誰がために鐘は | 高山右近研究室のブログ

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監修 右近研究家・久保田典彦
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誰がために鐘は

「あなた一人で、行ってらっしゃったら? 私は新京極(しんきょうごく)をぶらぶらしてみたいわ。」

 妻といっしょに、おいしい鰻の昼食を楽しんだあと、気になりながらなかなか行けていなかった、姥柳町の南蛮寺跡へ行こうか、と誘ってみたが・・・ ていよく断わられてしまった。
 今に残る狩野元秀の扇面絵(せんめんえ)の実物を見て以来、いつかその場所に立ちたいと思っていた。

 京都の町は地図さえあれば迷うことは無い.。一人とぼとぼ歩いていったら、雨が降ってきては、通り過ぎていった。
四条烏丸、室町通、錦小路通、蛸薬師通。 ここだ! 「此付近南蛮寺跡」

 妻よ。二人でここに立ちたかったのだ! 四百年前のキリシタン達の祈りの声と、南蛮鐘(しょう)の音が確かに聞こえてきた。

※ 都の南蛮寺 by 木俣清史

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