「オヤジのNBのタイヤ替えてアライメントしてください」
と、みっどじゃむ君が来たよ。
このNBはみっど君の父ちゃんのクルマ。
普通に乗って、普通に車検通してる。
あまりにパターンノイズの煩いフェデラルSS595から、
タイヤソムリエうえしま推薦の普通タイヤ、ピレリP1に交換だ。
ピレリP1はBMW MINIなど最近の欧州車に純正装着されているタイヤ。
・ノイズ
・ウェットグリップ
・耐ハイドロ性
・インフォメーション
・剛性感
あえての尖った性格を抑えて、オールインワン処方。
総合バランスに優れた普通のタイヤながら、山坂で攻め込んでも充分なインフォメーションと剛性感でドライバーを魅了する。
ミシュランPS3と共に、高級タイヤの味を、オクなどで入手すれば安価に味あわせてくれる。
P1の守備範囲は、純正脚からストリートサス程度までと相性が良いカンジだ。
そして、TREADWEAR（耐磨耗性能）420という、ドライグリップはそこそこながら、国産タイヤを遥かに凌駕する耐久性で、
むしろ走りを練習したい皆さんにはオススメなんだ。なかなか溝が無くならないからね。
ロクなセカンドグレードラジアルが無い昨今、練習用ラジアルに、雨の高速道路ドライブに、ピレリP1は最高のコストパフォーマンスだ。
みっどじゃむ君は以前自分のセカンドカーのアルトにP1を組んで、あまりの素直さラクチンさ快適さに魅了されてしまった。
「オヤジにもこの良さを味あわせてあげたい。」と。
うん。親孝行息子だ。もうすぐ父の日だしね。丁寧に組み込むぞ。
タイヤを組み替えたら次は実走現車合わせアライメントだ。
「なんか乗ってて楽しく無いし、ちょっと怖くてヘンなんですよね。まぁ脚も12万キロ純正ノーマルなんで仕方ないかもですが。」
ククク・・
確かにノーマルはそんなに良くはないよナ
でも ロードスターはメーカー設定のアライメント公差がデカいんだ
キャンバーキャスタートー
ソレを駆使すれば 純正脚だって捨てたモンじゃないゼ
・妙に起き過ぎてるキャンバーを、適切に補正
・挙動を診ながら、怖くないようにリヤトーを修正
・ステアセンターを出しながら、スタビリティとハンドリングを両立するようフロントトーを補正
いかにもヤリっぱなしの古臭いノーマルだったNBが、見るヤツが見ればオッとなる雰囲気を醸し出した。
ちょっとさすがに純正ダンパーの経たりと、バンプラバーの経年劣化による動き過ぎが気になったが、まぁイイだろう。
マイナスをゼロに。だ。
みっどくんにハンドルを返すと、彼は驚愕した。
「うわ！全然怖くない！脚はなにもしてないのに！」
経たった純正脚を使いきれるようにしただけで、絶対評価では決して良くはなっていない。「回復」だ。
しかし、ずっとソレを知らず乗っていたみっどくんの相対評価では「激変」だろう。
・一度味わうと後戻り出来ないヤバいシロモノ
・ヤバいくらいキク！キマッてしまうと笑いが止まらなくなる！
脚を替えてセットアップすれば勿論変わるのは判りやすいが、
何も変えず調整のみでソレを味わうと、感動は何倍にもなる。
みっどくんも、かつて無いくらい「キマッて」しまった（笑）
持ち帰るハズのタイヤを置いて走りに行くくらいに（笑）
ふつーのノーマルから、ノーマルを突き詰めたスーパーノーマルへ。
山口かつみ先生が「オーバーレブ」で描いていたのはこーゆー事だ。
父ちゃんのNBにもクリニックステッカーが自慢気に貼られた。
なんだかムラムラしているみっどくんを送り出し、暫くするとこんなメッセージが。
ドコでナニしてるか知らねーケドw 楽しそうで良かったナ（笑）
オイオーイ！
それ父ちゃんのお散歩用グルマじゃなかったのかー？（笑）
まぁそんなこんなでめでたしめでたし。