「学ぶ時はその道のトップから学べ」
20代の頃、師匠からよく言われていた言葉です。
ここ言葉は、今では私の身体にしみついて離れません(笑)
京都で仕事があった時は、数寄屋造りでは日本一だと
思われる会社を訪れていろいろなことを教わりました。
木材の仕入先、畳屋さん、瓦屋さん、左官屋さんなど。
左官のことを知りたいと思った時には
京都府左官専修学院のプロ向けの講義に通いました。
この講義には桂離宮を手がけた左官屋さんが
講師にいました。
金箔の工事を初めて請け負った時には、
金閣寺の昭和の大修理を施工した職人さんに
来ていただきました。
木造軸組の伝統工法に方向転換した時は
埼玉の建築士が主催している大工塾に通いました。
家具を作り始めた時は地元でトップの家具職人の工房へ
アルバイトで入りました。
その職人さんはカンナの薄削りの大会で
トップになった人です。
漆を家具の仕上げに取り入れたいと思った時には
漆を使った家具作りでは日本で一番と思われる人に
連絡をとって、そのお弟子さんを紹介してもらいました。
アイヌのチセという住宅について知りたいと思った時には
実際にチセに泊まりこんでデータを取った研究者に会うため
千葉まで行きました。
写真の勉強は私が理想だと思っていた写真家を
多数輩出した写真学校に入学しました。
ＦＸのことを本気で勉強したいと思った時には
数百億円を動かしているトレーダーに会いに行きました。
何か特別なことをしてきたわけではありません。
全て初めて取り組むことばかりなので
その道の師匠を探しただけです。
写真学校や左官の講義のように
お金がかかる場合もありますが、
ほとんど無料で教えていただきました。
何かを極めた人は、それを誰かに伝えたいという思いを
持っている人がほとんどです。
人の心の扉は、たたけば必ず開くと思っています。
なにか新しいことを始める時には、
その道のトップから学ぶ。
それを繰り返していると、
トップを探す嗅覚が敏感になってきます。
「あれこれやってたら、お前の人生250年あっても足りない」
一つのことを徹底的に極めるのが人生だと思っている父に
そう言われて、よく笑われました。
トップに学ぶことで、せめて人生100年くらいに
できるかなと思っています(笑)