新説馬券理論!! -5ページ目

函館

今週はシーイズだ~函館SS

 今週もトウショウ軍団だ。函館スプリントS(3日)の木曜追い切りが30日、函館競馬場で行われ、

シーイズトウショウが気合満点の動きを披露、連覇へ前進した。宝塚記念で牡馬を一蹴した

スイープトウショウと同じ騎手、厩舎、馬主が送り出す牝馬の勢いは買いだ。

 前走のテレビ愛知オープンで1分6秒7の驚がくレコードを叩き出したシーイズトウショウが、

その勢いをそのまま函館ダートコースにぶつけた。主戦・池添を背に、5Fから単走でスタート。

全くの馬なりだったが、首をグッと下げ、手綱を緩めれば今にも飛んでいってしまいそうな気合乗り。

重心の低い、地をはうようなフォームで直線を一気に駆け抜けた。5F70秒3と全体の時計は平凡

だったが、ラスト1Fは12秒0の瞬発力だ。

 「しまいがしっかりしていた。少しカリカリした感じもいいね。“らしさ”が戻ってきた。馬体も充実しているし、

本当に具合がいいんだよ」。池添の声が弾む。宝塚記念を制した26日夜には祖父の住む鹿児島へ

向かった。28日に空路函館入り。土曜(2日)は阪神で騎乗するため、いったん栗東に戻り、

日曜早朝(3日)に再び函館に入る。すべてはこの馬のために組んだ強行スケジュール。それでも「自信を持ってレースに向かえる」と話す同騎手の晴れやかな表情が、何よりもシーイズトウショウの出来の

