ponanzaとの5日間~@yoshida hidekazu~ | 将棋指しがあーだこーだ言ってみるブログwithその他ウマウマ等

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将棋と馬をたしなんでおります。
棋力は24で7or8段くらい。
ゆるーくやっていきまっす~

 対ponanzaでやっと勝つことができた。6局目にてついに。

 初めて先手番になれたのでちょっと嬉しかった。

 米長流急戦矢倉を採用。

 それまでにponanzaが負けていた将棋は入玉模様やダイレクト向かい飛車に対する序盤の疑問手といった、ちょっとponanzaの苦手(?)をうまくついた感があったのだけれど、だからこそ自分はできれば居飛車で、しかも攻め合いのような将棋で勝ちたい気持ちが強かった。

 こちらの仕掛けに対して激しい順で応対され、先に桂損した上にと金を作られる展開。

 代償にこちらも相手の玉頭に手をつけ、後には引けない寄せ合いの様相。

 こういうどう転んでも1手違いになる攻め合いはコンピューターのもっとも得意な展開ではあるが、そこで勝負しに行くことこそ生き様なんだ。肉を切らせて骨を断つ。いや、肉を切られて骨も折られるかもしれないが、しょっぱい将棋は指さない。高山VSドン・フライの顔面殴り合いみたいな将棋を魅せたいでしょう。


 終盤、△69金という手は見えてなかった。ああ、一気に寄せられる。もう駄目かと思ったところで、諦めずに▲69銀と踏ん張って▲37角~▲53角はよく頑張れたと思う。そして▲41銀と打ったところでは勝っているのではないかと思った。次の▲43銀が厳しい。自陣は薄いが金を渡さなければかなり耐えられる。

 そして本譜もそれが実現して勝つことができた。アドレナリンが体を駆け巡った。

 何より嬉しかったのはponanzaが優勢とみていた将棋を勝った事。▲41銀の前までそう思っていたらしい。

 このあたりの逆転はponanza作者さんも驚いたようで、感動したと言っていただいた。刹那の出来事とはいえ寄せ合いの局面で人間の指し手がコンピュータの読みを超えたのは想定外だったのかもしれない。


 ponanzaはこの日通算100局目を指したところで将棋倶楽部24からの引退を表明。作者さんはとても楽しかったと言っていたが、みんなみんな楽しかったのではないだろうか。この5日間の出来事は永遠に語り継がれるだろう。こんな将棋の熱さ。ファンの熱さ。PCと人間との熱さ。1000人の観戦者が固唾を飲んでponanzaの1手を見守る。ハチワンダイバーの世界のような光景がそこにはあったのではないだろうか?


 ponanzaありがとう!

 みんないつでも待ってるに違いないから、さらに強くなって帰っておいで!!


※参考

先手:ヒデカズ
後手:ponanza

▲7六歩 △8四歩 ▲6八銀 △3四歩 ▲7七銀 △6二銀
▲2六歩 △4二銀 ▲4八銀 △3二金 ▲5六歩 △5四歩
▲5八金右 △4一玉 ▲7八金 △5二金 ▲6九玉 △3三銀
▲3六歩 △3一角 ▲3七桂 △4四歩 ▲4六歩 △4三金右
▲4七銀 △4二角 ▲2五歩 △3一玉 ▲9六歩 △7四歩
▲6六銀 △7三銀 ▲5五歩 △6四銀 ▲5四歩 △同 金
▲5六銀 △3五歩 ▲4七金 △3六歩 ▲同 金 △5五歩
▲同銀左 △同 金 ▲同 銀 △4七銀 ▲3五金 △3六歩
▲3四歩 △3七歩成 ▲2六飛 △5五銀 ▲3三歩成 △同 角
▲2四歩 △1五銀 ▲2五飛 △2四銀 ▲同 金 △同 角
▲5五飛 △4八と ▲7九玉 △4六角 ▲5七歩 △6九金
▲同 玉 △5五角 ▲同 角 △5九飛 ▲6八玉 △6五桂
▲6九銀 △5七飛成 ▲7九玉 △5五龍 ▲3七角 △4六角
▲同 角 △同 龍 ▲5三角 △2二玉 ▲4一銀 △5八銀不成
▲同 銀 △同 と ▲4三銀 △6八銀 ▲8八玉 △3六龍
▲4四角成 △1二玉 ▲3二銀引成△同 龍 ▲同銀成 △7七角
▲同 桂 △同銀成 ▲同 金 △同桂成 ▲同 馬 △7八金
▲同 玉 △6八と ▲同 玉 △5七銀 ▲同 玉 △5六歩
▲同 玉 △5二飛 ▲5四歩 △5五歩 ▲同 馬 △3二飛
▲2二金 △同 飛 ▲同 馬 △同 玉 ▲4四角 △3三銀
▲3四桂 △3二玉 ▲2二飛 △4三玉 ▲5三角成 △3四玉
▲3五金
まで127手で先手の勝ち