「住基ネット離脱」に違法判決、その意味は | うえまつーしん電子版(植松泰之のブログ)

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市議会議員として日頃思うこと感じることをお伝えします。

 東京都国立市が住民基本台帳ネットワーク(住基ネット)から離脱しているため、不必要な経費が支出されているとして、住民5人が関口博・国立市長を訴えた住民訴訟の判決が4日、東京地裁であり、裁判長は住基ネットからの離脱は違法との判決を下しました(参照:新聞報道)。


 かねてから住基ネットに対するプライバシー保護の視点からその危険性に着目し離脱し続けていた国立市長ですが、杉原則彦裁判長は「一部の自治体が不参加では行政コストの削減を図る住基ネットの目的は達せられない。自治体は国会が制定した法律を誠実に執行しなければならない(朝日新聞)」として、市長の主張を退けました。


 ここで私が注目したいのは、住基ネットそのものの議論ではなく、前述の判決理由の内容です。


 つまり、裁判長が自治体の法律遵守を、憲法第41条「国会は、国権の最高機関であって、国の唯一の立法機関である。」という条項に則って粛粛と言い渡したことです。


 ややもすると最近重宝がられている「地域主権」などという言葉のまやかしに幻惑されて、地方が法律を超えて何でもできるかのような風潮になりつつある昨今、国家秩序の観点からこの判決の意味するところは誠に大きなものと捉えるべきだと思います。


 『うえまつーしん第6号』(一部地域配布)でも指摘しましたが、国家との無用な対決姿勢を強める「地域主権」ではなく、あくまでも国家の一員であることを大前提とした「地方分権」を推進していかなければならないと考えます。


 国のあり方を考える上での指針とすべきでしょう。