良さを物語る。

 最大のライバルはプレシャスカフェ。昨年暮れのCBC賞(7着)で完敗を喫した強敵だ。

池添自身も「あの馬は強いよ」と実力を認めているが、勝算がないわけではない。

「(CBC賞で)対戦した時は鼻出血(レース中に発症)もあり、状態が最悪だった。

前走、そしてきょうの調教と本来の行きっぷりを取り戻している。今回は勝ち負けになる」と、

昨年の函館SS覇者として迎え撃つ構えを崩さない。

 トウショウの牝馬+鶴留厩舎+池添と言えば、宝塚記念を制したスイープトウショウと全く同じ。

グランプリVトリオの勢いは止まらない。「秋には大きいところを狙わせたい」と池添。

最大目標のスプリンターズS(10月2日、中山)へ向け、落とせない一戦。

今週はシーイズトウショウが、牡馬強豪をナデ斬りにする。

函館

ショットガン タイム上々~函館SS

 格上挑戦でG3獲りに挑むブルーショットガンは藤岡(レースは武幸騎乗)が手綱を取り、

Wコースで単走追い。直線はいっぱいに追われ5F65秒0、1F12秒3と、上々のタイムを

マークした。「放牧で少し体重が減ってしまったのが気掛かり。相手も強力だし、

どこまで頑張ってくれるかな」と同騎手。自身はフェリシアに騎乗するだけに、

困惑の表情を浮かべながら話していた。

福島新馬

マルス スピードある~福島新馬

 2日の福島5R・新馬戦(芝1200メートル)で注目を集めるのが、

マイネルマルス(牡、父マイネルラヴ)だ。昨夏の福島で朝日杯FSの覇者マイネルレコルトを

送り出した堀井厩舎の期待馬。姉には昨夏の小倉2歳S覇者コスモヴァレンチがおり、

血統的にも筋が通っている。堀井師は「レコルトほどの距離の融通性は感じないが、

かなりのスピードを秘めた馬。十分に乗り込み、初戦から楽しみ」と期待している。

ラジオたんぱ賞 各紙記事

トップガン好調キープ~ラジオたんぱ賞

 福島の3歳重賞「第54回ラジオたんぱ賞」の最終追いが29日、美浦、栗東トレセンで行われた。

先週福島で4勝と大暴れした和田厩舎が送るトップガンジョーは、坂路でパワフルな動き。

初タイトルは目前だ。一方、函館の重賞第1弾「第12回函館スプリントS」では重賞2勝の

実力馬プレシャスカフェが文句なしの動きを披露した。

 重賞路線でも奮闘した確かな力。トップガンジョーのパワーは坂路モニターを通しても、

ストレートに伝わってくる。4F52秒9~1F12秒4。一見、地味な時計は鞍上がガッチリ手綱を抑えて

計時したもの。坂路調教でおなじみの理論派・和田師が「中2週でもあるし、暑い時期。

そんなに速い時計は必要ないでしょう。前走(エーデルワイスS2着)の出来はキープできている」と、

柔和な表情で語れば納得もいく。

 毎年コンスタントに勝ち星を重ねてきた和田厩舎だが、今年は特に活躍が目立つ。先週の福島は

4勝の固め打ち。今年19勝で全国リーディング9位、関東3位と飛ぶ鳥を落とす勢いだ。

同師は「(昨年11月末に)美浦の坂路の計測距離が延びた効果は絶大だった」という。

トップガンジョー自身、昨年9月に472キロだった体は、今年5戦は486~504キロとパワーアップして

安定。2勝馬の身ながら、G2スプリングSで3着に好走。皐月賞(10着)まで駒を進めた。

同師は「とにかく、馬がしっかりしてきた。皐月賞の後、エーデルワイスS(2着)→ラジオたんぱ賞は

予定したローテーション。東京巧者のイメージがあるけど、中山で負けた時は出遅れなどが響いた。

前に行ける脚もあるし、小回りコースは大丈夫。スプリングSで好走した1800メートルもピッタリ」と

初タイトルの手応えを感じている。

 1つだけ悩みがあるとすれば除外の危険だ。賞金800万円の17頭中13頭が出走OKだが。

4頭は除外対象。同師は「出走できるか?それが一番の鍵でしょう。厩舎の勢いで何とか抽選を

突破してくれないかな…」と祈る思い。新パートナーにはカズサラインをファルコンSで重賞Vに導いたローカルの鬼・中舘を指名。桶狭間の再現をみちのく福島でも…。それが波に乗る和田師の腹積もりだ。



