栞(しおり)。と別れの歌。 | 夕食ホットオフィシャルブログ

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美容師のボーカルしょったん+建築家の鍵盤きくっちゃん+ぬいぐるみのギターすだっちからなる異色ユニット「夕食ホット」の公式ブログです。



昨日のつづき。



音楽の長さとか、そういうことを考えようとしてふと、もういっこ本について思うことがあったのでそっち書きます。

栞。

しおり。



新刊本や新潮社の文庫本にはヒモの栞がついてますよね。僕、あれ大好きなんです。
はじめて本を開いたときの、あの栞のしゃきーんとしている感!
あるとこまで読んで、そうそう、ってちょいと栞を進める感!
読みながら寝てしまい、翌日、栞を頼りに最後に読んだページを捜索して、「うわー俺きのう1ページで落ちてる」感!



たまらんですね。



もちろん紙とか竹の栞も大好きです。



 栞



世の中には変わった人もいて、ある本を読み終わったとしますね。すると、読了した証として一番最後のページに栞を挟む人がいるらしいんです。
「はい読んだよ」
って儀式なのでしょう。



 
それはそれでとても美しい風習なのですが、とりあえず僕は違います。
読み終わったらそれでおしまい。
「ふー、おもしろかったー」とそのまま本を閉じます。
栞のことなんかもう気にも止めない。そして本棚へしまう。



するとどうなるかというと、家の本棚には、『最後から数ページ(本によっては数十ページ)の場所に栞が挟まれたままの本』だけがたくさん眠ることになるんです。



あるときふと、僕はこのことに気づいて、栞たちがとても愛おしくなりました。



最後まで読まれてしまったゆえに、もう縁もゆかりもない場所に挟まれっぱなしの栞たちよ。

なんかこれって、別れてしまった二人の写真とかに似てません?
別に写真に限らなくて、想い出でもいいんですが。
別れる前、あるタイミングまでは二人は仲良くて、いろいろ写真が残ってるのに、最後の数週間だか数ヶ月だか、その期間の写真はもうないんです。



その最後の写真を撮ったとき、それは特に重要なイベントじゃなかったかも知れない。たまたま撮っただけ。クライマックスも特別な演出もない写真。
でも
それが二人で撮った最後の写真になっちゃうんです。
本当の結末はもっと後にあるのに、その少し前で時間が止まったまま。

特に意味のないページに挟まれたまま棚に眠る栞みたいに。



 



これ、いつか歌詞にしようと思ってるんだけど、うまくできないっす。



まだまだっす。
頑張るっす。