ダークナイト (アメコミ映画祭 27本目) | キネマの天地 ~映画雑食主義~

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(ほぼ)一日一本のペースで映画の感想を書いてます。

ダークナイト 特別版 [DVD]/クリスチャン・ベイル,マイケル・ケイン,ヒース・レジャー
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内容:アメコミ生まれのヒーロー・バットマンが活躍する人気シリーズ最新作特別版。正義感あふれる地方検事・デントと共にマフィアの撲滅に努めるバットマンの前に、狂気に満ちた犯罪を繰り返す不気味な男“ジョーカー”が現れる。 (Amazonより)


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はい!「アメコミ映画祭」ラストを飾りますは「ダークナイト」です!!




ゴッサム・シティーに、究極の悪が舞い降りた。
ジョーカー(ヒース・レジャー)と名乗り、犯罪こそが最高のジョークだと不敵に笑うその男は、今日も銀行強盗の一味に紛れ込み、彼らを皆殺しにして、大金を奪った。
この街を守るのは、バットマン(クリスチャン・ベール)。
彼はジム・ゴードン警部補(ゲイリー・オールドマン)と協力して、マフィアのマネー・ロンダリング銀行の摘発に成功する。
それでも、日に日に悪にまみれていく街に、一人の救世主が現れる。
新任の地方検事ハービー・デント(アーロン・エッカート)だ。正義感に溢れるデントはバットマンを支持し、徹底的な犯罪撲滅を誓う。
遂に始まった、ジョーカーが仕掛ける生き残りゲーム。
開幕の合図は、警視総監の暗殺だ。正体を明かさなければ市民を殺すとバットマンを脅迫し、デントと検事補レイチェル(マギー・ギレンホール)を次のターゲットに選ぶジョーカー。しかし、それは彼が用意した悪のフルコースの、ほんの始まりに過ぎなかった。(Amazonより)






『アメコミ物にして、アメコミ物に非ず』



・・・はい、言うまでもなく「バットマン ビギンズ」 の続編なのですが、これはもはや

バットマンで有ってバットマンでは無いですねー、タイトルにバットマンと入れなかったのも

そういう事なのではないでしょうか。




この作品、とにかく重い暗いです。

バットマン自体元々暗い物語ではありますが、ティム・バートン版にしろ前作にしろ、そこには

一応「正義は勝つ」というカタルシスがあり、勧善懲悪のエンターテインメントでした。

しかし、この作品は違います。



いや、本作にも一応のカタルシスはあるんです。

しかしそれを齎すのは終始苦悩し葛藤し続ける黒尽くめの男では無く、道化のメイクを施した

狂気の男なんですね。

法を否定し、金を否定し、倫理を否定する。システムという幻想を笑いながら破壊してみせる

この“ジョーカー”なる男の言動に、爽快感を覚えてしまった方も少なくないのでは

ないでしょうか。

それはつまり本作が善と悪との戦いでは無く、現代社会を取り巻くシステムを是とするか

否かの争いであり、多くの人々がそれに何かしらの不満・疑問を感じている今、

その手段はともかくとしても、あの道化者の言動に簡単には否定できない物を

感じ取ったからではないでしょうか。

少なくとも私はジョーカーを絶対悪だとは思わないな、ウン。



キャストに関しても、ジョーカーを演じたヒース・レジャー に尽きるでしょう。

彼はこの作品の日本公開を待たずして亡くなられたワケですが、正直観ている間は

そんな事忘れちゃってましたよ、それぐらい見事ななりきりぶりでした。

・・・でも仮に続編が作られるとして、ジョーカーの再登場があるとしても、それは本作の

ジョーカーとは別人なんだよなぁ。。。(ノ_-。) それならいっその事、もうジョーカーは

出さない方がいいような気もするんだけど、でもバットマンの永遠のライバルとして

あれだけ大々的に売り出してしまった以上、そ~ゆ~ワケにもいかないような気もするし・・・

難しい所ですな、ウン。





総評。

その他のキャストやアクション等映像面に関してそれほど強く印象に残らなかったのは、

やはりジョーカーの存在感があまりに大きかったからでしょうね、その意味でもやはり

タイトルから「バットマン」を外した選択は正しかったような気がします。

まぁとにかくアメコミの枠には捉われない作品ですわ、ってアメコミ映画祭の最後が

それでいいのか?って気もするけど(笑)

なにはともあれ、オススメです!