昨夜はサッカー(欧州CL)を観ているうちに寝てしまったので映画は観てません、
だからレビューはお休み。
で、代わりと言っちゃなんですが、今日はおそらくこれまでで一番多く読み返しているで
あろう小説を御紹介いたします。
それは、コレ!
- 青が散る 上 新装版 (1) (文春文庫 み 3-22)/宮本 輝
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- 青が散る 下 新装版 (3) (文春文庫 み 3-23)/宮本 輝
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はい、宮本輝さんの代表作の一つである長編小説、「青が散る」です。
私が持っているのはかなり分厚い文庫本一冊版なんですけどね、
どうやら今は↑のように上下巻の新装版で出ているようですな。
ちなみに私が持っている版の表紙画は↑の下巻のものと同じです。
簡単にあらすじを説明しますね。
さしたる意欲もないまま新設された大学に進学した椎名燎平は、そこで
テニス部員を募集していた金子と出会う。燎平がテニス経験者だと知った
金子の熱心さに根負けした燎平は、イヤイヤながらも入部することに。
しかしそこで金子やかつてのジュニアチャンピオンの安斎、ニヒリスティックな
貝谷らとともに一からテニス部を立ち上げていくうちに、燎平は次第に
テニスに熱中していく。
また、同級生の佐野夏子に恋をした燎平は、何とか彼女の気持ちを射止めたいと
願うが…
私は観たこと無いのですが、過去には若かりし頃の佐藤浩市主演でドラマ化も
されているようですので、結構御存知の方も多いのではないでしょうか。
この小説の秀逸なところは、大学生という無邪気でもなければ大人でも無い、
なんとも中途半端な世代の心理を、時に爽やかに、時にほろ苦く描いているところ
でしょうか。文章も軽薄過ぎず堅過ぎず、読み応えと読み易さを見事に両立しています。
それからもう一つの魅力が、まるで自分がコートに立っているかのように錯覚させられる、
テニスの試合の迫真かつ精緻な描写でしょう。
高校生の時にコレを読んだ根が単純なワタシは、
大学へ進学したら絶対テニス部にはいるんだ!と
固く心に決めたものです(結局、入らなかったんだけどね汗)。
宮本輝さんの著作は他にもそこそこ読んでおり、「春の夢」、「流転の海」、
「ここに地終わり 海始まる」、あと「星々の悲しみ」なども好きですが、
やっぱり本著が一番かな。
最後に、文中から好きな一節を抜粋引用させていただきますね。
「若者は自由でなくてはいけないが、もうひとつ、潔癖でなくていけない。
自由と潔癖こそ、青春の特権ではないか。」by辰巳教授
若者よ、王道を歩め。 おしまい。