【ジョジョリオン】#008 東方大弥の異常な愛情①―「震災」に続くキーワードは!― | 『e視点』―いともたやすく行われるえげつない書評―

【ジョジョリオン】#008 東方大弥の異常な愛情①―「震災」に続くキーワードは!―

ウルトラジャンプ 2012年 02月号 [雑誌]ウルトラジャンプ 2012年 02月号 [雑誌]


集英社 2012-01-19

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ようやく話が少し解決方向に進んだと思いきや、またしても新たな「謎」に突入してしまった先月号。
コミックス派の友人が、「ジョジョリオン1巻読んだけど、全然意味分からんwww」と言っていたけれど、ウルトラジャンプ派なので数話分は先を行っているはずの僕にだって、全然意味わかんないんだぜ!
そんなわけで、今月も「謎」と向き合うことにしよう。
感想


【警告】 ウルトラジャンプ未読 or コミック派の人は、これより先は読んではいけない

$e視点-ジョジョリオン#008今月の扉絵は東方大弥。手に持った「チェスの駒」が今月号のキーだ。
サブタイトルは「大弥の異常な愛情」。
うーん、なんか深読みしたくなるタイトル。理由は後述します。

先月号からの続きで、左足に大怪我をおった大弥と焦りまくる定助のシーンからスタート。
焦りつつも、定助の脳裏に突然「記憶」がよみがえる。「吉良吉影」と「東方家」をつなぐ謎のマークの記憶だ。

ジョジョリオンでは、「定助の失われた記憶」が重要なキーになっているせいか、何かを「思い出す」シーンの演出に凝っている気がする。
今回もいくつかの記憶の「回想」と、謎のマークの「フラッシュバック」が入り乱れる演出が斬新。

そうこうしているうちに、いつの間にか大弥の傷が消える。
うーん、まだまだ何もかもがわからないな。
(康穂との絡みを彷彿させる「あん♡」みたいなセリフを吐く大弥。イイネ!)

「大弥の足のケガ」が何だったのかは不明だが、大弥のスタンドが発動。定助の左目からチェスの駒が「ムギュン」「グニグニ」と飛び出す。なかなかグロテスクな描写です。


$e視点-ジョジョリオン#008大弥は『公正(フェア)』に能力を説明。

「ルールを破った人から、『記憶』を一つだけ奪える」能力。
それが『カリフォルニア・キング・ベッド』
(ちなみに『カリフォルニア・キング・ベッド』の元ネタは「リアーナ」の楽曲。「イエス」は関係なかったんかい!!)

定助はせっかく思い出した「謎のマーク」に関する記憶を奪われてしまったらしい。記憶喪失なのに、さらに記憶を奪われるとは、、、。

子供の頃に、家の近くの「断層」で転んだせいで、視力を失うかわりにこの「スタンド」を身につけたと言う大弥。
ついに、登場人物の口からはっきりと「スタンド」という言葉が使われてしまった。やっぱりジョジョリオンも「スタンド」だったか!

「幸せ」は誰かと思い出を共有すること。
目が見えない故の孤独か、そう信じる大弥ちゃん。
「幸せ」になるために誰かの記憶を奪う能力をみにつけてしまったようだ。
でも、奪い取った記憶は「共有」とは言えないんじゃ。。。悲しすぎるぜ大弥ちゃん。。。
(ちなみに、全然話に関係ないけれど、大弥の横で、微妙に人型っぽく立ってる「カリフォルニア・キング・ベッド」ちゃんが可愛いです。ペロペロ。)

『公正(フェア)』を重視する大弥ちゃんは、さらに能力の弱点も語る。
目が見えない大弥に「自分の影を踏ませる」ことで、記憶は元の持ち主に戻る。
「大弥の影を踏む」ではなく「大弥に影を踏ませる」というのが、なんともジョジョっぽい。
「バトル」というより「ゲーム」的な戦いを予感させる弱点だ。
4部の「じゃんけんバトル」的な「影踏みバトル」が展開されるのだろうか。


