オペレッタ狸御殿 | キネマの天地 ~映画雑食主義~

キネマの天地 ~映画雑食主義~

レンタルビデオ鑑賞日誌



(ほぼ)一日一本のペースで映画の感想を書いてます。

オペレッタ 狸御殿 デラックス版 [DVD]/チャン・ツィイー,オダギリ・ジョー,薬師丸ひろ子
¥3,990
Amazon.co.jp


内容:巨匠・鈴木清順監督が『SAYURI』のチャン・ツィイーとオダギリジョー主演で描いた豪華絢爛なラブミュージカル。がらさ城主の後継ぎ・雨千代と、狸御殿の狸姫が恋に落ちたことから巻き起こる騒動を綴る。(Amazonより)


▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲



はい!今週のチャン・ツィイー 枠は、2005年製作「オペレッタ狸御殿」です。

言うまでも無く日本映画で、監督は鬼才鈴木清順!!ヘ(゚∀゚*)ノ






美しさも富も名声も、全て自分が一番でなければ気が済まない“がらさ城"の城主・安土桃山。推定年齢100歳のびるぜん婆々の予言によって、将来、世継ぎ・雨千代の美貌が自分より勝ることを知った彼は、躊躇うことなく実子を快羅須山に捨てるよう手下の駝鳥道士に命じる。ところが、快羅須山に向かう途中の狸ヶ森で、美しい娘に助けられた雨千代は彼女と恋に落ちるも、何あろう、彼女こそ唐の国から狸御殿に招かれた狸姫だったのである・・・(Amazonより)





ほい、木村恵吾監督の“狸御殿”シリーズをもとに鈴木清順監督が作り上げた

オペレッタ喜劇です。

このシリーズ、お恥ずかしい事にワタシはいずれも未見ですが、近いうちにの2本は

鑑賞する予定でおります。だって若尾様だし~♪( ´艸`)




初春狸御殿 [DVD]/市川雷蔵,若尾文子,勝新太郎
¥4,725
Amazon.co.jp

花くらべ狸道中 [DVD]/市川雷蔵,勝新太郎,若尾文子
¥4,725
Amazon.co.jp






・・・ちなみに他にはこんなの↓もあります。観るかは未定だけどね。




大当り狸御殿 [DVD]/美空ひばり,雪村いづみ,山田真二
¥4,725
Amazon.co.jp

七変化狸御殿 [DVD]/美空ひばり,宮城千賀子,淡路恵子
¥3,990
Amazon.co.jp




それはさておき感想。




・・・ブハハッ!!(≧▽≦)  やるなぁ、さすが鈴木清順!!



ほい、世間での本作に対する評価が真っ二つに分かれる事は重々承知しておりますが、

私はコレ好きですねー♪ 真面目に観ちゃった人が怒りだすのもわからないでもないけど、

要するにコレって鈴木清順流の壮大なジョークでしょ。



ストーリーはまぁ上に引用したとおりです、城主の息子雨千代(オダギリジョー)

狸のお姫様狸姫(チャン・ツィイー)が恋に落ち、しかし雨千代の美貌に嫉妬した城主

安土桃山(平幹次郎)やその配下の魔女びるぜん婆々(由紀さおり)に命を

狙われるっつーお話。


それを「オペレッタ」の名のとおり歌劇として描いた本作は、舞台劇のように書割のセットを

多用する一方でCGも随所に用いるなど、昔懐かしの歌劇モノと最新技術が

混合している感じ。

加えて物語の舞台は日本の戦国時代風ながら、安土桃山の住む“がらさ城”のセットは

洋風だったり、狸姫が中国語喋ったりと(狸姫は唐の国から来たという設定)、

なんとも奇妙奇天烈な世界が繰り広げられます。オダギリジョーやツィイーちゃんの

唄なんかお世辞にも巧いとは言えないんだけど、それが却ってB級パロディ感を

増幅させてたりしますしねー♪ それはわざわざ最新のデジタル技術を駆使して

“あの御方”を現代に甦らせてしまった所も同様で、本気とも冗談ともつかない

悪ふざけ感が楽しいっす♪


んでもって一番笑ったのが、由紀さおりさん演じるびるぜん婆々が今際のきわに唄う

「びるぜん婆々のマイウェイ」!!ヽ(゜▽、゜)ノ

だって「昴」みたいな力強くドラマティックなメロディに載せて、由紀さおりさんが

『いまー私はー生涯を終えようとしてる~』 なんて拳を振り上げながら唄うんですよ?! 

そりゃ笑うでしょw ワタシの中での由紀さおりさん株が急上昇しましたよ。

あとオダギリジョーとツィイーちゃんが愛の喜びを唄う甘々ナンバー「恋する炭酸水」

バカバカしいほどの可愛らしさが好きですねー♪

あ、あと狸姫のお目付役のタヌキお萩をリアルタヌキ顔(←コラ)の薬師丸ひろ子さん

演じてるのも高ポイントですな。(・ω・)/


ただ一方でちょっとハマれなかったのが、山本太郎演じる駝鳥道士の一連のくだり。

これはまぁアレですね、本作って平幹次郎さんや由紀さおりさんはもちろんの事、男前の
オダゴリジョーやアジアのミューズたるツィイーちゃんといった人たちが唄い踊る、

言わば「あの人がこんな事をっ?!Σ(=°ω°=;ノ)ノ」的な所が肝なわけじゃないですか。

・・・でも失礼ながら、山本太郎だと何の違和感も無いんですよねー!ヽ(;´ω`)ノ

メロリンキューがオシッコ引っかけられそうになったってそれだけではギャグとして

成立しないでしょ。こういったイマイチ笑えない個所があったのも事実ですな、ウン。




総評。

とはいえ全体としては楽しかったっす♪ 本DVDにはミュージックチャプターも

付いているので、「びるぜん婆々のマイウェイ」なんか繰り返し3回ぐらい

観ちゃいましたもん(笑)

まぁ好みが分かれる作品だとは思いますが、オペレッタの大仰さと意図的な

“作り物感”であえてB級っぽさを醸し出し笑いに昇華している本作は、実はかなり

高度なエンターテインメントだと思いますよ。

ってワケでオススメです!!