【日常】自分の歩む道が解らなくなったスキーの出来事 | モンちゃんのブログ

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不耕起栽培の田んぼでお米を作りホタルを増やしたり、自然農法の畑で作物を作ってます。千葉県環境学習指導員の認定を受け環境の体験学習や講演等をしてます。環境社会検定保有し、省エネ生活を実践中!blogは主に医療・食料・環境を中心に、様々なジャンルで更新してます。

だいぶ春の空気が感じられるようになりましたね。早く春になって欲しいですね。
しかし、今日の話はスキー体験から得た教訓です。
友人がスキーから戻り、会話していて思い出した事です。

『昨日まで、北海道にスキーに行ってたんだけど、吹雪だったんだ。
一寸先が見えない中、何が1番マズイかというと「恐れ」だなあ、と思ったりしてね。何も見えなくても、自分の中に道があれば、先に進めるってことかな。』
とありました。確かに自分の中に進む道があるといいですよね。
私の体験は今から20年前、カナダのウィスラーにスキーに行った時の話です。
ウィスラーはバンフに並ぶカナダの人気スキーリゾートで世界中からスキーヤーが集まります。
ウイスラーブラッコムスキーリゾート公式HP(日本語版)

コースは様々なレベルに応じて看板で表示されています。

ところがその日は急に横殴りの吹雪となり看板に雪が着いてしまい何も解らない状態となりました。
コースに入ってはいけない看板はドクロマークです。
しかし、前が見えない吹雪の中で、コースを確認しないで前の人について行った先は左側のストックが着かないすり鉢状態の斜面でした。
右側は膝の辺りにストックが着いてました。『しまった』と思っても、もう後戻りはできません。
前の人は上級者で地元の人だったのでしょう。あっと言う間に白い世界に消えてしまいました。
辺り一面真っ白の世界です。視界は2m程しかなくなりました。
そこでは、ホワイトアウトを経験しました。真っ白の世界で上下左右の感覚がなくなりました。
そして『恐怖』が襲いました。
当時、メンタルトレーニング等してなかった私は、その現状を『後悔』し、『吹雪で看板が見えなかった事』『日本のようにロープが張ってない事』『友人と一緒のゲレンデに行かなかった事』『前の奴がこんなコースに入った事』など、この状態に至ったあらゆる考えられる事の『せい』にして怒りが込み上げて来るのですが、現実は何も変わりません。とにかく、ここで転んだら、命がなくなるとも思いました。怒りはすぐに心が折れて後悔になりました。
『俺は何をやってるんだ』とか『9日も休みを取って、カナダまで来るんじゃなかった』『この崖はどうなっているんだ』とか、後悔ばかりの念にまみれます。

雪はひたすら降り続き、みるみる積もります。

ウィスラーの最長コースは10キロもあり、ブラッコム山と繋がる広大なスキー場です。日本のゲレンデの感覚とは違います。
あまりにも広大で友人との無線機は通じません。

そこから皆がいる普通のコースに戻るのは実に大変でした。
本当に遭難するかと思いました。

実際に同じ日に千葉県から行った男性2人が遭難してました。ホテルに帰りニュースで報道されてましたし、帰りの飛行機の読売新聞にも出てて、日本でも報道されてました。

後日談ですが、ニュースを見た妹は『お兄ちゃん達かと思った』と成田から連絡して真っ先に言われました。
確かに吹雪の中、ヘリコプターの音がしていたのを覚えてます。

とにかく、転んでから立ち上がるまでに時間がかかります。 新雪でフワフワでストックは支えになりません。
殆ど潜ってしまいます。

一人ぼっちで音も吸い込まれる真っ白の世界。
雪は青くも見えました。

倒れながら、もがきながらも頼りになるのは自分自身だけです。

1時間程もがいていたら、スノーボードの若者が3人、奇声をあげながら頭の上を飛び越して行きました。

久々に人を見て元気を取り戻しました。
彼らの滑った軌跡が雪で埋もれる前に動かないと、次のチャンスが来ないと必死になって、辿りました。

何せ、どの方向に行くのかすら解らない状態でしたから、藁にもすがる気持ちでした。

後を辿りやっと、人の声が聞こえる所まで出て、上にリフトがあるのが確認出来て自分の位置がわかり、コースに戻る事が出来ました。

この体験を思い出しました。


人生って、行く先や目標が設定されないと辿り着けない
と言いますよね。

いやいや、目標設定していても、迷い込む事があるのですよ。

自分の中に進む道があるにこした事はありませんが、あったとしても迷い込む事があるのが人生だと思います。

さて、どうしたらいいか?

そんな時は、自分の位置を把握する事、自分の状態を把握する事です。そこから整えるしかありません。

やがて周りは動きます。

周りのせいにしても何も変わりません。後悔してても何も変わりません。

自分をチェックして、何が出来るかを考え、最良と思った事をやるしかないと思うのです。