一方そのころ康穂は。
自宅に帰りついた康穂を待っていたのは、酔いつぶれている母親「広瀬鈴世(44)」の姿。母の胸元に「キスマーク」を見つけて、「こんな所!こんな言え!あたしだって…どこへ一手いいのかわからない!」と泣き出す康穂。
4部と違って、広瀬家もなかなかヘビーな様子。「少年ジャンプ」じゃ描けなかった重い展開も想像できる設定だ。
(それにしても、「謎のマーク」に「キスマーク」。定助の肩の星マークに、ファン・ファン・ファンも「印」が重要なスタンドだった。なんだか、『マーク』が意味を持つ話が多いな。)

しかし、意外と切り替えが早い康穂ちゃん。
個人的に出していた「DNA検査結果」の報告書が届いていることを発見。
『吉良吉影の「髪の毛」』と『定助の「口の中の粘膜」』から採取したサンプルを解析した結果、二人が同一人物であることが判明ッ!

いやー、「面白くなってきた!」と言いつつ、あの状況で吉良吉影の髪の毛を採取し、携帯で死体の写メまで撮っちゃう康穂。
しかもその写真から「吉良吉影の腕のマーク」に気づき、さらにそれが「東方家にもあった」ことをも思い出す。
うーん、康穂ちゃんったら出来る子!


場面は再び東方家。
なんとか大弥に影を踏ませようと頑張る定助だが、その策略はあっさりと大弥にバレたっぽい。
「公正さ」を重視するゲームで「嘘」や「罠」を使った定助に、一体どんなことが起こるのか!!
という所で今月は終了。
とりあえず、最後のページで定助に迫る大弥の顔、怖すぎ!!!!
考察

早速ジョジョっぽいバトルが展開され始めた今月号。「ルール」で制限された中での心理戦は、やっぱり面白い。
東方家のメンバーの中でも「非戦闘要員」感が強い大弥のスタンドもなかなかのクセモノだ。
すでに彼女が集めている「記憶」が、誰の記憶なのかも気になる所。

特に気になるのが、このコマだ。
$e視点-ジョジョリオン#008

定助の記憶は「謎のマークについての記憶」でナイトの駒だったが、
これは、「クイーン」の駒に「猫」の記憶!!
「クイーン」と「猫」だとッ!!またも、「あのスタンド」登場のフラグか!!

と、思いきや次のページで、この駒が「キング」だと判明。
ふぅ、深読みし過ぎちゃったぜ。


それはいいとして、冒頭でも触れた今回のサブタイトル「大弥の異常な愛情」について。
もちろん、スタンリー・キューブリックの名作映画「博士の異常な愛情」のパロディなんだろう。
ジョジョリオンでは、5部や6部のように『映画』の引用やパロディも期待できるのかもしれない。

ただ、引用している映画がちょっと意味深だ。
「博士の異常な愛情」と言えば、正式名称は『博士の異常な愛情/または私は如何にして心配するのを止めて水爆を愛するようになったか』
「震災」ネタにも触れたジョジョリオンだが、「水爆」!

確かに「震災」の後、僕らは「放射能」について悩まされている。
ジョジョリオンは「呪い」を解く物語。
たしかに今の日本で「呪い」と言えば、「放射能」こそが一番わかりやすい「呪い」かもしれない。
まさか、ジョジョリオンでは、そこまで語られるのか!!

はい。きっと、いつもの考えすぎでしょうね。

今日の余談

大弥のスタンド『カリフォルニア・キング・ベッド』の元ネタは「リアーナ」の楽曲。

昨年行った「マダム・タッソー東京」(超リアルな蝋人形を展示している「マダム・タッソー蝋人形館」の東京でのイベント)にいたよ「リアーナ」。
蝋人形館なのでツーショット写真を撮ったりもできたんだけど、当時「リアーナ」に思い入れもなかったせいで、ツーショット写真なんか撮ってなかった。

ここでジョジョと絡んでくるなら、撮っておくべきだったな。。。
$e視点-マダム・タッソー_リアーナ


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