函館

ホットプレイ追い切り拒否/函館SS

<函館スプリントS>
 タマモホットプレイ(牡4、栗東・南井)が追い切りを拒否する「珍事」が起きた。

函館ダートコースで、本田騎手のゴーサインを嫌がり、2コーナー付近でスピードダウン。

2周目も同じ拒否反応を示し、今日30日に延期となった。昨年のG2スワンSを勝った実力馬が、

思わぬ不安を露呈した。

 角馬場で運動後、軽快にコースに飛び出したが、すぐに異変が起きた。2角付近で、

首を振り嫌がるそぶりで減速。併せ馬で先行していたアドマイヤターボ(古馬500万)のあん上も

振り返ったが、差は広がる一方だった。1周後、単走で再び挑戦したが同じ結果に終わり、

この日は断念するしかなかった。

 本田は「2コーナーから速いところをやると分かっているんだろう。賢いんやろうなあ。

でも、行きだしてから止まる馬も珍しい」と苦笑い。南井師も「最近、栗東でも世話を焼かせる面があった。考えて、また追い切りをやり直すよ」と話していた。

ラジオたんぱ賞 各紙記事

ネクサス余力十分12秒6/ラジオたんぱ賞

 3歳重賞のラジオたんぱ賞(G3、芝1800メートル、福島=7月3日)の追い切りが29日行われ、

シルクネクサス(牡、栗東・岡田)がバネが利いたフットワークを披露し好調をアピールした。

2勝を挙げている1800メートル戦への距離短縮で、ダービー敗戦(12着)からの巻き返しと重賞初制覇に挑む。

 激戦の疲労もダービー敗戦のショックもない。シルクネクサスは坂路で入念に2本の乗り込み。

2本目はほとんど馬なりで脚を伸ばして、4ハロン52秒3-12秒6の時計でフィニッシュした。

バネが利いたフットワークで一気に駆け上がり、状態の良さをアピールした。

 昨年7月のデビューからコンスタントに走り続けた。短期放牧をはさみながらとはいえ、

実に15戦を消化。だが、この日の追い切りは余力を感じさせる動き。その豊富なキャリアは、

着実に成長を促してきた。岡田稲男師(44)は「実戦で馬込みに入れたりして、競馬を覚えさせた。

実戦を積む中で、我慢できるようになって対応性が出てきた」と手応えをつかんでいた。

 当初はハナに行きたがる習性が強かったが、3走前のベンジャミンSで控える競馬への

転身に成功。オープン勝ちを飾った。「今のところは1800メートルが合うんじゃないかな。

能力を出しやすい距離」。ダービーは2400メートルが長すぎた。

今回の1800メートルは2勝を挙げている得意の距離だ。

 ラジオたんぱ賞はダービー敗退組が雪辱戦に選んできた。過去10年、15頭出走

(取り消し、除外を除く)し2度優勝。01年トラストファイヤーがダービー10着から勝利を飾ったように、

大舞台でもまれた経験が有利に働いている。今年はシルクネクサス1頭だけ。

中央3勝の実績も最多タイで、今回のメンバーならば一枚上の戦歴だ。

 「いい結果を残して、秋に備えたいと思う」。条件ぴったりの“敗者復活戦”。

岡田師にとっても開業3年目で初の重賞Vがかかる。初めてダービーに連れて行ってくれた

ネクサスに、念願達成の期待をかける。

ラジオたんぱ賞 各紙記事

アドミラル3馬身先着/ラジオたんぱ賞

<ラジオたんぱ賞:追い切り>
 モエレアドミラルが復調の兆しを見せた。外メジャーカフェ(古馬1600万)、中サクラロイヤル

(古馬500万)と競り合うようにスタートすると、前半から気合十分に飛ばしていった。

残り1ハロンで他馬が脱落しても、最後まで脚を伸ばし、2頭に3馬身先着。

800メートル49秒2-36秒8-13秒1(いっぱい)の好時計をマークした。

「これだけの時計で走っても最後はバテバテじゃなかった。転厩してきてから一番いい状態」と、

またがった小島騎手の声も弾んだ。

 4戦4勝の実績を引っ提げホッカイドウ競馬から転厩してきたが、中央での3戦はいずれも惨敗。

行きっぷりも本来のものが見られなかったが、ここにきて気持ちの面で変化が出てきた。

「普段からハミをとるようになって気合を見せるようになっている」と小島騎手は言う。全姉は00年

オークスを制したシルクプリマドンナ。血統からも芝の適性を見限るのは早計だ。たたき3戦目の今回こそ、本当の力を見せつけたい

函館

サマー豪快5馬身先着/函館SS

<函館スプリントS:追い切り>
 ディープサマーはウッドコースでオープンエアー(3歳1000万)と併せ、豪快に5馬身先着した。

