『【ジョジョリオン】#011 『SBRレース全記録』の秘密―２つの血脈が交差するッ！？―』

ウルトラジャンプ 2012年 05月号 [雑誌]

集英社 2012-04-19

Amazonで詳しく見る

東方大弥との[SAGA]なバトルに決着がついた先月号。
今月号は次への展開の橋渡しの回ながら、無視できない“あの名前”が続々飛び出す衝撃展開！
コミックスもようやく２巻が発売されたけれど、未だに『ジョジョリオン』がどういう話なのか掴めません。
ほんと、どうなっちゃうんだこの漫画！

感想

【警告】ウルトラジャンプ未読 or　コミック派の人は、これより先は読んではいけない
今月号については、ホントに読んではいけないですよ！！

コミックス２巻の発売を記念して、表紙＆巻頭カラーのジョジョリオン。
ジョジョリオンがウルトラジャンプの表紙を飾るのは11話目にして4回目。
週刊少年ジャンプ時代とは比べ物にならない優遇っぷりがたまらない。
表紙と色＆構図違いの巻頭カラーも、ジョジョリオンら相変わらずアーティスティックでカッコいい！

さて、先月号まででvs大弥の話にケリがつき、平凡な朝から始まる今月号。
ようやく家族ができ、自分の部屋を与えられた定助だが、相変わらずマットレスで“圧迫”しながら眠っているらしい。もちろん、帽子はかぶったままだ。
忘れてなかった、この設定！

寝起きの定助の側には大弥の姿が。
先月号までの展開で、すっかり定助サイドに回ってしまった大弥。
大弥の魅力で定助を手懐けようと企んでいた東方憲助の思惑も外れ、逆に定助に手懐けられてしまった大弥。
まだ二人の関係性に気がついてはいないものの、憲助も不安で一杯です。

一方、東方家の洗面所では鳩と常秀がいつものじゃれ合い中。
（ちなみに、この日、鳩が会う予定の人物は荒川静香。何故か実名！）
化粧をする鳩とカミソリでひげをそる常秀の間に入って、ダイナミックにひげをそる定助。
グググーッ　ブヂンッ　ガリッって、どう捉えても髭剃りの効果音じゃないッスよ！

ノリノリの定助は、シェーバーの泡を使って悪ふざけ。
剃ったヒゲを泡に閉じ込め、鳩と常秀の顔面で破裂させると、何故か二人の顔には落書きが。
常秀はバカボン、鳩はキン肉マン風にヒゲが生えている。（未見の人には、何を言ってるのかわからないと思いますが、ありのままに描かれていたものを描いてるんだゼ。）
ソフト＆ウェットの無駄遣いが、実に楽しそう。
そして、ソフト＆ウェットには、物質としての“泡”を利用するっていう能力もあるっぽい！
活きてくるのか、この設定？

場面は一気に飛んで、先月号の続き（回想）へ。
そう、先月号の最後に登場した“あの本”、『スティール・ボール・ラン・レース全記録』についてのお話だ。
この本の著者は初代の東方憲助。
スティール・ボール・ランを読んだ人にはお馴染み、あの“ノリスケ・ヒガシガタ”だ。
（あのノリスケ・ヒガシガタは、あのビジュアルでレース当時44歳なんかい！っていう衝撃も味わえます。）
すでにお馴染みのレースの概要が語られるも、今月号で重要なのはソコではなく、本の巻末に掲載している『東方家の家系図』にある。

なんと、あの“ノリスケ・ヒガシガタ”には娘がいて、その娘・理那（りな）が嫁いだ相手ってのが、ジョナサン（ジョニィ）ジョースター！
つまり、あのジョニィってわけですよ！

スティール・ボール・ランの最終話で、ヨーロッパ行きの船に乗ったジョニィとノリスケ・ヒガシガタ。（ノリスケの奥さん、つまりこの家系図で言うと「照（てる）」さんらしき人も乗っていたっけ。）
その後、義理の親子になってたってわけですよ！
いやー、人間の縁ってのは不思議です！

他にも、今の東方家当主4代目東方憲助の“憲助”襲名前の名前が『常助』だったり、その母親の名前が（漢字は違うけれど）『伴子（ともこ）』だったりと、気になるところ満載の家系図だ。

