中国(日本の)一周チャリンコ放浪記 14 | Do. の自然道 ~投資編~

Do. の自然道 ~投資編~

「心」と「お金」そして「自然」との関係を徹底的に追求することによって「やりたいことをやり続ける人生」を送ることができる、そんな真の投資家になる方法を研究しています。

~1983年-1984年 輝之19歳~

急に道がせまくなる。

一車線で両方の轍の間に20㎝もの雪が道の中央に
横たわっている。

すごい。愛媛ではとても想像できない。

なんともきれいだ。白なのだ。

音がほとんどない。

ちらっとのぞく青空。

なんてすてきなんだ。

すごくぜいたくしてるみたいだ。

来てよかったよ。

バス停の女子高生があほなやつや、なんて目で見てる。

ハハハ、俺はあほやで。

もう少しだ。

道がせまくなる。

強風で雪が散る。


クラクションがなる。

おいさんが顔の前でだめだめなんて手をふる。

そんなに雪が深くて通行止めなんだろうかと
不安がよぎる。

しかしペダルを踏む。進むしかない。


「湯抱温泉」

来たー とうとう来たぞー


小さな横道へ入る。

不安と期待で胸が高まる。

旅館街をぬける。

少しでつきあたり、ブルドーザーが除雪している。

おばさんに湯抱温泉どこですか?

と聞くとここだよ、と言う。

ここって温泉はないのですか?

全体がそうで、湯をひいてきてるんだよ。

そうかー

とすると、まっさんが言っていた
いいおばあちゃんがいるのはどこなんだ?

隣の旅館できせるか何かをふかしながら
外を見ているおあばちゃん。

ちょっといかめしいかなという印象。

しかし、この人だと思った。

そして話してたおばさんが安いところを
教えてくれたんだけど、ふらりとそっちの旅館の方へいく。

もっと先の方へ散歩。

帰ってきた時、そこのおばさんに声をかけられる。

そこに泊まらせてもらうことにする。

そのおばさんが柿本人麻呂の歌碑がある小さな公園を
教えてくれた。

雪の中、公園まで上がれる道もすっぽり。

雪のおおわれた足あとの上を歩いていく。

時にすねまでズボッ。長靴の中に雪。


歌碑はあったが遠くて読めない。

下の方は雪にうまってる。

近くにいけると思うが足あとがないのでさける。

斎藤茂吉が柿本人麻呂の終焉の地、鴨山を見つけたという。

ちがうのだ!

今、ガイドブックを見てみると僕が思って写真にとった
鴨山は違っていた。

あすの朝、もう一度いってみよう。