4角引っ張り切りの手応えから藤田騎手に追われると、あっと言う間に突き放した。

時計は5ハロン67秒8-12秒0。それでも見た目の派手さとは対照的に藤田の歯切れは

いまひとつ。「頭を上げていたし、正直もう1、2本欲しい気はする。この馬はつかみきれない

ところがある。おれが逃げたり控えたりいろいろと試したんだけど、勝ったのは次郎ちゃん

(小野騎手)だったしね」。見た目はそう太くは見えないだけに、

【2100】と底を見せてないスプリント戦で期待だ。

函館

プレシャス馬力回復65秒6/函館SS

 春は消化不良に終わったプレシャスカフェ(牡6、小島太)が、名誉挽回(ばんかい)を

期す函館スプリントS(G3、芝1200メートル、7月3日=函館)へ万全の態勢を整えた。

29日、函館ウッドコースで追い切りを行い、5ハロン65秒6を馬なりでマーク。

16年ぶりの函館滞在でメーン2勝と好調の蛯名正義騎手(36)もリベンジを誓った。

 プレシャスカフェの追い切りを「無事に」終えて下馬した小島良助手の息が激しく乱れていた。

左右の手のひらは手綱の跡で真っ赤に染まっている。両腕の血管もくっきりと浮き出ていた。

行きたがる馬を懸命に押さえた乗り手の体に表れた変化は、快速馬に馬力が戻った証拠に

他ならない。「1周目がきついね」。アクセルを軽く踏むだけでギアがトップに入ってしまうため、

軽いキャンターの方が乗り難しい。ジョッキーではなく専属パートナーが調教をつけるのも、

常に暴走の危険があるから。握力72キロを誇る力自慢の小島良助手は、悲鳴を上げたい衝動を

抑えながら2周目に誘導。引き絞った弓から放たれたプレシャスカフェは14秒5、13秒7とラップを

上げ、馬なりでラストを12秒7でまとめた。調教師の指示通りの65秒6。「65~66秒と

言われていたから、時計的には丁度いい。2周り行っているから追う必要はなかった。

万全だと思う。きっちり勝ちたい」と調教名人からは必勝宣言が飛び出した。

 バトンを受ける蛯名も闘志を燃やす。1番人気に支持された高松宮記念はスタートと

コース取りのミスで取りこぼしただけに、リベンジにかける気持ちは強い。「悔しい負けだった。

自分の乗り方に納得できなかった。京王杯SC(14着)は目に見えない疲れがあったみたい。

能力さえ出し切れば、いい結果が出るはず。力を信じて乗る」と巻き返しに意欲を見せた。

条件馬のころからG1級の器と確信。大目標のスプリンターズSに弾みをつけるためにも、

結果を出したい。

 蛯名自身16年ぶりの函館滞在は吉と出ている。騎乗馬は1週目の12頭から2週目21頭

と飛躍的に増えた。関西馬の依頼も多く充実している。4日間を終えて、ナチュラルリーダーと

ブレイクオブドーンでメーンレースを2勝。デザーモと分け合った。「思うところがあって」トップ騎手が

集う激戦区に身を投じた決断が、実りつつある。夏のスプリント王決定戦は、

人馬にとって秋を占う重要なステップになる

プレシャスカフェ

プレシャス得意距離で反撃だ~函館SS

 あふれるエネルギーを抑えきれなかった。28日早朝、ウッドチップコースでのキャンターを終えて

引き揚げてきたプレシャスカフェ。鞍上の小島良助手は馬から降りるなり、「見てよこれ」と、

真っ赤になった手のひらを大きく開いてみせた。今にも暴走しそうな馬を制御するため、

必死に手綱を握りしめたための“アクシデント”。だが、それは同時に、プレシャスカフェの復調を

意味していた。「いい頃のうるさい感じが戻ってきた。もう大丈夫だよ」。同助手の表情も思わず緩む。

 前走の京王杯SCでは、まさかの失速で14着に大敗した。「高松宮記念(3着)がピークだったから

前走はレース前の追い切りでも妙に折り合って、いつものガツンという感じがなかった。

大人になったのかなとも思ったけど、やっぱり本調子ではなかったね」。ほとんどすべての調教に

またがっている小島良助手だけに、敗因はきっちりと把握している。

 15日に函館競馬場に入厩。22日にはWコースで強めに追われ、5F66秒5、ラスト1F12秒2の

好タイムをマークした。「日曜(26日)にも15―15(1F15秒台のキャンター)をやっているし、

ほぼ仕上がった状態。乗っていて“つらい”と感じるのは良くなった証拠だから」と同助手。

「小回りの1200メートルはベストだし、このメンバーなら正直、負けられない」と語気を強めた。

8戦7勝の得意距離で仕切り直し。北の大地から反撃が始まる。