絡んでくる中盤からは尻上がりに面白く

なったんですけれども、そこに至るまでの前半部分がいささか退屈で冗長だったかなと。

百子を演じる若尾さんも白塗り&真っ赤な口紅がやたらと濃いし。元々ヒジョーにお美しい

方なんだからさー、あんなにゴテゴテ塗りまくる必要無いと思うんですけどね!ヽ(;´Д`)ノ

勿体ない。

一方で良かったのは郁雄の母を演じる沢村貞子さんと、東一郎の婚約者浅香千鶴子

(八潮悠子)の母あきを演じた村田知栄子さんという二人のベテラン女優陣。

特に村田知恵子さんの怪演は凄かったですねー、貧しさから世の中を妬みまくってる

屈折したおばあちゃんの役なんですが、気味悪いったらありゃしない。。。(-"-;A

あ、あとチョイ役ではありますが、クラブシンガーの役で若かりし日の美輪明宏さん

チラッと出てきますよ♪(°∀°)b




総評。

前述のとおり色々難点がありますし、若尾さんの役も純情一途って感じでいささか

複雑さに欠ける感はありますが、物語が大きく動き出す後半からはそれなりに

愉しむ事が出来ましたよ。

ってワケで興味のある方はドゾ!