家系図のチェックを続ける定助は、レースの本なのに家系図が載っていたり、「通常家系図ってのは『長男の方』だけを記録するもの」なはずなのに母系のジョースター家の家系図まで記録されていることが気になる様子。

しかし、家系図を追っていくうちに、その“意味”はすぐに判明する。

なんと、『吉良吉影』は、ジョースター家の子孫。
つまり、「東方家」と「吉良家」は血縁関係にあるのだ！！！
（まあ、定助ははっきり「意味がわかった」と宣言しているものの、吉良がジョースター家の子孫だからと言って、東方家の家系図にジョースター家の家系も記されている“意味”にはならないんですけどね。）

その後、憲助の書斎を去る定助と大弥。
「SBR全記録」の本から「本のしおり」が落ちるも、すぐに定助が気付き、ちゃんと「しおり」を挟んだ状態の本を本棚に返却。
書斎への侵入の証拠は、無事に消したようだ。
「本のしおり」が今後の展開の伏線なのか否かは今のところ不明だが、なんとも意味あリ気な演出だ。

その後、家系図に記された吉良の家系を調べる定助。
唯一存命の吉良吉影の母『吉良・ホリィ・ジョースター』の所在を確認。
未だに「俺は何者なんだ？」という疑問がとけない定助が、ホリィの元を訪ねることを決めたところで今月号は終了。

定助、そして「東方家」と「吉良家」の関係に潜む“謎”が、今後の新たな展開を生みそうだ！

考察

今月号は何と言っても、「東方家」と「吉良家」の家系図の登場が大きな展開。
話の大筋としては、2つの血筋につながりがあることが判明したということが大きなトピックだが、家系図を眺めていると、気になる点が盛りだくさんだ。

例えば、吉良吉影の家系図上の位置。
“ジョナサンの孫の孫”“ジョセフの孫”“ホリィの息子”と言えば、言うまでもなく空条承太郎がいるべき場所。
この点に何の意味もないとは思えない。
今更だけど、元々の印象に立ち返って、“定助＝承太郎”っていうのもあり得るのかもしれない。

さらに、ジョースター家の男性陣の結婚相手の名前は、ちゃんと過去のジョジョに沿っている。
ジョナさんの奥さん「理那（りな）」はエリナとかんがえられるし、リサリサの本名はエリザベス・ジョースターだ。
違う点と言えば、ジョナサン（ジョニィ）のお母さんの名前がメアリーからアンに変更されている点。
そして、ホリーの旦那が空条貞夫ではなく吉良吉輝になっている点だ。
（吉良吉影のお父さんという観点でも、吉良吉廣（きらよしひろ）ではない。）

さらに、それぞれの生まれ年も興味深い。
これで、ジョジョリオンに登場している東方家の面々の誕生年と現在の年齢が判明し、ジョジョリオンの舞台が、やはり2012年であることもはっきりと導き出されるのだ。

ちなみに、超どうでもいい話だけど、ジョジョリオンの吉良吉影と僕は同い年です！（ちなみに、ミスタも1982年生まれ！だから何ってわけではない！）

ただ、そうなるとちょっとおかしな点が。
東方家の長男の娘・つるぎは2002年生と記載されているが、まだまだ赤ちゃんだったはずだ。

そう思って、本日発売のジョジョリオン2巻をチェックしてみると、つるぎちゃん、あのビジュアルで9歳！
おかしいな～と思って、連載時のウルトラジャンプをチェックしてみると、、、

やっぱり、連載時は「2歳」になってる！

これは、コミックスで修正したってことなんだろうけど、ビジュアル的に9歳と言うには無理があるのだから、家系図の方を2010年生にすればいいところを、コミックスで修正を入れてまで2002年生にしているのだ。
その理由、気になります！

というわけで、家系図一つで大盛上がりの今月号。
つるぎちゃんの年齢の変更についても、かつて「女」から「男」への変更を難なくやってのけた前例を考えると、全然大した修正でもないんですけどね。
それでも、記載されて一文字一文字にテンションが振り回されてしまうのは、ジョジョにハマッてしまった者の運命。

ただ、こうやって振り回されるのが楽しいのだから、もうどうしようもないのでした。