第10回:馬主になるには② | 馬人(うまんちゅ)

第10回:馬主になるには②


前回、個人で馬を持つことの大変さについて書いたが、ほんの一部の億万長者以外は事実上不可能であることがお分かりいただけたかと思う。

では、今回は馬主クラブ(法人)に登録することで、1頭の馬を何人かでシェアして馬を持つ方法について書こうと思う。

これもいきなり結論だが、サラリーマンと呼ばれる給与所得者が馬を持つ方法は、事実上この方法しかない。


少し古い資料で恐縮だが、日本馬主協会連合会の資料によるとH15年度の法人馬主会員数は341としている。

この341法人はそれぞれ持っている馬もそうだが、制度も異なる。

制度というのは初期の会員登録料(所得審査があるところもあり)であり、1頭の馬に割り当てられる口数とその金額である。


これがピンからキリまであって、1口3万円前後~のところもあれば、1口50万円~というところもある。

1口数の金額が高いということは一般的傾向として、高額の馬(走る可能性のある血統の良い馬)を持っているクラブということになる。また毎月の預託料(馬の調教・飼育代)が高いところもあれば、安いところもある。


その馬がレースに勝利し(入着:8着までには賞金が入る)、賞金が入ればその口数に応じて、賞金がクラブ会員に配分されるという仕組みだ。


「マイネル」~とか「シルク」~とかつく、馬の名前を聞いたことがある方も多いかと思うが、これは有限会社ラフィアン及び有限会社シルクというクラブ法人がもつ「冠号」である。

また、日本で最も一口数の高い、社台ホースレースの所有する馬は逆にこの冠号がつかない。


各クラブ会社の特徴はここでは割愛するが、1頭の金額は安くても仕上がりの早い血統の馬を集めてきて、2歳戦でたくさん走らせ、賞金を稼ぎ、早めに引退させる(預託料をかからなくするため)クラブであったり、3歳時に行われる王道レース(皐月賞~ダービー~菊花賞)路線に乗せて、高額の賞金狙いで行くクラブなど様々ある。


どのクラブを選択するかは、自分の所得予算との兼ね合いであったり、どの血統の馬がいるか(募集一覧表がリストとして公開される)など様々であるとは思うが、一口でも持っていることで馬主気分を味わえる制度なので、注目していきたい。